ホムスで一時停戦、民間人は脱出へ シリア
2014.02.07 Fri posted at 09:57 JST
(CNN) シリア中部のホムスで6日、反体制派と政権側が一時的な停戦合意を発表し、民間人の脱出と人道支援物資の搬入が実現する見通しとなった。一方、激戦地となっている北部の都市アレッポでは刑務所で戦闘が発生、反体制派のイスラム武装勢力が刑務所の占拠を宣言した。
停戦合意については国連と米政府も確認した。米国務省のサキ報道官は合意を歓迎し、7日から履行が開始されると語った。
ホムスにいる反体制派の報道官によると、合意に基づき、戦闘が止んだ時点で女性と55歳以上の民間人、15歳未満の子どもはホムスからの脱出が認められる。ただし条件として、政府側と戦わないことに同意する必要がある。
第一陣が脱出した後、シリア軍は国連の車両を通過させ、食料や医薬品をホムスに搬入させる。ホムスには1年以上も支援物資が届かず、食料や医薬品の不足に見舞われて高齢者や子どもに深刻な影響が及んでいた。
国営シリア・アラブ通信は、ホムスからの避難民には政府が避難所や食料、医薬品などを提供すると伝えた。
国連のバレリー・エイモス緊急援助調整官は、停戦合意によってホムスの約2500人に援助物資を届けることができると話している。
ただ、民間人が脱出した後、ホムスに残った人たちに対して政府軍が総攻撃を仕掛けるのではないかとの懸念も高まっている。これについて米国務省のサキ報道官は憶測を避け、国連の車列がホムスに入ることが重要だと強調した。
一方、シリア人権監視機構(本部・英国)は6日、アレッポで国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線などイスラム武装勢力が収監者の解放を宣言して、アレッポ中央刑務所を制圧したと伝えた。
これに対して別の反体制派の活動家は、占拠されたのは刑務所の一部にすぎないと話すなど、情報は錯綜(さくそう)している。
この活動家によると、同刑務所には推定3000人が収監されており、政治犯が多数を占める。拘束者の少なくとも800人は女性だという。