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医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

プレミアム商品券 地方消費の呼び水か、ばらまきか

2015-06-11 00:51:27 | 政治・社会・経済問題
2015/2/10付
「プレミアム商品券を扱う地域が増えているようだけど、経済効果は大きいのかしら」。
事務所に立ち寄った女子学生の質問に探偵、松田章司が関心を示した。「今年は国がプレミアム商品券の発行元に交付金を出すようですね。調べましょう」
■地方の消費 底上げを期待
最初の訪問先は、今年度にプレミアム商品券を発行した秦野商工会議所(神奈川県秦野市)。
専務理事の栗原政男さん(60)に発行の仕組みや狙いを尋ねた。
「消費者がお金を出して一定額の商品券を買うと地元でプレミアム分を上乗せした金額の買い物ができる商品券です」と説明を始めた。
発行元は自治体や商工会議所など。
秦野商議所は3回目となる今年度に1セット(500円券22枚つづり=1万1000円分)を1万円で販売。
1人5セットまでの制限を設けて総額3億3千万円分を完売した。
10%のプレミアムのうち8%分を秦野市、2%分を商議所が負担している。
昨日のテレビで特集をしていた。
茨城県のつくば市などで、発売したところ、600人もの行列ができた。
地域によっては、50万円分のプレミアム商品券が購入できた。
50万円で55万円の買い物ができるのだ。
あるいは20%のプレミアムもあり、お得感は大きい。
だが、お釣りはもらえないので、10%~20%分のプレミアムがそのまま得するのかは疑問。

マイナンバー法成立は月内困難

2015-06-10 06:48:33 | 政治・社会・経済問題
年金情報流出で 個人情報保護法も
2015 年6月9日(火) 配信
 参院内閣委員会は9日の理事懇談会で、マイナンバー法と個人情報保護法の改正案の審議を当面見送ることで合意した。年金情報の流出問題を踏まえ、政府の原因究明や国民の不安解消を優先させる。参院での採決のめどは立っておらず、今月中の法案成立は困難な情勢となった。
 マイナンバー法改正案は、国民全員に個人番号を割り当てるマイナンバー制度を、2018年から金融機関の預金口座にも適用する内容。個人情報を企業が活用しやすくする個人情報保護法改正案とともに5月21日に衆院を通過し、今月上旬にも参院本会議で成立する見通しだった。
 政府が来年1月から行政手続きなどでマイナンバーを導入することは決まっている。改正法案の審議が難航すれば、制度への反対論が強まる可能性があり、マイナンバーの活用範囲を拡大するスケジュールにも影響を与えそうだ。
 民主党の大島九州男内閣委員長は理事懇談会後、記者団に「まず年金問題を精査し、原因究明をする」と述べ、マイナンバー制度の安全性などに対する国民の理解を得ることが大切との考えを示した。採決の日程は未定で、月内は「物理的に無理だ」とも述べた。
 マイナンバー制度は行政事務の効率化につながるなどとして政府が推進している。番号の漏えいや個人情報の不正利用に対する国民の不安は根強く、改正法案が成立する直前に年金情報の流出問題が起きたことで、国会審議への影響を懸念する声が出ていた。




















年金とマイナンバーの連携、

2015-06-06 04:05:43 | 政治・社会・経済問題
IT相「流出究明後に判断」

朝日新聞 2015年6月3日(水) 配信

 日本年金機構がサイバー攻撃をされて年金受給者や加入者の個人情報約125万件が流出した問題を受け、山口俊一IT担当相は2日、マイナンバー(社会保障・税番号)制度と年金機構との連携について「もう少ししっかり調査をして、原因究明をはかった上で判断することになる」と述べ、慎重に進める考えを示した。
 この日の参院内閣委員会・財政金融委員会の連合審査会で、大門実紀史氏(共産)の質問に答えた。
 マイナンバーが導入されると基礎年金番号と結びつけられ、機構は住民票の変更情報などを自動的に取得できる。山口氏は機構の流出問題について「ゆゆしき事態だが、人災に近い感じもする」とも述べ、マイナンバーのシステムには問題ないとの見方も示した。
 甘利明経済再生相は2日午前の閣議後の記者会見で「マイナンバーのデータベースは業務データとは隔離されていて、その間には厳重なファイアウォール(不正アクセスを防ぐ機能)があり、アクセスも限られている」と安全性を強調。一方、菅義偉官房長官は閣議後会見で「極めて遺憾だ。情報セキュリティーに対する日本年金機構の認識の甘さはあったと思う。責任を免れない」と機構の対応を批判。マイナンバー制度については「対応策を取る中で、(法案の)早期成立に努力していきたい」と述べ、改めて制度導入を目指す考えを示した。
 塩崎恭久厚生労働相は、国会で審議が続く安全保障法制や労働者派遣法への影響を問われ、「質問があればしっかりと丁寧に説明するということに尽きる」と述べた。
 また、民主党の細野豪志政調会長は2日の会見で、第1次安倍内閣時に発覚した「消えた年金問題」になぞらえて「漏れた年金問題」と表現。「詐欺の被害が発生することが十分考えられる。こういう問題が発生をした経緯を国会でしっかりとりあげていかないといけない」と語った。

