秋薔薇のゆるりとベールを巻く朝
あのことこのこと過ごした日の
あたたかき思い出
コーヒーカップに注ぎ込む
あのことこのこと過ごした日の
あたたかき思い出
コーヒーカップに注ぎ込む
海は広く空は広い
迷子になった魂は
担ぐに
形が定まらない
どうせ泣いているのでしょう
泣きたいだけ泣いて
眠ったら
迷子の魂が帰ってくる
足音をしのばせ
フワフワッと
笑ってご覧よと
口元を緩めて
帰ってくる
青りんごの青って葉緑素なんだよ
え～っ 知らなかったあ
リンゴが赤くなるのは紅葉と同じ
え～っ 知らなかったあ
紅玉は熟れるまで木に付けておくと柔らかくなりすぎるから
完熟前に採るの
その採り具合で酸味がちょうど良い加減になるの
え～っ 知らなかったあ
リンゴを丸のまま皮を剥くのは
若い人の特徴
え～っ 知らなかったあ
年を取ると四等分が八等分に
もっと年を取るともっと細く分けるの
え～っ 知らなかったあ
あのね 信州人でしょ？
・・・
神の試練に耐えきれず
下界に落ちた堕天使たちが
夜ごと繰り返す金星の舞い
町中に金星のあかりを灯せ
耐えきれない痛みを
いやしなさい
飲めば飲まれて
朝を待つ
器には「一」入っている
右に傾げば左が疎となり
左に傾げば右が疎となる
足し合わせれば「一」
多くも少なくもないけれど
凡眼の
朝三暮四の算盤に忙しい
その喜怒哀楽を治め
達観に至りて「一」と数えるは
まさに彗眼の士
器には「一」入っている
幸も不幸も足し合わせれば「一」
の
・
・
・
人智を越えた災害を悼み
人知を持って当たる方々へ
敬意を払います
天災は忘れた頃にやってくる
とは申しますが
忘れる暇も与えずに
次々とかなしい報の
なんと多い今夏でしょう