大倉草紙

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【京都】 妙心寺・退蔵院

2008年06月23日 17時18分34秒 | 旅 - 京都府
6月7日(土)
当日の行程:(JR二条駅) → (自転車) → 【二条城】【晴明神社】【北野天満宮】 → 【北野東向観音寺】【平野神社】【北山鹿苑寺(金閣寺)】 【龍安寺】【仁和寺】【妙心寺】 → 【退蔵院】【広隆寺】



【妙心寺】


   
               三門(重要文化財)

          
               法堂(重要文化財)

妙心寺へは、北総門から入った。
三門があるほうとは逆の門だ。
石畳の道が続く。
左右には、塔頭寺院が並んでいる。
その数は48箇院にも及ぶ。
境内へは車輌が入れるようになっているが、なるほど、この広さなら、と納得した。

拝観できる場所は、法堂と浴室に限られている。 
しかも、自由に見て回るのではなくて、案内人に従っての拝観となる。

法堂では、鏡天井に描かれた、あの有名な「雲龍図」を拝む。
狩野探幽は、8年の年月をかけてこの天井画を完成させたという。
「八方にらみの龍」ともいわれ、どの場所に立っていても、龍の目が自分のほうを見ているように感じる。
じつに壮観だ。

ここでは、国宝の梵鐘も見ることができる。
「黄鐘調鐘(おうじきちょうかね)」ともいい、『徒然草』にも登場する。

「凡そ鐘の声は黄鐘調なるべし これ無常の調子祇園精舎の無常院の声なり…(中略)…浄金剛院の鐘の声また黄鐘調なり」(220段より)

妙心寺の国宝の鐘は、もとは浄金剛院(廃寺)にあったもの。
698年に鋳造されていて、現存する名鐘では、最古の梵鐘だという。
今では、突くと鐘が壊れる恐れがあるため、現役引退。
鐘の音色は、見学の際に、録音されたものを聞かせてもらえる。


          
                  浴鐘楼

   
                浴室(重要文化財)

浴室は、明智光秀の菩提を追善するために建立されたので、「明智風呂」とも呼ばれる。
お風呂が沸くと、浴鐘楼の鐘を鳴らして知らせていたようだ。
鐘楼は春日局の建立だが、のちに火災によって焼失し、現在あるものは、東山仁王門の信行寺にあった鐘楼を移築したもの。
移築した鐘楼も、春日局が寄進したものだといわれる。


  
      浴室(脱衣所)             浴室(蒸風呂)

          
                浴室(裏側)

   
                 浴室(釜)

浴室は蒸風呂になっている。
簀子板敷の隙間から蒸気が出てきて、正面の扉を開閉することで温度調節をする仕組み。


           
               妙心寺の御朱印

   
               妙心寺のてぬぐい



【退蔵院】


           
             大玄関(重要文化財)

退蔵院は、妙心寺の塔頭。
大玄関は唐破風造の変形で非常に珍しいといわれる。
方丈には、渡辺了慶(狩野光信の高弟)筆の襖絵がある。


   
               瓢鮎図(一部)

「瓢鮎図」は、足利義持の命により、如拙が描いた。
つるつるの瓢箪で、ぬるぬるしたなまずを捕まえるにはどうすればよいかという禅の公案を図示したものである。

通常、「なまず」は「鯰」と書くが、この文字は日本の文字であるため、「瓢鮎図」では、中国由来の「鮎」の字を当てている。

写真は、「瓢鮎図」の下半分。
上部には、全愚周崇、玉畹梵芳ら、五山文学の代表者たち31名による賛が書かれている。
国宝のオリジナルは、京都国立博物館に寄託されているため、退蔵院にあるものは、模造品である。


   
                  元信の庭

方丈の西側に、「元信の庭」がある。
室町時代の絵師で、狩野派の基礎を築いた狩野元信(狩野正信の子)が、作庭したもの。
枯山水庭園で、常緑樹が繁っている。


          
               退蔵院の御朱印