ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

松本一本ネギ

2013-02-28 | ネイチャー 


寒さに耐えたくて
体にお砂糖を作った
寒ければ
寒いほど
甘くなるんだ

寒さに
衣はボロボロになっちゃったけれど
中は軟らかくて
濃くって
美味しいよ

まっすぐ伸びちゃ
短足になるからって
寝かして
植え替えられて
春を待っている
僕は
松本一本ネギ

葱坊主だって
立派なんだよ


雁風呂

2013-02-27 | ことば


雁は北の国からこの国に渡る時
木片を口にかみしめてきます
海上で疲れたら
その木片を海に置き
一夜羽を休めるのです

雁たちは奥州は外の浜に降り立つと
その木片を浜辺において
冬を過ごします

この国での冬ごもりが終わって
北の国に帰る時
雁たちは再び外の浜の木片を拾って
長い海上の旅に出ます

ですから
拾われなかった木片の数だけ
故郷に帰れなかった
雁がいたことになります

奥州の人はこの木片を集め
風呂を焚いて
帰れなかった雁を供養しました



さん

2013-02-21 | ざれごと日記



その日
私は白鳥に会いに行って
キジが飛び立つのを見ました
菱形を長く伸ばしたような姿で
飛んでいきました

その日
私は銀行に出かけて
チョウゲンボウが飛び立つのを見ました
鋭く切り裂くような円弧を描いて
飛んでいきました

その日
私はなかなか寝付けなくて
ミミズクの鳴き声を聞きました
闇夜に深く響いていました
ごろすけ ほーほー

いち に さん

私は思わず数えました
何かが
開かれていく
そんな予兆が
しました
たわいもない
日々の暮らし

なにかが
開かれていく
そんな予兆を
感じました

仄かな予感

2013-02-20 | ピープル




ほのかに
ほのかに

なにかが
はじまろうとして
いる

そのことに
すなおに
なれなくて
すこしだけ
おびえている

ほのかに
ほのかに

おもいだす
そうであっても
すなおになれた
そのときのこと
がんばった
そのときのこと

だいじょうぶ
いつだって
ひとりぼっちじゃなかった
いつだって
ささえて
くれる
ひとがいた

ほのかに
ほのかに
はるが
くる