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しまいびと

☆終活や介護に関する役に立つ情報を発信しています☆

親権

2017-12-29 | 後見
突然ですが皆さま、
小学生ぐらいの子供がいると想像してください。
その子が、自分のお金30万円を持って、
以前からずっと欲しかった「パソコン」を、
一人で買いに行ったと仮定します。

あまり現実的ではなく、
想像しにくいかもしれませんが、

自分が家に帰ったら、
なぜか、超高性能パソコンがテーブルに置かれていた、
と想像してくださいね。

なぜそんなものがあるのか子供に聞いたところ、
どうやら、どうしても欲しくて欲しくて我慢できず、
一人で電気屋さんに行ったとのこと。

さて皆さん、このケースどうしますか?

どうするもこうするも、2通りしか選択肢はありませんよね。

①返品に行く。
②買ってきたものはしょうがない、とそのままにする。

どちらにせよ当然その子に注意をするとは思いますが。

次に、「パソコン買ってもいい?」
と先に相談があったとしましょう。

その場合はどうしますか?
「小学生がそんな高性能なパソコンなんか買ってどうするの!」
と買わせない人が多いでしょうか?

では、それ以外にはどんな選択肢があるでしょう?

③そんなに欲しいならいいよ、と認めてあげる。
④どうせお金を使うなら、英会話教室に行きなさい、
  と勝手に英会話スクールに申し込みをしてくる。

などが考えられるかもしれません。

さて、ここでよく考えてみてください。
②や③なら問題ありませんが、

いくら親でも、
①勝手に返品しに行ったり、
④勝手に英会話スクールに申し込んだりすることが、
『法律的に』可能なのでしょうか?

答えは、当然ながら可能です。
①を【取消権】
②を【追認権】
③を【同意権】
④を【代理権】
といい、民法により、
親権を有する法定代理人(=多くは親のこと)には、
これらの権利の行使が認められています。

①の【取消権】なんかは、
例えば子供が悪質商法などにひっかかって、
高額な商品を買わされてしまったような場合、
契約を破棄して取り消すことができるという、
子育てをする上では、
とても安心できる権利といえますね。

では、親権者がいない場合はどうなるのでしょう?
その場合は、
家庭裁判所から、『未成年後見人』が選任され、
法定代理人となります。

と、ここまでの話をまずご理解頂いたうえで、
『成年後見制度』について話していきたいと思います。

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認知症

2017-12-28 | 後見
『認知症』
名前くらいは聞いたことがありますでしょうか?

『認知症』、とは病名です。
2004年までは、『痴呆』と呼ばれていました。

どんな病気かといいますと、
「いったん正常に発達した知能が、
脳の後天的な障害により、不可逆的に低下した状態」
とのことです。

『不可逆的』
すなわち、「再び元の状態には戻らない」
病気といえます。

認知症が進行すると、様々な症状が現れます。
細かい症状は割愛させて頂きますが、
ここでは、認知症になると、
「どのような日常生活に困り事が生じるか」
についてお話したいと思います。

まず、
≪①家事≫
家事はとても複雑な作業であり、的確な判断も必要とされます。
認知症が進行すれば、
・買い物に行っても、同じものばかりを買ってくる、
・料理の作り方がわからなくなる、
など、家事に困難さがみられるようになります。

≪②ADL≫
ADLとは、「activities of daily living」の略であり、
日本語でいうと、『日常生活動作』となります。
人間が日常生活を送るうえで、
欠かすことができない基本的な活動のことで、
具体的には、
【食事】【排泄】【整容】【更衣】【移動】【入浴】
などを表します。

≪③生命を維持するための行為≫
例えば、
・体の調子が悪くなったときに、病院で診察を受ける。
・病院で処方された薬を、定められた通りにきっちり服用する。
・検査の結果の説明内容をしっかり理解する。
などが困難となり、支援が必要となります。

そして、
≪④財産の管理≫
日常の買い物等の支払いについては、
認知症になっても、長く続けることができますが、
複雑な収支計算や、株や不動産の管理、
またATMの操作等についても、
不安がみられるようになってきます

≪⑤契約行為≫
日常生活を送るということは、様々な契約が必要となります。
スーパーで買い物をするのも売買契約ですし、
ガスや電気を利用するのも契約です。
旅行に行くのも契約、携帯電話を利用するのも契約、
生命保険も契約、介護保険の利用も契約・・・・・、
無限にあります。

