ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

曇天と薔薇

2010-05-31 | アート
豊科近代美術館の薔薇が開花期を迎えました。
昨日はどうしようもない曇天。
でも、
曇天ゆえに、
こんな鮮烈な朱に出会います。

出会いといえば、昨日のこと。
以前、展示したギャラリーに行くと、
初老のご夫婦がいらして、曰く。
「写真、されているのですね。じゃあ、僕の写真を見て下さい」
車からもってこられたのは
フクロウの幼鳥の写真。
「!」
あまりのうまさに絶句。
800ミリの望遠レンズでフラッシュを焚いて、アイキャッチが入っていて、
完全な逆光なのに羽毛のフワフワがきれい浮き出ている!
で、その種明かし。
「あ、これね。市民タイムスのカメラマンが撮ったんですよ」
安堵してよいのか、やっぱり驚愕しておくべきか。
とてもドキドキしたことでした。

それにしても、世の中には強者がゾロゾロ。
まだまだ、腕を磨いては楽しめる世界が広がっているということですね!

水玉のうつわ

2010-05-30 | アート
県の森のクラフトフェアに行って、
水玉模様のグラスを見つけました。
ロココ朝的なヒダの入ったグラスに、
直径4ミリほどの黒い水玉が20個あまり並んでいます。
日差しの強い日でした。
そのグラスにも夏の太陽が照りつけていました。

ところが、影には水玉がないのです!
グラスを回転させても、ひっくり返しても、
一つの影も出ない!

なんと不思議な造形……!

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県の森のクラフトフェアは松本市の県の森で本日まで。
皆様、素敵なお顔で参加されています。

田んぼ

2010-05-29 | アート
田んぼの緑が濃くなっています。
だんだん背も高くなって、
早稲田の面白さはなくなってきたかもしれません。
それでも、まだまだ田んぼは面白い。

農家のオバサン、おばあさんたちに呆れられながら、
また田んぼの撮影会。
なんとドラマチックな世界が日本にはあるのかと、
大きなことを妄想している、最近の私。

草間弥生

2010-05-28 | アート
もう花期を終えかけたガーベラを接写しました。
で、草間弥生を思い出してしまいました。

彼女の作品にであったのはたぶん、高校生の時。
一度見たら忘れられないというのか、
幾晩も、彼女の作品が夢に出て、
いいようのない恐怖感をもちました。

それから○十年。
草間弥生の作品は松本市美術館ですぐに会えます。
やっぱり怖いです。
肉薄する恐怖といってもいいかもしれません。

何もガーベラの撮影をして
草間弥生を思い出さなくてもいいのに、
それだけ、彼女のカラーが強烈ということなのでしょうね。

そうそう、繰り返される模様に私は興味があります。
ひょっとすると、怖い怖いといいながら、
彼女のDNAを頂いた方かもしれません。

水盤の太陽

2010-05-27 | ざれごと日記
中国では日蝕を水盤に張った墨汁に写すといいます。
あまりにまぶしすぎるものを写し取るに、
墨汁はよく考えられた手段と思いました。

日差しが強くなってきました。
よく晴れた日、とりわけ雨上がりの澄んだ空は、
まぶしくて眺めることができません。

そっと、水たまりに太陽と景色を映して、
つかの間の幻影を楽しむのでした。

素直な感性

2010-05-26 | アート
写真によって出会い、
生まれ出てくるものを
まずは喜んでみたい。
写真によって出会い、
生まれ出る瞬間を
まずは大切にしたい。

そんな柔らかな感性に出会うと、
世界が生き生きして見えます。
素直に、美しくも不思議な世界を享受できる、
その喜びを素直に表現できる。

そんなお話を聞いた午後は、
時間がゆったりと流れ出します。

誰かの真似はバレル

2010-05-25 | アート
昨日の池井戸さんのお話のなかに、

誰かの真似はわかる。
それは、見知っている文章だ。
との、ニュアンスが書かれていました。

もう知っているもの、
それが作者としてカラー(領土)にはなり得ない、
そういうご指摘でしょうか。

オリジナリティ、しばしばアートの世界で聞く言葉です。
胸に突き刺さるひと言でもありますね。

オリジナリティ

2010-05-24 | アート
5月23日の日本経済新聞の文化欄に、
池井戸潤の「作家を目指すひとたちへ」との記事があった。
池井戸は江戸川乱歩賞の選考委員である。
その選考過程から、作家の要件は

「新しい」、と述べる。

新しいとは、
自分の色をつけた領土を見つける事であり、
自分にしか書けない世界を書くことである。
 (が、登場人物の実在性をゆがめてはいけない)

「新しい小説を書け。
 その新しさは作者自身のなかにある。
 自分の趣味、専門知識、関心。
 それらを見つめ、膨らませ、影響を受けた作品のフィルターを外し、
 裸眼で見た自分の世界観を表現することこそが重要だ」



解体

2010-05-23 | ざれごと日記
住宅の解体工事が増えてきました。
少し景気が上向いてきて不動産需要が出てきたのでしょうか。
でも、解体される家屋の、
ばりばりと音を立てる様は、
住宅がまとってきた歴史が悲鳴を上げている、そんなように聞こえます。

女子高生たちが解体家屋の横を過ぎていきました。
「今朝まで建っていたんだよ!」
「ね、どうしてこんなに一瞬なの?」

ちょうど、通りを抜けた西日が女子高校生たちを照らしました。
なんの外連もない顔が白く紅く浮かび上がりました。


影絵

2010-05-22 | アート
影の色が強くなってきて、
影絵を楽しむ季節になりました。

シンメトリーなものもありますし、
アシンメトリーなものもあります。

影だけで、影は存在できません。
影を映すものが必要。
光とモノと影と、それを受け反射するもの。

影を撮ることは、光とモノと影と反射と私、
少なくとも4者の重なり合い。
豊かな世界と思っています。