大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

曽根裕展 Perfect Moment オープニングパーティに出席して

2011-01-17 15:55:46 | 美術
 先日『曽根裕展 Perfect Moment』のオープニングパーティに出席してきました。少し遅れたのですが大勢の美術関係者で会場はにぎわっていました。すぐに展示会場に向ったのですが最初の部屋に入って思わず心臓が止まるくらい吃驚しました。僕のコレクションしていた作品が無断で展示されていたのです。タイトルはナイトバス1995年フィリップモリスアートアワードグランプリの作品です。今から15年前にナガミネプロジェクトという今はどこかに消えてしまったギャラリーから350~という大枚をはたいて買い求めた映像彫刻作品(VHSインスタレーション)なのですが、この作品はあまりにも高価であったためエディションにして少しでも安く販売したほうがいいのではないかと長峰徹というギャラリーのオーナーとアーティストである曽根裕に直接アドバイスしたのですが唯一無二の作品(オンリーワン)であるのでエディション化はできない、との返答でした。当時も今も350~で購入できるコレクターは日本には存在するでしょうか。それから間もなく曽根裕はロサンゼルスへ移住し、ニューヨークのDavid Zwirnerと契約し5点のビデオワークスを発表発売した。例えば、バースディパーティ(エディション5)は記憶に間違いが無ければ当時6500ドルでした。ちなみにバースディパーティという作品を僕はスイスで一点、名古屋で一点を買い求めました。そのプライスの根拠はナイトバスがオンリーワンであり、350~であったので350~÷5(エディション5)=70~円を当時のレートで換算して6500ドルと価格を設定した経緯があるのです。 ビデオアート作品のプライスについてはいろいろな見解があると思いますので今日はこの辺でとりあえず止めておきますが、ナイトバスという作品はとても重要な映像彫刻インスタレーションであり、僕自身も新宿のICCに貸出出品したり、他の美術館にも何度かレンタルした記憶があります。その都度曽根裕にも直接ナイトバス出品について、許可をいただいているし、美術館のテキストのキャプションも「大川原有重コレクション」と明記してあります。数年前に、David Zwirnerにナイトバスを売却したい、とメールを通じて申し出たのですが、無回答でした。それにもかかわらず今回東京オペラシティアートギャラリーで所有者に無断で展示されているのはナンセンスではないでしょうか。この度の展覧会のパンフレットにはナイトバス1995年DVDと解説されています。VHSインスタレーションがいつの間にかDVDになっているのも疑問です。曽根裕というアーティストとはかれこれ15年来の知り合いです。タイのバンコク、ロサンゼルスの現代美術館での個展、デンマークのマルモミュージアム、ハノーバー、バーゼルでの展覧会、山口、広島、名古屋等いろいろ見聞させていただき重要な作品もかなりコレクションしましたがここ数年は正直申しまして何の進歩も向上心も感じられない「抜け殻アート」の見本という印象です。コンセプチュアルアーティストが考え続ける哲学を止めたら「そこにはなにもなかった。自分は愚か者です」と白旗を揚げているような感じがするのですが…大理石の作品も『風景を封じ込める彫刻』として素晴らしい側面は認めますが、知性も進化も感じない単なる中国人の工房作品であり、本物の彫刻家の彫刻作品とは天と地ほどの違いがあり、全く知性を感じません。職人をこえた境地が真のアーティストではないのでしょうか?彼の頭の中味と知的レベルの限界を垣間みるようです。曽根裕君、あんまり日本のコレクターやアートディーラーを見下すような非礼な態度は止めてもらいたいですね。君はある面天才でもあり、愚者でもあるね。なるべく良好なバランスをとってほしいな。

   曽根裕展Perfect Moment

 

 

 

 

 


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