≪⑥手続き≫
これまた日常生活を送るうえで、様々な手続きが必要となります。
例えば、
年金を受け取るための申請、
医療費が高くついたときに還付を受けるための申請、
介護保険の要介護認定を受けるための申請、
国から給付金を受けるための申請・・・・・、
無限にあります。

他にもまだあるかもしれませんが、
おおむね①~⑥のようなことに、
なんらかの支援、見守り、介助を要するようになります。

厚生労働省『平成29年版高齢者白書』によると、
2025年には、認知症患者は約700万人、
高齢者人口のおおむね5人に1人が認知症になると
推計されています。

誰であっても、決して他人事とはいえません。

では、認知症の人を支援する制度としては何があるでしょう?

2000年に、
『公的介護保険』と『成年後見制度』の2つの制度が、
同時に始まりました。
その2つは、認知症の人を支援するための、
『車の両輪』と例えられています。

現在では、
前述の①~③の困り事を、『公的介護保険』が
同じく、④~⑥の困り事を、『成年後見制度』が、
支援しています。

ということで、
まずは『成年後見制度』からみていきましょう。

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遺言執行者

2017-12-27 | 相続・遺言
自分の書いた遺言書を、
その通り確実に履行してもらうため、
『遺言執行者』を指定するケースが多くみられます。

私も、よほど単純な相続、
例えば、財産は預貯金だけで、受け取るのは配偶者だけ、
などのケース以外は、
遺言執行者を指定することをお勧めします。

遺言執行者は、
未成年者や破産者以外は誰でもなれますが、
相続は手続きが複雑なことが多いので、
金銭的余裕があれば、
弁護士や司法書士などの法律家に頼んでおくと安心できます。

昨日、『負担付遺贈』の話をしましたが、
本当にペットの世話を約束通りしてくれているのか、
という確認を、
遺言執行者に頼んでおくことも、有効な手段といえるでしょう。

ここで少しややこしい話をします。
実務的に、たまにみられるケースです。

法定相続人がいるにも関わらず、
絶縁状態にあり、
「その人たちには一銭も渡したくない!」
「だから全財産を、どこかへ寄付する!」

そして、
「どうせお金を渡さないんだから、
ワシが死んだことは誰にも知らせないでほしい!」
と希望する方がいらっしゃいます。

ただ、残念ながらこの要望は通りません。
民法第1011条1項に、
『遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、
相続人に交付しなければならない。』
と定められているからです。

つまり、遺言執行者は、
就任後すぐに「財産目録」をつくり、
「相続人」へ連絡しなければなりません。

確かに、以前説明したように、
『配偶者』『子』『親』には、遺留分があるため、
全財産をどこかへ寄付する遺言を書いたとしても、
一定の財産を取り戻す権利があります。

では、遺留分のない『兄弟姉妹』の場合はどうでしょう?

遺留分がないということは、
全財産をどこかへ寄付する遺言の場合、
全く財産を受け取ることはできません。

その場合でも、
「亡くなった事実」や「いくら財産があったか」を
通知しなければならないのです。

つまり、
遺言書を作成し、
遺言執行者を指定すれば、
自分の『死』について、
法定相続人の方たちには、
秘密にすることができないということになります。

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愛犬について考える

2017-12-26 | 相続・遺言
ウチには、
12歳のヨークシャテリアと、
11歳のチワワがいます。
かわいくてかわいくて仕方ありません。

最近では、子供がいる世帯より、ペットがいる世帯の方が、
多くなっているようですね。
世の中には、私のようにペットが子供のようなもの、
という考えの人がたくさんいらっしゃると思います。

さて、
一人暮らしで、ペットを飼っていて、
そのペットより先に自分が死んだ場合、
そのペットはどうなるのでしょうか?

ペット好きの人間であれば、考えただけでも恐ろしい事態です。

前々回にもお話ししましたが、遺言書にただ単純に、
「だれだれにペットの世話をしてほしい」と書いても、
法的強制力はありません。

一方、仮に自分にある程度の財産があって、
「財産をあげるかわりにペットの世話をしてほしい」
という遺言書を作ったとします。

これを『負担付遺贈』といい、
この場合、遺言書で指定された相手は、
「財産を受け取る代わりにその義務を負う」
ということになります。

さて、ではそれで100%約束を守ってもらえるでしょうか?

