第43代紫組要領次第

開成高校第43代紫組要領次第係のホームページ。

on intervention(長いし、いまいちなので、読み終えるとがっかりするかもしれません。)

2005-07-01 21:45:22 | Weblog
---起---

さてこの前のblogで、

「援助された国が、援助金を苦しんでいる人の救済に使うようにするためには、
その国の政府に介入しなければいけないのではないか?
しかし、誰が介入するのか?」

なんてえらそうなことを書いた。

興味がわいた自分は、介入について調べてみた。
今回は、
intervention(介入とか干渉とか確かそんな意味)の話をしたいと思う。

いつものことながら教科書の要約になります。
上のかぎかっこの中の疑問に、自分なりの答えを提示するなんていうことはできません。
早く身に着けた知識を動員しながら、現在の問題を分析できるようになりたいものです。


今読んでいるのは、(いろんな本をあっちこっち読んでいて何一つ読破できてない、、、orz)

「understanding international conflicts」著:Joseph S. Nye, Jr.

一度日本語で通読したことも手伝ってか、
きわめて読みやすい本です。
国際政治に入門するにはうってつけ。
このブログを読んでいて国際政治に入門したい人(いるのか?)は、ぜひ読んでほしいな。
日本語訳も、有斐閣からでてる。「国際紛争-理論と歴史」ですです。良い訳本です。


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---承---

話を内容に戻します。

「介入しなければいけない」と軽々しく言ってしまったが、
この「介入」なるもの。
きわめて複雑な問題なり。
なぜなら国際政治を考える上で、
「他国の内政に介入しない(nonintervention)」「独立、統治権の尊重(sovereignty)」はとーても大事だからです。

なぜ大事なのか?

説明します。

国際政治というのは国家の集合でして、
国家の集合をまとめる超国家のようなものは存在しません。
国連も、「世界政府」には程遠い存在です。

すると国家というのはいわば御山の大将で、俺が一番だ!と言わんばかりに、おのおの自分勝手に振舞いかねません。
しかしそんなことになったら、世界中でわがままな戦争だらけになってしまいます。
まさにケイオスchoasになるわけです。こわい。

そうなったらみんな不幸になるねー。(囚人のジレンマ・非協力ゲームで、結局二人とも懲役に服することになるのと同じかしら?)
実際、手痛い経験をしてきた国家たちは、長年にわたった歴史の中で、
「お互いはそっとしておこう。noninterventionとsovereigntyは大事だよねー」みたいな発想を生み出したのだと思います(想像です、、、orz)。

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---転---

しかしそうも言ってられないことだってある。

1.相手が明らかに攻撃の準備をしている場合。
自分のsovereigntyが侵害される可能性が目前に迫っているわけですから、相手のsovereigntyに配慮している暇はありません。

2.その国の人たちが、とーても不幸なめにあっている場合。人道的な立場から考えて、救わねばなりません。なので介入します。

3.すでに行われている介入によって出来た悪い結果を元に戻すため。これ、counterinterventionといいます。
分かりにくいですね。
具体例。
これを根拠として介入したのは、アメリカがベトナムに介入したときです。
アメリカの主張によると、
「中国軍がベトナム国境を越えて、ベトナムの人々の権利が侵害された。それを回復するためにアメリカは軍を送る。」
ということらしいです。でも中国が撤退した後もずーーと介入しっぱなしだったわけで、この理由は戦争初期においてのみ妥当だと思います(詳しくないので、あまり断言できません)。

自分が納得できた「exceptions to the rule(i.e.介入が正当化されるのどんなときか)」はこの3点です。

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---結---

でもねー
「明らかに攻撃」の「明らか」ってどういうとき?
「不幸な目」の「不幸」ってなに?価値観押し付けてんじゃないの?
とか、
問題が微妙なケースもよくあります。
イラクがクウェートに侵攻したときみたいに、「それは露骨だろ!」と世界各国の同意が得られて、みんなでクウェートを守ろう!となるケースはまれ。
今回のイラク戦争だって、立場割れたしね。

結局介入するに当たっては

motives(何で介入するの?),means(方法はそれが適当なの?),consequences(結果はどうなった?)
の3点について議論に議論を重ねる必要があるねー。
その議論の場として、国連ってのは有用なのじゃないかしら?

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なんか、「介入=軍事介入」みたいな図式の話になってしまいました。
でも本当は介入にもいろいろあって、口出しするだけとか、経済制裁とか、メディアを使って相手国の国民に直接働きかける、
とかピンからキリまでいろいろあります。

しかも今回の話は、「経済援助した後、ちゃんとお金が使われているかを監視する体制」みたいなノリで始めたのに、
完全に話がそれてしまいした。

でも、せっかく書いたので、書き込みました。おわり。

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