朝日新聞社説:社会保障と財政再建 

2015-05-26 10:54:29 | 政治・社会・経済問題
 資産と所得を改革の軸に

朝日新聞 2015年5月25日(月) 配信
 20年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字にする。首相が議長を務める政府の経済財政諮問会議を舞台に、この目標に向けた議論が本格化してきた。
 経済成長に伴う税収増、税制改革による増税、歳出の改革・抑制の三つを組み合わせ、具体的な計画を作る作業である。
 国の借金は1千兆円を超えた。今年度の予算でも財源不足を穴埋めする新規国債の発行が36兆円を上回り、借金の膨張に歯止めがかからない。
 ■理念あっての制度論
 その最大の原因は、国の一般会計の3分の1を占め、高齢化などで増え続ける社会保障費だ。年金や医療、介護といった「給付」と、税金や保険料の「負担」の両方を抜本的に見直すことが不可欠である。
 給付にも負担にも、二つの観点がある。「水準」と「配分」だ。将来世代へのツケ回しを少しでも減らすには、全体として給付を抑え、負担を増やしていく「水準」の調整が避けられない。一方、「配分」を変えていかないと、不平等や格差が拡大するばかりである。
 日本の社会保障制度は「世代」を軸に作られてきた。現役世代が納める保険料を高齢世代に仕送りする年金が代表例だが、医療や介護も総じて高齢世代が受けるサービスが多く、現役時代は負担感が先に立つ。
 しかし、世代を問わず、豊かな人がいれば生活が苦しい人もいる。「世代内格差」が深刻さを増している。ならば、「資産と所得」という軸をより強く打ち出すべきだ。
 豊かな人には給付を抑えながらより多くの負担を求める。資産や所得が乏しい人には給付と負担の両面で支援を厚くしつつ、細るばかりの中間層も支えていく。そんな理念なら、デフレ脱却・景気浮揚を重視する政権の方針とも矛盾しないはずだ。景気を左右するのは国民の多数を占める中堅・低所得の人たちの動向だからだ。
 資産や所得を意識した改革は少しずつ積み重ねられてきたが、歩みがあまりに遅い。まずは、改革の理念について国民の合意を取り付ける。そのうえでどの制度をどう改めるのか議論する。そうした手順を踏むべきではないか。
 ■成長頼みの甘い前提
 実際の経済財政諮問会議の論議には疑問や不安が募る。
 まず、前提が甘い。年度平均で実質2%、物価変動を加えた名目で3%の経済成長が続くとして税収をはじいているが、過去10年を振り返ってもほとんど達成できなかった高めの成長が当然のように語られている。
 税制改革については、17年4月に先送りした消費税の10%への増税こそ織り込むものの、それ以上の税率引き上げは首相が早々に封印した。法人税の減税を進めつつデフレ脱却を最優先課題とするためだ。
 学者や財界人からなる諮問会議の民間議員が提案した社会保障の改革メニューには、年金や医療、介護の各分野で様々な案が並ぶものの、早くも「総論賛成、各論反対」の気配である。
 やはり、まずは改革の軸をはっきりさせ、次のような改革を検討するべきではないか。
 年金では、豊かな人への給付額を抑える。対象を限って給付自体を減らすのは受給権がからむ難題だけに、年金所得課税を強化するのが現実的だろう。
 医療では、自己負担率の見直しが避けられない。現在は基本的に69歳までが3割、70歳代前半は2割、70歳代後半以降は1割と世代で分かれているが、これを段階的に3割にそろえていき、年齢にかかわらず生活に余裕のない人は負担を軽くする。
 ■税制改革に踏み込め
 国民全体としての負担の水準を高め、財政赤字を減らしていく際に中心となるのは、全額を社会保障に充てる消費税の増税だ。配分の是正には、相続税の強化が欠かせない。国民全員に割り振られるマイナンバーも、配分見直しに生かしたい。
 ただ、消費税は2年後に増税を控え、相続税は今年から引き上げられたばかりだ。当面の焦点は所得税である。
 稼ぎが多い人ほど税率が高くなる累進課税をとる所得税の改革は、「水準」と「配分」の両方の見直しにつながる。政権は配偶者控除の改革を急ぐ構えだが、構えをもっと大きくしてはどうか。法人税についても、租税特別措置の見直しや節税・脱税対策の強化など、課題は山積している。
 「デフレを抜け出せば、成長率が同じでもより多くの税収が入るはずだ」「思い切った歳出抑制は、17年度の消費増税の後に回しては」。諮問会議では早くもこんな声が飛び交う。
 基礎的収支の黒字化は、財政再建の出発点に過ぎない。甘い見通しはご法度だ。少子高齢化が急速に進むなかで、改革を先送りする余裕はない。
 しっかりとした処方箋(せん)を示せるかどうかは、首相の姿勢次第である。
































個人情報保護法はザル法ではないのか

2015-05-24 09:44:18 | 政治・社会・経済問題
犯罪は絶えない。
法案で実際に何が守られているのか?
個人情報保護法は、過剰反応を引き起こし、小学校の連絡網すら法律違反かもという窮屈な世界を作り出している一方で、ベネッセ事件のようなことがあると、個人情報の流通は全く規制されていないに等しい、全くのザル法だったということが露呈した。
こんな状況で、ビッグデータ利活用、あるいはパーソナルデータの利活用が進められてよいのだろうか?
個人情報の情報主体である私達の利益というのは全く蔑ろにされたままで、商売上の利益(それも期待レベル)だけが優先されているのではないか。数あるベネッセ事件の報道の中で、焦点は情報を盗んで売ったSEの動機とか所業とかに当てられているように思うが、売った先の名簿業者の実態にももっと焦点が当てられて良い。ベネッセから盗まれたデータは良質で生きているデータとして名簿業者の間で話題になっており、数と質からベネッセから流出したに違いないと言われていたそうだ。

ところが、一般の報道によれば、犯人のSEから情報を買った名簿業者は、犯人のSEに「誓約書」を書かせて、盗まれたものではないことを「確認」していたという。
情報を売ろうとする者にその出所や取得経緯などを問いただしたり、情報主体たる個人に同意の有無を確認したりもしていない。要するに、「誓約書」などは紙切れに過ぎないものを書かせて、エクスキューズを得ていただけなのである。

おまけに、取得した個人情報について、本来であれば情報主体の同意が必要だというのが個人情報保護法の全体の趣旨なのだが、実際の法令では、完全に骨抜きにされている。これはむしろ堂々と、意図的に、骨抜きにしているわけだ。

