こころのたね

ここでまく種が、どこかで花を咲かせてくれたらいいな(*^_^*)
2018.8月より再開!母になりました✨

『エンキョリレンアイ』

2010-04-19 22:31:38 | 

最近特に、空いた時間には本を読むようにしています
もともと好きですし、疲れていても出来る気分転換に、読書は最適
色々読んでいるので、これから少しずつここでご紹介していきますね



今回の読書感想文は、小手鞠るいさんの『エンキョリレンアイ』です
図書館のおすすめだったので、借りてみました
恋愛小説3部作の第1弾だそうです



あらすじ


13年前の春、ふたりは京都駅近くの書店で出会い、優しく切ない恋が始まった。

書店でアルバイトしていた主人公・花音。
そこに、絵本を選んでほしいと来た男性・海晴。
海晴からのアプローチで、二人はお互いを想うようになる。
しかし、出会った舞台は京都だったものの、花音はその日がバイト最終日。
就職のため東京に行くことが決まっていた。
一方の海晴は、アメリカ留学ことが決まっていた。
その後ふたりは、東京とニューヨークという距離と時間の壁を乗り越えて、メールや電話で想いを育む。

海晴の亡くなったお母さんは、女手一つで海晴を育てた。
「未婚の母」ではなく、「ミコンノハハ」なのだと彼女は言っていた。
漢字の「未婚の母」から悲しみと涙が蒸発して、明るくて前向きで世界一幸せになったのが、
カタカナの「ミコンノハハ」だと言う。
ふたりの間に横たわる途方も無い距離に圧倒され、押し潰されそうになり、
海晴のお母さんを倣って、花音もいつしか頭の中で「エンキョリレンアイ」と変換するようになっていた。
「遠距離恋愛」と「エンキョリレンアイ」にも、同じように違いがあるかしら・・・と。

遠く遠く離れていても、お互いを想わない日はなかった――。
そんな、言葉を通わす恋人たちを待つのは、驚きの結末だった。
海をこえてつながる、直球の純愛物語。




                                             

冒頭で「すぐ簡単にそこまで人を好きになれるもの?」と疑問が浮かび、
終盤で「ちょっと出来すぎやない?」とツッコミを入れてしまいましたけれど、
とても純粋に人を想う気持ちが溢れているお話でした

花音と海晴のパターンは特殊ですが、抱えている気持ちや悩みは誰もに共通するもののような気がします
海晴が花音宛てに送ったメールからは、楽しく温かい気持ちをもらい、
花音の葛藤には、一緒にせつなくなりました。
海晴からの連絡が途絶えて、不安に押しつぶされそうになって、
信じられるものが分からなくなって、何もかもが上手くいかなくなってしまって、
それでも気持ちをぶつけられる相手が居なくて、ひとりぼっちになった気がして、
近くに居る人にすがりそうになって、そんな自分が嫌になって・・・。
それでも花音は「海晴を好きでいたい」と、自分の力で何度も立ち上がるのです。

もしも私が花音の立場だったら、それは無理だな~と思います
早々に心が折れて、自分から諦めてしまっているでしょうね。
遠く遠く離れた場所にいる花音の心を、守り続けた海晴もすごいと思います

終盤はどんでん返しもあり、急展開
「えーっ!こんな話だったの!?」とショックを受け、途中で読むのをやめたくなりました(笑)
でも最終的には、読むのをやめなくて良かったです

純粋にひたむきにお互いを想うふたりが、とても素敵でした

                                             




心に残った言葉たち

今のわたしには、ゆるやかな痛みのように、わかっている。
あのひとの言った通りなのだ。
つながるのは心と心。それ以外では、ひとはつながることなどできないのだと。



「愛は他愛ない会話と、つないだ手のぬくもりの中にあるの。
愛は一緒にあるいていくこと。愛は一緒に坂道を登っていくこと。」



「どんなに相手のことを思っていても、別の人間である相手には、その思いは「わからない」のです。
 そして、どんなに深く、一生懸命相手のことを思っていても、
 その相手が同じくらい自分のことを思ってくれているのかどうか、それも、わからないのだと思います。
 しかし、ひとつだけ、わかることがあります。それは自分の気持ちです。
 自分の気持ちだけは、わかりすぎるほど、わかります。」



「カノちゃん、決してオーバーではなく、僕は今、こう思っています。
 もしも、もう二度と会えないとしても、例えば僕が死ぬ前に、誰か会いたい人がいるとしたら、
 それはカノちゃんをおいて、ほかにはいません。
 僕が死ぬ直前に、ひとつだけ思い出したい記憶があるとすれば、それはカノちゃんとの記憶だということです。
 いろいろ書いたけれど、何よりもこのことを伝えたくて、この手紙を書いたような気がします。」




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