シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0196■長生きは三文の得

2006-09-26 | 猫の病気
ずい分、小さい二本足が来た。ヨチヨチ歩いておいらたちのご飯のところへ。
カリカリをつまんだ。喰う気らしい。
「ダメよ。これニャンニャンのなの。ばっちーからね。」
とアイツ。
おいおい、おいらたちはばっちーもん喰ってんのか?
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「チャッチャ、痩せてきてない?暖かくなったとはいえ、ちょっと痩せすぎじゃない?頬もこけてピンクパンサーみたいでしょ?茶色だけど。」
アニキの調子を心配するアイツ。
「そう?」
アニキが大好きなくせに、なんにも知らない連れ合い。

アニキは元気がなかった。外に行かないし目にも力がない。
糖尿病のせいだろう。
こんなにあったかくなったら、普通は元気になるもんさ。
(←日向ぼっこも家の中ばかり・・・)

心配になったアイツはインシュリンをちょっと減らした。
そうしたら、もっと元気がなくなった。
前足にあごをのっけて動かないアニキ。ネコ正座もしないし、歩き回らない。
トイレに行って水飲んで、ソファーに戻ってまた前足にあごをのっけて・・・

「医者に連れてくか?」
と、連れ合い。
「もうちょっと様子を見ましょう。」
と、アイツ。クルマになんか乗せたらもっと大変だぜ。

アイツは新しいコンゴウケズリブシの袋を開けた。
プ――――ンといいにおいが、ソファーにいたおいらのところまでにおってきた。
これはアニキの大好物。
アイツはそれをアニキの好きなツナ缶に山盛り混ぜた。

腹が減ってるときにインシュリンを打つと、アニキはホントに倒れちまう。
打たないとどんどん弱る。
弱ると喰わない。
喰わないと打てない。
打つなら喰わなきゃ。

「いい?インシュリンの量を元に戻すからしっかり食べてね。」
アイツはアニキにそう言って、目の前に大盛りのボールを置いた。

ハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフ
ハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフハフ

アニキは3杯喰った。
やっぱりネコがいい。

「いいぞ、チャッチャ。“長生きは三文の得”って言うからな、しっかり喰うんだぞ。」
と、連れ合い。
「長生きしても三文しか儲からないの?」
とゲラゲラ笑うアイツ。
とにかくこれで、アニキは元気になってきた。
(つづく)



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