仕入れたデータの販売も、ホームページ上で「本人の申し出があれば、名簿から削除する」という文言(オプトアウト)さえ明記しておけば、認められている。
この点がザル法であることを如実に表している典型だ。
法文を見てみよう。

16条1項


個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。

18条1項


個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。

個人情報保護法は、個人情報を取り扱う事業者が、個人情報を適正な手段で取得し、取得するにあたっては利用目的を予め定めて、それを本人に通知して了解を得て、その利用目的の範囲内で個人情報を使用し、第三者提供もまた利用目的に挙げて本人の了解を得てするという基本的なモデルを採用している。
この通りになれば、本人の同意に基いて行うわけで、イヤという人のデータを勝手に使うなんてことはないはずだ。

しかし、上記の18条1項は個人情報を取得した時点で、「あらかじめその利用目的を公表している場合」とか、あるいは「速やかに・・・公表」すれば、「本人に通知」する必要はないということになる。

第三者提供についても、23条1項は本人同意主義を掲げている。


個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

これが原則なのだが、2項はそれを骨抜きにしている。

個人情報取扱事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、次に掲げる事項について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているときは、前項の規定にかかわらず、当該個人データを第三者に提供することができる。

一  第三者への提供を利用目的とすること。

二  第三者に提供される個人データの項目

三  第三者への提供の手段又は方法

四  本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。



要するに、以下のさん条件が揃えば、第三者提供するのに本人に通知して同意を得る必要はない。
オプトアウト(本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること)
 +
利用目的に第三者提供を入れていること
 +
第三者提供の条件(オプトアウトを含む)を「本人が容易に知り得る状態に置いているとき」

この最後の「本人が容易に知り得る状態に置いているとき」というのが、上記記事に言う「ホームページ上で「本人の申し出があれば、名簿から削除する」という文言(オプトアウト)さえ明記しておけば」オッケー、ということの意味である。

これは、個人情報について本人の同意を得て、同意の範囲内で利用するという原則を決定的に骨抜きにした点であり、保護法ではなく活用促進法ではないかという本性を露わにしたポイントということができる。

私達、個人情報の情報主体(法文では「本人」)が、どこの誰とも知らない名簿業者のホームページで、個人情報の利用目的やら第三者提供の可能性やらオプトアウトの可能性やらが掲載してあったからといって、私達の個人情報を好き勝手に使って売ってもいいなどと同意したと、どうして同視できようか。

個人情報保護法という法律の題名を掲げている限り、ザル法の汚名は免れない。

さらに、上記記事には、次のようなことが書かれている。

名簿業者は、複数のデータを入手した後、「名寄せ」として同一人物に関する情報をひとまとめに統合。さらに、「クレンジング」をかけ、情報の精度を高める。例えば、氏名や住所のデータに、年収や出身校、所属企業などを掛け合わせて新たなデータに加工するのだ。
 法人向けにダイレクトメールを請け負う名簿業者は、「2年で3~4割のデータが使えなくなるので、住所変更などのメンテナンスを常に施している」と話す。

 つまり、ベネッセから流出した情報は加工・編集され、すでに各業者のオリジナル名簿となっており、「元のデータを返したり、削除したりしても何の意味もない」(前出の関係者)というのだ。


このようにデータの改良を図ることが公然と行われ、いわば、商品の質を高める努力が続けられ、それは名簿業者が商品を高く売るというインセンティブに基づいて行われていることを前提に、昨今のビッグデータ活用の風潮、パーソナルデータ利活用の方向の議論を思い起こすと、プライバシーが危機に瀕している、というよりも、もう法的にプライバシーは保護されなくなっているのではないかという思いに駆られる。

ピッグデータとして、交通機関の乗降記録や電子マネーの利用履歴(それには商品名とかも入っている)が、個人名など個人を識別できる情報だけ除去したものは自由に使ってよろしい、どんどん商売に利用しようというのが昨今の方向である。
個人を識別できる情報、すなわち氏名とか住所とかは削除されるとしても、統計処理を用いるのに個人を特定するための符号(例えば顧客番号など)は残さざるをえない。
そして、個人を識別できない情報にしたものでも、他の情報と組み合わせて再構成すれば、再識別化は可能だとされている。

パーソナルデータの利活用を促進する立場でも、さすがに特定個人を識別できる情報を好き勝手に使っていいとは言わないので、再識別化の可能性は封じたい。そこで、契約により再識別化を禁止すればいいということになっている。

しか~し、上記記事のように、名寄せは公然とされるのである。
パーソナルデータについても、他のデータと組み合わせて、特にベネッセから流出したような個人の家族構成、生年月日、住所等のデータと組み合わせれば、個人の再識別化はより容易であろう。そして「流出した情報は加工・編集され、すでに各業者のオリジナル名簿となっており、「元のデータを返したり、削除したりしても何の意味もない」」という状態になった時に、再識別化を契約で禁止するということがどんな意味があるのかは、はなはだ心もとない。巨大なパーソナルデータの提供を再識別化禁止条項付きで受けたとしても、それを自己所有のデータと組み合わせ、編集し、分割するなどすれば、元のデータとの同一性は失われ、データ全体にかかっていた再識別化禁止条項は対象を失って効力がなくなる。その上で再識別化することは、誰も禁止できないのである。

そういうわけで、ベネッセから流出した事件がデータを盗んだ犯人だけ処罰しても、その後の名簿業者を許している限り、「個人情報保護」という立法目的は蔑ろにされるし、それにビッグデータの利活用・パーソナルデータの利活用という方向で「ドンドン行こう」となれば、個人名や住所に取引履歴、家族構成、趣味・嗜好、思想傾向なども含まれたデータが普通に取引される社会となることは容易に想像できる。
そうなったら、またまた現実がこうだからという妥協的な態度が幅を利かせ、いまさらプライバシーなんて保護する必要あるのかということにもなるだろう。


