シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0197■置き去り

2006-09-29 | 猫の海外暮らし
この家に引越して来てずい分経つ。
どれぐらい経ったかは四つ足だからわかんない。
よくわかったのは、けっこういろんなヤツが庭を通ってくってこと。
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おいらもアニキも落ち着かなかった。
家の中をウロウロ。その辺のにおいをかぎまくり、あちこちに顔をこすっては行ったり来たり。
おいらなんか、ビニールを見つけると我慢できなくてペロペロペロペロ。
アニキまでビニールに顔を近づけて、よーくにおいをかいでる。舐めなかったけど。

あー、イライラ。
あー、ウロウロ。

外はこんなにいい天気だっていうのに!

「ウロウロしてないで外行ってきなさいよ、ゆっくりと。ママたち今忙しいんだから。」
「こらっ、P!(おいらのこと)ビ二―ル舐めちゃダメだろ? ったく目ざといな~」
アイツと連れ合いはブイブイ言う。でも部屋中ビニール袋だらけ。舐めるなって言うほうがムリだぜ。

なんでこんなに袋だらけなんだ?
なにをこんなに買ってきたんだ?
なにしてるんだ?
旅行のときのカバンなんか出してきて。
まさか・・・・?

おいらもアニキも旅行カバンに入ったり出たり。いろいろ嗅ぎまわった。
ヤなにおいだ、まったく。
アイツらがいなくなるにおい・・・。
おいらたちが預けられるにおい・・・。
アイツらは夜中ガサガサやってた。

朝になってアイツらの部屋に行ってみると、なんてこった、
ビニールが全部なくなってる!
全部カバンに入れたらしい。そんなにビニール持ってどこ行くんだ?
「ニャー」
鳴いてみたけど忙しそうなアイツらは相手にしない。どんどんクルマにカバンを積んでる。

「じゃ、行ってくるからね。」
と、アイツ。
「元気でね、ピッピとチャッチャ。」
と、子ども。
「帰って来るまで生き延びるんだぞ!」
と、連れ合い。

ガチャ
玄関のカギが締まった。

ブルルルルル――
クルマが出ていった。

シ―――――――――――ン。
おいらとアニキだけが家に残った。

(どこ行っちまったんだニャン?→)
(つづく)


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