しまいびと

独立型ケアマネジャー兼、終活を専門とするファイナンシャルプランナーです。

成年後見人の新型コロナウィルスのワクチン接種の同意について

2021-05-05 | 後見
令和3年3月24日、
厚生労働省から、
「成年被後見人等に対する新型コロナ予防接種を
実施するに当たっての留意事項について」
が各都道府県宛てに通知されました。

それによりますと、
成年後見人が、
一定の条件のもとワクチン接種の同意ができる旨、
が記載されています。

そもそも、
成年後見人には医療同意権はありません。
また、第3者の医療同意が無意味であることは、
以前の記事でもお伝えしています。

では、
新型コロナウィルスのワクチン接種については、
医療同意に当たらないのでしょうか?

これについては、
「予防接種法」に準じるようです。

『予防接種を行うに当たっては、
あらかじめ被接種者又はその保護者に対して、
予防接種の有効性及び安全性並びに副反応について
当該者の理解を得るよう、適切な説明を行い、
文書により同意を得なければならない。』

そして、
この保護者というのは、
『この法律において「保護者」とは、
親権を行う者又は後見人をいう。』
とされています。

つまり成年後見人は、
新型コロナウィルスのワクチンに限らず、
インフルエンザ等何らかの予防接種の
同意ができることになっています。

これについては、
医療同意ができないことと
矛盾するところではありますが。

またこの通知には、
『本人の接種の意思を確認することが難しい場合は、
予防接種法令上、接種の対象者が法定後見制度の
成年被後見人であれば成年後見人による同意の署名が可能だが、
その場合は家族や医療・ケアチーム等、
本人の周りの方と相談しながら判断いただく必要があること。』
と記載されています。

インフルエンザ等の予防接種と違い、
副作用等まだまだ未知の部分が多い
新型コロナウィルスのワクチン接種の同意を
成年後見人に求めるのは、
なかなか酷な気がしますが、
接種しないことによる不利益が大きいのも事実です。

家族がいない方を支援している場合は、
成年後見人は、主治医や医療従事者としっかり連携して頂き、
適切な判断をお願いしたいと思います。

なお、
『被保佐人や被補助人、任意後見制度の被後見人の場合には、
保佐人や補助人、任意後見人による署名はできないため、
原則どおり接種の意思を本人に確認した上で、
本人の自署又は本人の接種の意思を確認した者の代筆により
接種の同意欄に署名すること。
この場合、本人の接種の意思を確認した上での代筆であれば
保佐人や補助人、任意後見人が行うことも可能であること。』
とされており、
成年後見人とは異なる対応になりますので、
ご確認下さいませ。

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