ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

月恋し

2011-01-31 | アート
下弦の月になって久しくなり、
月の恋しい夜を迎えました。

月の光が降り注げば
遠くの山が白く浮かび
青サギやカモの渡りの声が
いっそう凍えて聞こえます。

それでも、月の明かりが恋しいのは、
あなたのお顔が見たいからです。
小さな春の芽を膨らまし始めた
バラの木の、あなたに春を見たいからです。

壊れた世界

2011-01-30 | アート
エリザベス・テーラーが究極のプロポーションを持っていたと
何度、聞かされたでしょう。
でも、マリリン・モンローには敵わないだろうと
子ども心に思っていました。

そのマリリン・モンローは
映画の中よりも、
アンディ・ウォホールのポスターの方が魅力的でした。

究極の美があるとして、
さて、それが本当に人心をとらえるのかと聞かれれば、
「?」と思うこともあります。

富士山は富士吉田からの景色が絶景というので、
毎年、足を運ばれている人がいます。
たしかに、たしかに、絶景に違いありません。

富士山の周りを通る道からの景色もまた絶景ポイントがあり、
若いころ、一度、撮りに行ったことがあります。
その日の富士山は雲の中でした。
一瞬だけ、雲がうすくなって、
山すそが見え、
それだけが記念写真となりました。

もっとも、この写真、
コンテストで入賞しました。
人は絶景よりも
見慣れない景色に心を奪われるのかもしれないと
ぼんやり考えたことを思い出します。

あるいは、新宿辺りの高層ビル街から、
こっぽり、富士山が見えたときなど、
本当に儲かった気分になるのですから、
富士山とは何者かと思ったこともあります。

究極の美とはさて、いったい何者なのでしょう。
そして、人はどんな事象を美として追求するのでしょう。
考え出すと、深すぎて底なし沼のようです。

境界と限界

2011-01-29 | アート
フィルムカメラにしか出来ないこと、
デジタルでも、撮った、そのままの画像が、
写真と呼ばれるものか。

シルクスクリーンや
インスタレーション(空間芸術?)や
バリバリのCG(コンピュータグラフィック)も写真か。

写真と絵画の境界線が
曖昧になればなるほど、
「写真とは何か」という問いが
語られるようになります。



私はといえば、
CGもしますし、
そのままの写真もします。
 その結果しばしば、節操がないといわれます
境界について
あまり多くを考えたことはありません。

ただ、写真をご覧になる人が
「みんなCGでしょ」と仰るのが
ちょっと堪えます。
論点はそこかいな、と思うことと、
そのままの写真でも
ここまで撮れる!という感激を
分かち合えないことが堪えます。

境界という言葉には
限界という言葉が対峙します。
私にとっては、同質の問題なのですが、
 それ以上できない=限界≒境界。
そのことをうまく説明できません。
そして、境界という線引きは
見るものにとってより、意義深いと思っていることも
うまく説明できません。

でも、まあ、どちらでもよいじゃありませんか。
「好きですか?」 
「嫌いですか?」
とは言えます。

2011-01-28 | アート
あの ひとしずく の
涙が
再び
あなたの頬を
伝わないようにと
雨が降る

もう、どれだけ
泣いても
よいのだから

街灯までがにじむ町に
雨が降る

どうか
喜びの涙であってくれ

かたくなな心をたたく
雪どけの雨

水は
戻るところを求めて
下っていく

あの ひとしずく の
涙が
にじませた町を
下っていく

春の光

2011-01-26 | アート
春の光があふれたあとで
今度は雪が降り出しました。

北陸の雪のような
ポッポとした雪でした。

あたりはすぐさま銀世界となり、
夜のベールに包まれていきました。

明日になれば、
春の光が再び満ちて、
白い世界を
赤く染めることでしょう。

さあ、山よ、笑いなさい。
梢の先が頬を染めて
来るべき季節を
先取りすることでしょう。

霜の花

2011-01-25 | アート
朝になって
溶け出す
霜の花

今日はどこを行こう
お日様のプロペラ
背に乗せて




夕べになって
集まった
霜の花

今日はここでお休み
雪間の月も見えるから

夢見た色を
白く描きましょう

覆われる

2011-01-24 | アート
厳寒の間は背を伸ばしていた植物たちも
水が緩み始めると
微生物の浸食を受けて
朽ち果てていきます。

厳しさに抗した、
その後も背筋を伸ばしていけるものは
長くこの世を
覆うのでしょう。

覆うもの
ぬるま湯の中でも
私を保てるもの

動き出す

2011-01-23 | アート
このところ、
あれやこれやが動き出しています。
均等に忙しさはやってこればよいのに
せいのドンで来る面白さ。
同時に、ヒマもせいのドン。

動き出せば風が起きて
風が吹けば
かいた汗も心地よい。



のでしょうね。

スモール・リーフ

2011-01-22 | アート
小さな葉っぱの
小さな祈り

こごえる寒さと
こごえる声で
小さな祈りを
ささげます

スモール・リーフ

信じること
想うこと
耐えること

春への
展開

スモール・リーフ

小さな霜焼けを
負いながら

春待つ
小さな祈り

スモール・リーフ