日本は米国の軍事費削減の避難所

2015-05-22 22:55:03 | 政治・社会・経済問題
★戦争を知らない世代は、戦争の惨禍をより客観的に、距離を置いて見られる立場にある。
なぜ無謀な戦争を起こしたのか。
なぜ日本人の多くが支持、もしくは消極的にせよ認めたのか。
敗色濃くなってもなぜ反対が起きなかったのか。
戦争体験がなくても、教訓を含めて振り返れる。
加えて我々が民主主義社会にあることも戦争への抑止力である。
民意を無視して政府は存立し得ない。
毎日新聞客員編集委員・西川恵さん
★米軍は現在、世界的な規模で戦略の見直しを進めているが、軍事費、要員とも予算削減を迫られており、同じ財政状況が厳しくなっている欧州でも基地は削減が進んでいる。
一方、日本には「思いやり予算」という、おいしい環境がある。
米軍にとって日本の環境は相当魅力的なはずだ。
米国は世界的なリバランスの中でアジア太平洋を最も重視しているかのように訴えているが、本当に中国や北朝鮮を仮想敵国とみなしているのか。
戦闘行為がすぐに発生するような状況だろうか。
危険性は中東や北アフリカの方がはるかに高い。た
対中東をにらんだ世界戦略の中で欧州方面での配備増強が厳しくなっており、その点、安保政策の見直しに熱心で、思いやり予算もある日本は共同作戦のパートナーとして有用ということではないか。
そちらにシフトを移すために、「アジア太平洋のリバランス」を強調しているように感じる。
結局のところ、日本は米国の軍事費削減の避難所としていいように使われているだけにすぎない、という点を見落としてはならないだろう。
軍事評論家・前田哲男さん



直木賞作家・車谷 長吉さん 誤嚥性窒息死69歳

2015-05-20 00:28:33 | 政治・社会・経済問題
「文学における真は虚実皮膜の間にある」

人間の本性をさらけ出す露悪的ま作風で知られる直木賞作家

最後の私小説作家」あるいは、「最後の文士」。
作家車谷長吉は、そんな代名詞を背負って現代文学界に立つ孤高の作家です。
自らの半生や血族の歴史が色濃く映し出され、人間の業が赤裸々に描かれた作品世界は、圧倒的な力で多くの読者の心の奥底を揺さぶり続けてきました。
47歳の時、『鹽壺の匙』で本格的に文壇に登場するまで、まさに確信犯的に時代遅れの文士の生き方を貫いてきた、そんな異色の経歴も手伝って、読者の中には、車谷作品に描かれていることがそのまま作家の実体験であるかのような錯覚を持つ人も多いでしょう。
しかし、それこそが、長い文学修業の果てにたどり着いた、小説作りの巧さであるといえるのです。
自身も近松門左衛門の「文学における真は虚実皮膜の間にある」という言葉をひいて、「虚点」こそが、小説を小説たらしめている根拠なのだと語っています。
 本展では、様々な資料によって、その半生のあらゆる「実」を明らかにします。日記や創作ノート、女性に送った絵入りの恋文、おびただしい量のボツ原稿…。さらに、弟のアメリカ土産の万年筆や、作家になれなかったら自刃するつもりだったという長匕首など、作品の中で独特の存在感をもって描かれている「物」も数多く実在します。しかし、それらもまた、車谷長吉が作家になる覚悟をしてから長い時間をかけて作り上げてきた巨大な「虚」の一部であるのかもしれません。文字通り、「虚実皮膜の間」に生きる作家車谷長吉の世界に素手で触れるようなスリリングな感覚を味わっていただけることでしょう。
 目利きとして知られた白洲正子は、まだほとんど無名だった車谷長吉を最初に「発見」した人物でした。その白洲はかつて、車谷の文学を「神さまに向って言葉を発している」と評したといいます。その言葉の真意をさぐるべく、書くことを畏れながらも、人間の悪を命がけで書くことを自らに課した文士の真の魅力に迫ります。
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車谷 長吉(くるまたに ちょうきつ、1945年7月1日 - 2015年5月17日)は日本の作家、随筆家、俳人。

本名、車谷嘉彦(しゃたに よしひこ)。
兵庫県飾磨市(現・姫路市飾磨区)出身。
筆名の「長吉」は唐代の詩人李賀にちなむ。妻は詩人の高橋順子。

かつては「反時代的毒虫」としての「私小説作家」を標榜しており、播州地方の方言を使った民衆言語で下層民の泥臭さを執拗に描き、近代と自己に疑問を投げかけるような苛烈な私小説において評価を受けた。

人物と作風

姫路市立飾磨高等学校、慶應義塾大学文学部独文科卒業(卒論はフランツ・カフカ論)。
県下一の進学校(具体的な校名は不詳)を目指しての高校受験に失敗したことで強烈な上昇志向を育む。
高校3年で文学に目覚め、慶大卒業後も広告代理店や出版社に勤務する傍ら私小説を書き、処女作『なんまんだあ絵』(1972年、『鹽壺の匙』所収)で新潮新人賞の候補となる。しかし次第に小説を書くことに行き詰まり(後年になってそれまでの自作には迷いがあったと語る)、会社員を辞して故郷へ戻る。以後、30歳からの8年間は、旅館の下足番や料理人として、神戸、西宮、曽根崎、尼崎、三宮などのたこ部屋を転々と漂流する、住所不定の生活を送っていた。しかし、担当編集者からの強い呼びかけもあり、再び東京へ行き作家として再デビューを果たす。白洲正子、江藤淳らに高く評価された。

1993年に『鹽壺の匙』で第43回芸術選奨文部大臣新人賞(平成4年度)と第6回三島由紀夫賞を合わせて受賞。1997年に『漂流物』で第25回平林たい子文学賞受賞、表題作は第113回芥川賞候補にもなった。 『赤目四十八瀧心中未遂』で第119回(1998年上半期)直木賞を受賞。同作は2003年に映画化され、特に評価が高い。一方で、伊藤整との文学観の違いから、同作による1998年の伊藤整文学賞の小説部門の受賞を拒否している。2001年に「武蔵丸」(『白痴群』所収)で第27回川端康成文学賞受賞。

