エリザベス・テーラーが究極のプロポーションを持っていたと
何度、聞かされたでしょう。
でも、マリリン・モンローには敵わないだろうと
子ども心に思っていました。
そのマリリン・モンローは
映画の中よりも、
アンディ・ウォホールのポスターの方が魅力的でした。
究極の美があるとして、
さて、それが本当に人心をとらえるのかと聞かれれば、
「?」と思うこともあります。
富士山は富士吉田からの景色が絶景というので、
毎年、足を運ばれている人がいます。
たしかに、たしかに、絶景に違いありません。
富士山の周りを通る道からの景色もまた絶景ポイントがあり、
若いころ、一度、撮りに行ったことがあります。
その日の富士山は雲の中でした。
一瞬だけ、雲がうすくなって、
山すそが見え、
それだけが記念写真となりました。
もっとも、この写真、
コンテストで入賞しました。
人は絶景よりも
見慣れない景色に心を奪われるのかもしれないと
ぼんやり考えたことを思い出します。
あるいは、新宿辺りの高層ビル街から、
こっぽり、富士山が見えたときなど、
本当に儲かった気分になるのですから、
富士山とは何者かと思ったこともあります。
究極の美とはさて、いったい何者なのでしょう。
そして、人はどんな事象を美として追求するのでしょう。
考え出すと、深すぎて底なし沼のようです。