ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

鋼鉄

2010-11-24 | アート
折曲がった光が
ビルの谷間を抜けて
足元を照らし出し

折曲がった風が
ビルの谷間を走り
コートのすそから吹き上がる

赤く熟れたリンゴに
口づけるように
剥がれ落ちた木の葉が顔に当たる

長いブーツ
長い影
長い夜に

折れ曲がった半島の
悲しみと怒りが混じった
涙が零れ落ちる

好きなのに嫌いだと
嫌いなのに好きで
ちぐはぐな思いと策略が苦悩を運んでいる

祈ることしかできない
この鋼鉄の町の中で
無力な私