俳人として句集も出している。

2004年4月、『新潮』(2004年1月号)掲載の私小説「刑務所の裏」で事実と異なることを描かれ名誉を傷つけられたとして俳人の齋藤慎爾に提訴され、12月、謝罪して和解。車谷は「私小説作家」としての廃業を宣言した。以降、史伝小説や掌編小説、聞き書き小説などを中心に発表している。 2010年、新書館より『車谷長吉全集』全三巻が刊行された。

2015年5月17日、誤嚥による窒息のため死去[4]。69歳没。













陛下の執刀医に出馬要請 

2015-05-19 05:49:51 | 政治・社会・経済問題
自民埼玉知事選に、天野教授を
共同通信社 2015年5月14日(木) 配信

 自民党埼玉県連は13日、8月9日投開票の埼玉県知事選で、天皇陛下の心臓手術を執刀した順天堂大医学部の天野篤(あまの・あつし)教授(59)に出馬を要請したと発表した。
 記者会見した前総務相の新藤義孝県連会長は「本人が(要請を)受けるかの最終判断はまだだが、政治に対する興味は高い」と述べた。天野教授は13日、共同通信の取材に対し「ノーコメント」と話した。
 党関係者によると、明確な返答はないものの前向きな感触を得ているといい、高い知名度を誇る天野教授の判断が注目される。
 会見で新藤会長は、要請の理由を「埼玉県政最大の課題は急速な高齢化に対応する医療、福祉の充実で、専門家として最適な資質を備えている」と説明。「必ず受けてもらえるよう環境をつくりたい」と強調した。
 天野教授は同県蓮田市出身で県立浦和高、日大医学部卒。2002年から順天堂大心臓血管外科教授で、心臓を動かしたまま冠動脈のバイパスを作るオフポンプ式手術の世界的な第一人者。12年2月、陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。
 一方、3期目の現職上田清司(うえだ・きよし)知事(66)は13日、報道陣の取材に応じ「天野さんの代わりに知事をやる人はたくさんいるが、天野さんの代わりに手術をできる人はさほどいない。もったいない」と批判した。自身の進退は「(現段階で)言うつもりはない。必要とあらば自ら手を挙げることもある」と述べるにとどめた。
 上田知事は03年に初当選。04年に4選自粛を努力規定とする条例を自ら提出、制定した。11年に自民、民主、公明の支持を受けて3選後、出馬に含みを持たせる発言を繰り返し、今春の統一地方選では非自民の政治団体の応援団長を務めた。自民党県連は反発し独自候補擁立を進めていた。

韓国併合 韓国皇帝やその一族を懐柔

2015-05-18 01:14:06 | 政治・社会・経済問題
歴史認識には対比も不可欠かもしれない。
日本が韓国を併合したのは1910年。
当時、天皇を戴く大日本帝国は、皇帝を戴く大韓帝国を併合したのだ。
明治の内閣は、韓国皇帝・帝室の処遇をどうするかであった。
内閣側は「大公」を用意したが、韓国側は「王」の呼称を求めた。
事実、併合の条約と明治天皇の詔書とによって、韓国帝室に尊称と名誉と歳費を日本は確約した。
朝鮮王公族という呼称を韓国帝室に与えた。
王公族は日本の公族と同じ礼遇を受け、天皇家に次ぐ150万円の歳費を受けた。
当時の日本の各宮家の皇族費が4万~10万円であったことを考えればその額の大きさがわかつだろう。
なぜ、日本の当局は、大韓帝国皇室を「厚遇」しようとしたのか?
韓国併合を国際的な「合意」として実現するために、条約締結権を持つ韓国皇帝やその一族を懐柔しなければならなかった。
併合を武力によれば、西洋列強の干渉を招きかねなかったからだ。
つまり列強への警戒心から朝鮮王公族を厚遇したのだ。
一方、1898年米国はハワイを併合したが、ハワイ王を一市民に落としている。


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歴史
1910年(明治43年)に行われた韓国併合後の大韓帝国皇室の扱いについて韓国併合ニ関スル条約(日韓併合条約)第3条は、「日本国皇帝陛下ハ韓国皇帝陛下太皇帝陛下皇太子殿下並其ノ后妃及後裔ヲシテ各其ノ地位ニ応シ相当ナル尊称威厳及名誉ヲ享有セシメ且之ヲ保持スルニ十分ナル歳費ヲ供給スヘキコトヲ約ス」としている。
当初、日本側は併合後の韓国皇帝及び太皇帝の称号として、ヨーロッパのGrand Dukeに倣って「大公」を提示したが、韓国側の要望により「王」「太王」となった。

8月29日、「前韓国皇帝ヲ冊シテ王ト為ス詔書」「李堈及李熹ヲ公ト為スノ詔書」(以下、「冊立詔書」とする)が出され、李王家に対して「皇族の礼」と「殿下」の称を用いることが定められた。
1911年(明治44年)2月1日には李王職官制(明治43年皇室令第34号)に基づき、宮内大臣の管轄下で王公族の家務を掌る李王職が京城(現在のソウル特別市)に置かれた。

