大川原有重 春夏秋冬

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世界3位の地熱資源大国 「温泉発電」で脱・宝の持ち腐れ  1

2015-07-09 11:00:00 | 学習
世界3位の地熱資源大国 「温泉発電」で脱・宝の持ち腐れ
2013/6/19 7:0

 資源量では世界で第3位と豊富であるにもかかわらず、活用がまだあまり進んでいない再生可能エネルギーが日本にある。「地熱」だ。


図1 地熱資源量と地熱発電設備容量の上位8カ国の比較。円の大きさは設備容量を資源量で割った値、つまり地熱資源の活用度合いを示す(出典:日経BPクリーンテック研究会資料などを基にテクノアソシエーツが作成)

 2012年7月に導入された固定価格買取制度(FIT)によって、太陽光や風力など再生可能エネルギーによる発電設備は急速に増加している。とりわけ、買取価格が高く設定された太陽光発電の伸びが著しい。米IHS iSuppliの調査によれば、システムの費用が高価なこともあり、太陽光発電では日本の市場規模が今年(2013年)、中国やドイツを上回り世界最大になるという。

 一方、地熱発電は、FITの恩恵を十分に享受するまでには至っていない。大規模な太陽光発電所、いわゆる「メガソーラー」の建設が各地でブームとなっている感があるが、地熱はそうしたブームからは程遠い。発電した電力の買取価格は1kWh当たり42円(出力1万5000kW未満の場合)と、太陽光と比べても遜色ないが、なぜこのような違いが生じてしまったのだろうか 。

■国際的にも立ち遅れた地熱の活用

 環太平洋火山帯に位置する日本は、発電ポテンシャル(能力)が2300万kW以上と、米国、インドネシアに次ぐ膨大な地熱資源量を誇る。ところが、地熱発電所として有望な地域が国立公園などの中にあることによる規制や、付近の温泉地で温泉が枯渇するのではといった懸念や反対運動など様々な課題があった。政府が昨年(2012年)のFIT開始までほとんど地熱発電の普及促進施策を行なってこなかったことも影響を及ぼしている。

図2 九州電力八丁原地熱発電所(写真:九州電力)
 電力事業者が設置した地熱発電所では、1999年に東京電力が八丈島に建設した八丈島地熱発電所(出力3300kW)を最後に10年以上新設されていない。世界8位の発電量といっても、国内電力需要のわずか0.3%を占めるにとどまる。地熱資源の開発や活用において、アイスランドやメキシコ、フィリピンといった発電ポテンシャルがはるかに低い国々よりも立ち遅れているのが、我が国の地熱発電の現状である(図1)。

 とはいえ、日本でもこうした状況を打開し、地熱エネルギーを活用しようという動きが出てきている。国内で稼働中の主要な地熱発電所は現在17カ所あり、東北と九州に大半が存在する。例えば、九州電力は滝上発電所や八丁原(はっちょうばる)発電所など6カ所の地熱発電所を運転中である。八丁原発電所には出力5万5000kWのタービンが2基あり、合計11万kWは地熱発電所として日本で最大の規模である(図2)。


図3 別府市内にある旅館の厨房に備えられた「地獄蒸し」用の釜
 このおかげもあり、九州電力管内で主要な地熱発電所の多くが存在する大分県は、千葉大学倉阪研究室とNPO(特定非営利活動法人)の環境エネルギー政策研究所が公開した、再生可能エネルギー自給率のランキングで23.4%と全国トップだ。

 電力だけでなく地熱の直接利用としては、入浴用の温泉以外に冬季の暖房や「地獄蒸し」と言われる地熱調理などが知られている(図3)。太陽光エネルギーで発電と太陽熱という二通りの利用が可能なように、地熱でも発電と熱の直接利用が可能であり、うまく活用できれば省エネルギーの効果は少なくない。

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