ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

クイーンズタウン行:アロータウン中国人居住区跡

2022年11月25日 | 南島:クイーンズタウン

2021年4月のクイーンズタウ
ン。アロータウンに入るや、
紅葉がひと際鮮やかで、英語
で言うところのオータムカラ
ーズ(autumn colours,秋の彩)
という複数形での表現がなん
と合うのかと思いました。



剥げた岩山とのコントラスト



標識がある村の中心に入って
来ました。さらに鮮やかな彩



過去2回には来ていなかった
アロータウン中国人居住区跡
という場所に来てみました。

英語のアローは弓に番える矢
なので、アロータウンの中国
語訳は箭市。今は市というほ
ど大きくない所なので箭鎮。


ブッシュクリークという小川
に沿い、復元された質素な住
居が点在している場所です。

かつては20棟ほどあったとか
どこも扉や窓があり西洋人で
も住めると形容されたそう。


『オールド・トム』とか『コ
ン・ラム』など居住者の名前



ここの印象がないのもむべな
るかなで、NZ政府が中華系
移民への差別に対し歴史的な
謝罪をしたのが2002年2月。

(※説明は英中のバイリンガル)


私たち一家が訪れていた19年
前のことで、政府の肝いりで
歴史保存区として整備し終え
たのは2003年のことでした。

(※修復されたアワ氏のトイレ)


アラム・ストア

居住区で唯一現存する19世紀
の建物。この地の中国人社会
の中心的存在で、1925年にア
ラム氏が亡くなり廃業。放置
後1986年に修復されました。


アラム(亜林)氏

川で溺れかけた西洋人を救け
地元の名士になった大人物。


亜林は英語にも堪能で地域で
一目置かれる中国人社会のリ
ーダーでした。商売上手で店
は欧州や中国からの輸入品、
食品・薬・タバコの販売の他



翻訳や代書屋、賭博場、宿屋
や地下金融も兼ね、中国人移
民たちの心の拠り所でした。

床は当時も石のままだったそ
うですが、それでも訪れた者
には温かく感じられたそう。


男ばかりの過酷な暮らしを強
いられる中、酒や賭博、中国
語での団らんは、心の慰めだ
ったのではないでしょうか。



彼らを苦しめたのはオタゴ地
方の極寒の気候以上に、人種
差別という心寒(落胆の意)さ
せられる社会だったようです。

招かれても歓迎されない人々


次回もこの話を続けます



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クイーンズタウン行:アカル... | トップ | クイーンズタウン行:黄禍の中で »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

南島:クイーンズタウン」カテゴリの最新記事