その後しばらくは、李王家の扱いは法的に定まっていなかったが、1916年(大正5年)に最後の皇太子李垠と梨本宮方子女王の間で縁談が持ち上がり、李王家の法的関係を定める必要が生まれた。
11月4日に枢密顧問官伊東巳代治を総裁とする「帝室制度審議会」が設立され、折から問題となっていた皇室令改正とあわせて李王家の問題も扱われることになった。
審議の結果、王公族制度は日韓併合条約とその後の詔書に基づくこと、身分は皇族に準じたものであるが臣籍ではないことなどを基本とした「王公家軌範案」が作成された。
しかし枢密院では皇族と同じ扱いにする事への異論が相次ぎ、なかなか定まらなかった。
李垠と方子女王の婚姻問題は1918年(大正7年)の皇室典範の増補という形で決着がついたが、王公族の扱いについては持ち越された。
1925年(大正15年)11月10日に王公家軌範案が細部修正の上で枢密院可決され、12月1日に王公族の扱いについて皇室令によって定めることができるとした「王公族ノ権義ニ関スル法律」が帝国議会で可決された後、皇室令第17号として「王公家軌範」が公布された。軌範に基づき王公族審議会が設置され、王公族における皇族会議の役割を果たした。

1945年(昭和20年)のポツダム宣言受諾によって、日本は朝鮮半島における支配権を喪失した。
1947年(昭和22年)皇族以外の貴族身分を認めない日本国憲法の公布にともない、5月2日の皇室令及附屬法令廢止ノ件、5月3日の日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律(昭和22年法律第72号)の発効により王公族はその身分を失った(身位喪失)。








「志布志事件は違法捜査」国・県に賠償命令 鹿児島地裁

2015-05-16 23:19:33 | 政治・社会・経済問題
朝日新聞デジタル 5月15日(金)10時12分配信

鹿児島地裁に入る原告団長の藤山忠さん(前列中央)=15日午前9時37分、鹿児島市、川津陽一撮影
 2003年の鹿児島県議選をめぐり、公職選挙法違反の罪に問われた被告全員の無罪が確定した「志布志(しぶし)事件」で、鹿児島地裁の吉村真幸裁判長(川崎聡子裁判長代読)は15日、捜査の違法性を認め、元被告とその遺族ら17人に計5980万円の損害賠償を支払うよう、県と国に命じる判決を言い渡した。

【写真】「勝訴」と書かれた旗を掲げる原告団の支援者=15日午前10時5分、鹿児島市の鹿児島地裁、川津陽一撮影

 元被告13人は同県志布志市内での会合で現金を授受した公選法違反(買収・被買収)の疑いで逮捕、起訴されたが、地裁は07年2月、12人全員を無罪とした(1人は公判中に死亡)。元被告と遺族は「違法な捜査で心身に苦痛を受けた」として同年、国と県に計2億8600万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を起こしていた。

 吉村裁判長は、県警の捜査を指揮した当時の志布志署長と捜査2課の警部が、事件の構図を読み誤り捜査員に違法な捜査を続けさせ、元被告らに虚偽の自白をさせたと認定。地検も、元被告らが全員否認に転じた後も漫然と起訴、勾留を続けたとして、県警、地検のいずれの捜査や判断にも違法性があったと断じた。

 元被告らは裁判を通じて真相の解明を求めてきた。33回の口頭弁論を経て、提訴から7年後の昨年、結審した。

 志布志事件をめぐっては、警察が描いた事件の構図通りに強引に容疑を認めさせる「たたき割り」や、捜査員が家族の名前などを書いた紙を踏ませる「踏み字」といった捜査手法が問題化し、最高検や警察庁が冤罪(えんざい)の再発防止策などをとるきっかけとなった。

 この日午後には、事件で起訴はされなかったものの、違法な取り調べで心身に苦痛を受けたとして、志布志市の別の住民7人が県に計2310万円の賠償を求めた訴訟の判決言い渡しも予定されている。

■原告団長「警察はまず謝罪を」

 原告団長・藤山忠(すなお)さん(67)は判決後の記者会見で「我々が求めていたものにこたえてくれた判決だ。足りないところもあるので、これから弁護士の先生方と考えていきたい。勝った思いがぐっと来て、疲れが今、一気に来た。警察は、志布志に来て、まず謝罪することが大事でしょう。真相解明を求め闘ってきた。志布志事件とは何だったのかとの思いがある。ずっと語り継いでいかないといけない」と語った。












■県警本部長「判決真摯に受け止める」

 鹿児島県警の種部滋康(たねべしげやす)本部長は判決言い渡し後、報道陣の取材に応じ、「判決を真摯(しんし)に受け止めて、今後の対応を考えたい。被告として主張すべきは主張してきた。原告に対しては現時点では、特にコメントはありません」と述べた。


■地検次席検事「関係機関と協議」

 鹿児島地検の平野大輔次席検事は判決の後、「判決において、一部につき、国側の主張が認められなかったものであり、関係機関及び、上級庁と協議して今後の対応を検討したい」とのコメントを発表した。


     ◇

 〈志布志事件〉 2003年4月の鹿児島県議選で初当選した県議が妻らと共謀して、同県志布志市で投票依頼のための買収会合を開き、住民との間で計191万円の授受があったとして、県警が15人を公職選挙法違反容疑(買収・被買収)で逮捕。13人を鹿児島地検が起訴した。鹿児島地裁は07年2月、12人全員に無罪を言い渡し(1人は公判中に死亡)、検察は控訴せず無罪が確定した。家族の名前などを書いた紙を踏ませる「踏み字」などの捜査手法が問題化し、事件を機に、取り調べの一部可視化などの取り組みが始まった。

朝日新聞社

押し付け憲法論は学問の世界ではほとんど支持されていない

2015-05-16 22:17:22 | 政治・社会・経済問題
「憲法を国民の手に取り戻す」font size="3">「憲法を国民の手に取り戻す」
安倍晋三首相はこのフレーズを好む。
しかし、よく分からない。
今は(憲法)国民の手の中にないのだろうか。
そんな疑問に答えようと、毎日新聞朝刊で5月3日から計4回、「「制定過程をたどる 日本国憲法」を連載した。
首相は以前、「憲法を戦後、新しい時代を切り開くために自分たちでつくったというのは幻想だ」(2013年4月27日付産経新聞インタビュー9とも述べていた。
しかし、そんな「幻想」を語る人に私はこれまで出会ったことがない。
憲法の制定に連合軍総司令部(GHQ)が関与したことはほぼ常識だ。
憲法はGHQから日本政府への単純な押し付けでなかったのは確かだ。
押し付け憲法論は学問の世界ではほとんど支持されていない。
(国民の)無関心ではすまされないし、安易なキャンペーンに流されてもいけない。
私たちは今からそなえるべきだ。「記者の目」政治部・中田卓二さん
















