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[短歌味体 Ⅲ] 入院詩シリーズ・2.16 No53~No62

2018年02月27日 | 短歌味体 Ⅲ 入院詩シリーズ

[短歌味体 Ⅲ] 入院詩シリーズ・2.16


53
ふと夜中に目覚めて
(人生はまぼろしのよう)
と耳に残る言葉を無言でつぶやいている


54
(銀河系の無限遠点からは
無数の明暗の
つぶつぶにしか見えない)が思い浮かぶ


55
そんなことを思っても、また
今日も
この足下から世界ははじまるさ


56
今日はくもり空でも
わたしの
心の空は静かな晴天


57
初期CD三巻を病室(へや)で
十数年ぶりに
聴く、やっぱりいいなタテタカコ


58
にぎやかな抽象の
すべすべでなく
心の肌合いにぴったり音が添う

 註.タテタカコの『そら』『イキモノタチ』『敗者復活の歌』の三巻。よしもとばななつながりで聴き出した。




59
いくつもの検査を乗り越え
今日もまた
ほっと一息つく夕暮れ


60
家々の明かり点々と
向こうの
薄闇に浮かぶ午後七時頃


61
内から見たわけじゃないけど
夕食や
テレビ観てるか金曜の夜


62
心はつながりの糸に
ふと足引かれつつも
ひとり病室(へや)を歩き回っている


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