回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6249-6252

2024年05月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6249
生きものたちは自(みずか)ら問わない
風に溶けて
ある姿形自体を
黙々と生きている



6250
にんげんは そこから顔を出して
〈生きる意味とは何か〉とか
〈君たちはどう生きるか〉とか
何万年も考えてきた



6251
未だによくわからず
問答をくり返している
そうして ひとりひとり
時に手を休めて背中で無言の問答をする



6252
偶(たま)に問い詰めすぎて〈生きる意味はない〉
と世界を閉じてしまう者もいる
けれど 人が連綿と生きつづけてきたこと
自体がひとつの答えになっているように感じる