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しまいびと

☆終活や介護に関する役に立つ情報を発信しています☆

セルフネグレクトとアウトリーチ

2019-04-30 | 介護保険
『セルフネグレクト』とは、
成人が通常の生活を維持するために必要な行為を行う
意欲や能力を喪失し、自己の健康や安全を損なうこと、
と辞書に記載されています。

高齢者によく見られるのは、
必要な介護や医療サービスを拒否すること等により、
社会から孤立し、
生活行為や心身の健康が維持できなくなっている状態、
とのこと。

この『セルフネグレクト』は、
高齢者虐待防止法の対象外ですが、

セルフネグレクト状態にある高齢者は、
認知症や精神疾患、アルコール関連の問題等
を有する場合が多く、
また、行政や専門職の関与を拒否することもあり、
生命、身体に重大な危険が生じる恐れや、
孤独死のリスクも抱えているため、
『高齢者虐待に準じた対応が求められる』
とされています。

つまり、認知症や障害等により
セルフネグレクト状態となっている方には、
『アウトリーチ』がとても重要になるわけです。

では、認知症や障害等がなく、
ただ自分の明確な意思でセルフネグレクト状態に
なっている方には、どのような対応をすべきでしょうか?

これには意見が分かれるところだと思います。
支援者としては、
『本人の自己決定を尊重』することがとても大切ですが、
その自己決定が本人の不利益となっている場合どうするか、
専門職として本当に悩むところです。

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尊厳ある介護とは

2019-04-25 | 日記
だいぶ前の話になりますが、こんな判例があります。

デイサービスを利用していた80代の女性が、
帰宅前にトイレに行こうとしました。

トイレの前までの移動は職員に見守られ、
トイレの中に入ろうとした際に、
「一人で大丈夫だから」
とトイレ内の介助を拒絶されました。

その女性に、認知症はありません。

その直後、トイレ内で転倒し、
大腿骨を骨折、後遺障害が残りました。

そのことで、デイサービスに損害賠償を求め、
訴えを起こしました。

その結果、、、
デイサービス側の過失が認められ、
1000万円を超える損害賠償の判決が下りました。

ここで、判決の理由を一部紹介させて頂きます。

『確かに、要介護者に対して介護義務を負う者であっても、
意思能力に問題のない要介護者が介護拒絶の意思を示した場合、
介護義務を免れる事態が考えられないではない。
しかし、そのような介護拒絶の意思が示された場合であっても、
介護の専門知識を有すべき介護義務者においては、
要介護者に対し、介護を受けない場合の危険性と
その危険を回避するための介護の必要性とを
専門的見地から意を尽くして説明し、
介護を受けるよう説得すべきであり、
それでもなお要介護者が真摯な介護拒絶の態度を示した
という場合でなければ、
介護義務を免れることにはならないというべきである』

さて、介護業界の皆さまは、
この結果についてどう思いますか?

もちろん、
介護施設を利用されている高齢者の方に、
「安全」に過ごして頂くことが、
最も大切であることは、言うまでもありません。

ただ、
「トイレは自分一人でしたい」と言われたときに、
転倒の危険性があったとしても、
その方の尊厳を重視して、一人で排泄をして頂く、
ということは、そんなに間違っているとも思いせん。

現に私がデイサービスで働いていたときは、
この判例をすでに知っていましたが、
一人でトイレに行って頂く方はたくさんいました。

ただ、希望すれば誰にでもそうする、
というわけではありません。
一人一人にしっかりアセスメントを行い、
一定の根拠のもと判断していました。

「排泄の介護を受ける」
と言うことは、ご本人にとってとても辛いことです。

それでも介護が必要なときは、
その人の「尊厳」に最大限配慮しなければなりません。

ただ、マニュアル通りに介護をするのではなく、
一人一人に合わせた援助計画がとても大切であることを、
常に意識しておきましょう。

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