定年 小出 裕章さん京都大学助教のままで終わる

2015-05-14 20:12:08 | 政治・社会・経済問題
原発安全神話を生み出した数多の御用学者の中で、反原発を訴え続けた。
名誉や栄達には無縁の孤高の原子核研究者である。
長野で仙人にならえるという。
心からお疲れ様と申し上げたい。
変われなかった」ことで起きてしまった今回の事故に、日本はどう対応し、どのようにかわっていくのか。
世界は厳しく注視している。
この経験を無駄にしてはならない。
国民の生活を守れなかった政府はじめ、原子力関係諸機関、社会構造や日本人の思い込み(マインドセット)を抜本的に改革し、この国の信頼を立て直す機会は今しかない」
この報告書から3年がたった今にしてようやく、不勉強な僕は初めて読んだ。
総理は、閣僚は読まれたであろうか。

脚本家・倉本聰さん

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小出 裕章(こいで ひろあき、1949年8月29日 - )は、日本の工学者(原子力工学)。
元京都大学原子炉実験所助教。
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻助教(2015年3月定年退職)。評論家。所属学会は日本保健物理学会、エントロピー学会。研究分野は環境動態解析、原子力安全、放射性物質の環境動態。

東京都台東区上野出身。工学修士。



生誕 1949年8月29日(65歳)
日本 東京都
出身校 東北大学
工学者
元京都大学原子炉実験所助教
批判

小出本人に対するもの

福島第一原子力発電所事故後に出版された『原発のウソ』に対しては次のような批判がなされている。
小出は発電所周辺の立ち入り禁止区域の汚染が酷く、住民の帰還が出来ないという前提を提示し「無人地帯に汚染されたゴミを捨てる「放射能の墓場」を造るしかないと思っています」と書いたが、これに対して東京工業大学助教の澤田哲生は、「煽る言説」と評し、放射性物質は同心円状ではなく扇状に分布しており「30キロ圏内でも汚染状況の軽微な地域があることは知られています」と反論している。
また、『原発のウソ』で小出は低線量被曝について「「人体に影響のない程度の被曝」などというのは完全なウソで、どんなにわずかな被曝でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊するという現象は起こるのです」と述べたが、松原純子(放射線影響協会研究参与)は長瀧重信(長崎大学名誉教授)とのやりとりの中で放射能に自然由来と人工由来の差がないという前提に立った上で、自然放射能が高い地域でも安定型染色体異常が増加した事実は確認されていないと主張し、「放射線の傷害は、一部は細胞レベルで修復されたり、アポトーシスで除去されたりします。そのような基礎的知識すら乏しい」と批判している。

財務省、救急車有料化検討求める

2015-05-13 09:49:41 | 政治・社会・経済問題
国立大教員の多さへの指摘や、学費引き上げ求める声も m3.com 2015年5月12日(火) 配信 池田宏之(m3.com編集部)

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会(会長:吉川洋・東京大学大学院経済研究科教授)が5月11日に開かれ、財務省は、半数近くが軽症事例を占めている救急車の利用について、有料化の検討を求める案を示した(資料は、財務省のホームページに掲載)。終了後の会見で、吉川会長は「(委員の間の雰囲気は)検討に値する(感じだった)」として、実現の可能性があることを示唆。この日は、国立大学への交付金なども議論の対象となり、少子化が進む中、教員が増加傾向にあることを問題視する声や、授業料を私立大学並みに引き上げることを検討するように求める声があったという。
■「救急車、全て有料化でない」
 この日の論点は、「地方財政」と「文教・科学技術」という2点が含まれていた。財務省の示した「地方財政」の資料では、地方へ交付する一般財源を見直す方針を求めている。「地方財政」の資料では、救急出動の一部有料化に言及。2013年における救急出動件数は、過去10年間で20%増え、年591万件となる中、49.9%が軽症患者が占める。
 有料化に関する資料は、「現状を放置すれば真に緊急を要する傷病者への対応が遅れ、救命に影響が出かねない」と指摘。消防庁の資料に基づいて、米・ニューヨークでは5万円程度、ドイツのミュンヘンでは基本料金が約6万7000円となっている点を紹介した上で、救急需要対策を講じた上で十分でない場合、「軽症の場合の有料化などを検討すべきではないか」としている。
 終了後の会見で吉川会長は救急車の有料化について、「全て有料化するアイデアではない」と断った上で、風邪で救急車に乗ったケースなどを指摘しながら、「事後的に見たときに救急(患者で)ないのに救急車を呼んだのは、ある範囲で本人負担があって良いのでは」とした。委員の中では「検討に値する」との感じが強かったという。
■「国立大は資産運用などを収入源に」
 「文教・科学技術」の資料では、国立大学の運営交付金が1つのトピックとなった。資料では、国立大学法人の収入について、運営交付金は減少傾向にあるものの、補助金等の収入を含めた「国からの支出」が、2004年度の約1兆3800億円から、2013年度には1兆5300万円となり、増加傾向にある点を指摘。附属病院収入は、2013年度にかけて約1.5倍の9600億円になっていることも踏まえて、「教育・研究の質の向上のため、多様な収入源の確保を目指すべきではないか」と提言している。多様な収入源として想定されているのは、授業料収入、共同研究収入、資産運用など。ドイツにおいて、民間からの研究受託費に応じて、基盤助成額が決まる仕組みも紹介されていて、国の資金援助を減らし、競争的な資金の割合を増やして、産業の活性化につなげたい考えも伺える。
 国立大学の授業料については、英国において、大学授業料が2004年には1200ポンドが上限だったのに対して、2011年には9000ポンドまで引き上げられた例を示している。出席委員からは、国立大学の特色によって授業料に差をつけたり、所得水準の低い層向けの奨学金を充実するアイデアを挙げた上で、国立大学の授業料を私立大学並みへの引き上げを検討するように求める声があったという。
■科学技術予算「社会に還元しているか」
 科学技術予算については、1989年を基準として、2013年度には3倍近くなっているデータを示す一方、研究開発の支出に対する企業部門の生産付加価値の割合が、2010年に、英国は72.8%、フランスは55.3%なのに対して、日本が40.0%となっている点を指摘。「大きな投資の伸びに相応した還元を社会に対して成し得ているのか、説明が必要」などとして、企業や大学間の連携やイノベーションを阻害する規制見直しの重要性を指摘。委員からは、日本において、研究の社会的影響を説明する仕組みを構築するように求める意見があったほか、治験などを実施する企業に対して、国家戦略特区などを活用して環境整備を求める声もあった。
 国立大学法人の教員数にも言及。18歳人口が減少傾向にある中、国立大学の教員数は、6万4000人を超えていることが示され、出席委員から、「多様性のメリットはあるかもしれないが、(教員の)質の確保の観点から問題がある」との声が出たという。高等教育提供の総量の検討を求める声も出た。
 政府は、今夏には2020年に向けたプライマリーバランスの黒字化のための計画が示す予定で、今後、2016年度予算に向けての議論も本格化する中で、吉川氏は、「(全体として)最終的には(検討した内容を)麻生太郎財務相に建議として渡す。経済財政諮問会議でも、麻生大臣が(建議内容を)生かすように発言しているので、(分科会で示された政策などが実現するように)期待している」とした。財政制度分科会には、4月27日の会議で、診療報酬のマイナス改定の必要性を指摘し、受診時定額負担の検討などを求める資料が提出されている(『財務省、「マイナス改定必要」の考え示す』を参照)。














