シンメトリー

祈りは希望の写し鏡







願いは明日の写し鏡

この一年もご愛顧賜りましたこと厚く御礼申し上げます。
くる年が皆様にとって豊かで笑みがあふれる年となりますように
お祈り申し上げます。

宙の青

空が青く
宙の青を
映して
水が青く
瞳もまた
青くなる

たがいを
うつして
宙の青
きらきら
している
宙の青


　　

ふりつもる

ありきたりの
日常を
染めて
過ごしてきた
時が
ふりつもる

積もって
積もって
頑張ったねと
背中を
押す声

ふりつもる

　　

ゆ

愉快の「愉」
湯船の「湯」
潤滑油の「油」
治癒の「癒」
比喩の「喩」
柚子の「柚」

ゆの字は
心の輪っか
連れてくる

　　

※　松本市浅間温泉　

えいちつーおー

落ち葉を踏み分け坂を上り



苔むしたベンチにであった



幾千の生を生たらしめた水のざわめきが



音を立てて落ちてくる
その水の気を苔に変え



今ここにまた新しい命を育んでいる



えいちつーおー　命　無限の愛


　
　

Way

たましいの真中を
たましいが通過し

ＷＡＹ

あしたも旅に出よ
とたましいが言う

ＷＡＹ

であいはみちびく
たましいの真中の
たましいのみちを

鋼鉄の微笑み

柔は剛を制し
柔は剛に守られ
微笑む



鋼鉄の町の
師走も暮れて
夜になり




一年で摘んだ種の
柔より出で
輪廻転生
鋼鉄の微笑みに
涵養す


　

雪下の来光

屋根雪が落ちて
背の丈より高くなり
やがて雪窓からの
灯りだけが
室内を照らす
北国の厳寒が来る

雪が自分の重さと
太陽の光に
その背丈を縮め
ようやく窓から
光が室内に射した時の
やわらかになる
部屋の柱の
漆の黒よ

※　里のある年の冬の光景　写真は大町で

すこし

いつだって
わかっている
私たちは自由で
すこし
寂しがり屋

漂いあって
むすばれている

　　
　

曇りの記憶

かすかな傷み
濁り硝子の
遠のいていく
曇り空

ときおり
突き刺す
鮮烈な光

あてどなく
歩く曇りの
記憶の
いつまでも
どこまでも