子供の頃、父親が犬が好きで、日本犬を何頭か飼っていた。犬の檻も父親が日曜大工で自分で作っていた。一時期は迷い込んだ猫も一緒に飼っていて、凛々しい雄猫は犬より強く、犬の方が遠慮していた。いつも犬や猫がいることに感覚的に慣れていたせいか、兄や妹もやはり家庭を持ってから、犬や猫を飼っていた。小学生の頃、父親がある日、成犬のジャーマン・シェパードを連れ帰って来た。大きい犬に恐れをなしたが、その雄姿には感動した。結局は家では面倒を見きれないと、手放された。しかし、この時の記憶がずっと残り、その後、自分でも家庭を持ってから、ジャーマン・シェパードを都合3頭飼った。1頭は北海道の訓練チャンピオンになった。警察犬としても登録したので、事件で犬を連れて、何度か出動したこともある。この犬は親の血統は決して優秀ではなかったが、シャパードに詳しい方が子犬の様子を見て、勧めて下さった犬だった。訓練では防護具を付けた人の腕に噛み付いて、噛んだままムチで叩かれても、指示を出すまでは絶対に放さなかった。犬の訓練にも人間並みの小学から大学、大学院に相当するような訓練の段階があることを知った。飼主であってもこの犬にはどこか恐れを感じることがあるほどだった。とても迫力を感じさせられた。子犬の時にはまるで熊の子供のようで、周りからもよく可愛がられていたが。残念ながらこの犬は8歳を前にして、病気で亡くなった。次に飼ったシェパードは警察犬として登録しなければならないことを考えて、途中で訓練を止めてしまった。この犬も2年前に老衰で亡くなり、現在はベルジアン・タービュレン、通常、ベルギー・シェパードと言われる犬がいる。しかし、今年に入り、いよいよ老境のために、かなり弱って来ている。今年の9月で15歳になるので、何とか誕生日を迎えさせてやりたいが、大型犬なので、なかなか厳しいのかも知れない。犬が好きであっても、やはり動物なので、手を抜くことは出来ない。自分の年齢を考えると今の犬が最後の犬になるのだろう。特に、大型犬はそれなりの運動量が必要だ。旅行の時には大船渡にあった訓練所に預かってもらっていたが、その訓練所も震災後に閉じてしまった。


12歳の頃のベルジアン・タービュレン