日本がやるべきことは、アジア各国の信頼を得ることだ

2015-05-12 15:33:00 | 政治・社会・経済問題
第二次世界大戦は人類史上きわめて特殊な戦争であった。
あの戦争はたんなる国益の衝突でなく、道義的な主張が全面的に争われた戦争であった。
ニュルンベルクと東京の戦犯裁判が象徴するように、侵略や植民地化や残虐行為といった道徳的な罪を負うことになった。
日本やドイツは「戦争犯罪」歴を負ったままで国際社会に戻り、今日もその負い目を払拭できないでいるといえよう。
敗戦をどう考えるのか、「サンフランシスコ講和条約」と「日米安保条約」をどう考えるか・・・・・そうした問題を、日本はいわば、いつも「する抜けてきた」のだ。
第二次世界大戦は正義をテーマに掲げた戦争であった。
それまでの戦争は領土拡張や資源獲得などの利益のための戦いであったから、戦後処理は容易であった。
負けた側が賠償金を支払い、国土の一部を割譲して「すみません」と言ったら、それで終わった。
ところが、正義お正義がぶつかる戦争は、戦後処理がむずかしい。
アメリカ中心とした民衆主義というイデオロギー。
日本はじつは「人種差別反対」というイデオロギーを掲げていた。
これには欺瞞もあったが、一応、ベルサイユ条約のときに日本が主張して通らなかったものだ。
つまり、第二次大戦おいて、日本はイデオロギー戦争に負けたのだ。劇作家・評論家・山崎正和さん
サンフランシスコ講和条約で日本は「もう膨張の思想はもちません」と約束したわけだ。
アメリカ流の司法取引で「昭和天皇は追訴もされず退位もせず、そのままいることが認められたわけだ。
あれくらい寛大な処理はない。
日本は外交の発信力が弱い。
日本の政治家や官僚には、そもそも海外に向け発信することの重要性がわかっていない人が多い。
改憲は損得でいえば間違いなく損だ。
人的にも経済的にも大変なコストがかかる消耗作業であり、やめたほうが無難だ。
改憲以外に政治が取り組むべき課題はたくさんあるはずだ。
国際情勢の変化に対して、改憲一点に絞ってしまうのは、あまり得策ではない。
日本がやるべきことは、アジア各国の信頼を得ることだ。
改憲によって信頼は失われるだろう。
その意味で手本になるのは、政治家ではなく海外で社会貢献をしている日本の若者たちの姿だ。
内向きな日本の政治家は改憲に走る。
若者は海外で活躍している。















憲法は国民が国家権力を管理するためにある

2015-05-12 06:20:32 | 政治・社会・経済問題
自民党「国民を管理する法」だと本末転倒の誤解

自民党は自らが結党以来の党是としてきた「自主憲法制定」という名の憲法全面改正に向け、一気に前のめりになってきた感じがある。
憲法研究者や政治学者などの間から、「九六条改正には反対だ」とい声が湧き上がってきた。
「そもそも憲法とはいかなる性格のものなのか?」という基本問題が、国民を巻き込んだ大きな議論になってきた。
多くの国民は自民党の憲法改正プロジェクトに無知・無関心であるように見える。
政府のもつ力は憲法によって制限されている。
自民党は逆に憲法を「国民を管理するための法」にしようとする姿勢が透けて見えるのである。
憲法改正の中で国民に「国を守る義務」を課そうという発想がある。
憲法が自分たち国家権力を縛るものだという大前提がわかっておらず、「国民を管理する法」だと本末転倒の誤解をしていることが見て取れる。
やはり立憲主義に対する根本的な無知がある。
安倍晋三首相が一体なんのために憲法九条を改正し、「戦争のできる国」にしようとしているのか、ぼくにはよくわからない。
奥平康弘さん(東京大学名誉教授)