まず遺言書の場合は、『放棄』することができます。
つまり、約束したあのときは、
ペットの世話をしてあげようと思っていたけれど、
今はそんな状況ではなくなったから、
「財産もいらないかわりに、ペットの面倒もみません」
ということが可能になります。

さらには、
「財産だけ受け取って、ペットの面倒はみない。」
ということが起こり得る可能性もあります。

恐ろしい事態ですが、それでもこの遺贈は有効となります。
但し、当然約束を守ってないので、無効にすることができます。

無効にしたい場合は、
まず他の相続人や遺言執行者が、
遺贈を受けた人に対して『催告』をします。
それでも義務を果たさない場合には、
家庭裁判所にその遺言の取消しを申し立てます。
この取消しが決定されるまでは、
『財産だけもらっておくことが可能』
になってしまいます。

万が一、
他の相続人や遺言執行者など監督する人がいなければ・・・、
財産だけもらっておくことができるかもしれません。

もちろん、このような遺言の場合は、
あらかじめ心から信用できる人に、
ペットの世話を頼んで、ちゃんと承諾を得てから、
遺言書を作るケースがほとんどだと思います。

つまり
『絶対的な信頼関係のもとにのみ成り立つ行為』
ということになりますね。

その『負担付遺贈』とは別に、
『負担付死因贈与契約』というものがあります。
『負担付遺贈』と似ていますが、
こちらは『遺言』ではなく、『契約』となります。

メリットとしては、
『契約』になりますので、
相手の都合による放棄や取消しができなくなります。
『公正証書』で、この契約を交わしておけば、
より安全といえるでしょう。

一方デメリットとしては、
『契約』のため、
自分の都合で一方的な解約はできません。
例えば、契約した相手の人と、のちのち仲が悪くなり、

・やっぱりペットの世話をこの人にお願いしたくない、
・やっぱり財産をこの人にあげたくない、

と思っても、自分だけでは破棄できないということです。

他には、最近『ペット信託』というような制度もありますが、
これはまた別の機会に。

なかなかペット好きの人間にとっては、悩むところですね。

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遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)

2017-12-25 | 相続・遺言
自分に『配偶者』と『子』がいるにも関わらず、
『愛人』がいると想像して下さい。

いきなり不謹慎な話で申し訳ございません。
が、これが一番わかりやすいので、話を進めます。

その人のことを好きで好きでしょうがない自分は、
残りの人生もあとわずかになってきているのを感じ、
「自分の財産をその人に全てあげたい」
と、強く願うようになってきました。

そして遺言書がなければ、
『配偶者』と『子』が自分の法定相続人になる、
と知った自分は、
『全ての財産を愛人に遺贈する』
という遺言書を作成しました。

もちろんこの遺言の内容は有効です。

では、今度は『配偶者』と『子』の立場で
もう一度この話を想像してみて下さい。

「はぁ~?」「どういうこと?」
「全然納得できないんですけど?」
といった怒りの感情が込み上げてくることと思います。

確かに、その財産はその人のものだとしても、
これまでの家族の支えがあってこそのもの。
いくら好きで好きでしょうがないと言われたところで、
その全てを、家族ではない他人に渡すというのは、
『絶対に納得できない!』
というのが当然の感情だと思います。

そこで民法では、
そのような自分勝手な遺言をした場合に備えて、
残された家族に、

「ちょっと待って!
そのお金は自分たちにとっても必要なもの。
いくらかは返して!」

という権利を認めています。

この返してもらえる取得分のことを、
『遺留分』といい、
この、返して欲しいと請求することを、
『遺留分減殺請求』といいます。

『遺留分』をもつ親族は、法定相続人のうち、
『配偶者』と『子』と『親』のみとなります。
つまり、『兄弟姉妹』には、この『遺留分』はありません。

そして、どのくらい取り戻せるかといいますと、

相続人に『配偶者』や『子』がいる場合は、
相続財産の1/2、

相続人が『親』だけの場合は、
相続財産の1/3、

を請求することができます。

つまり、先ほどの例でいいますと、
例え『全ての財産を愛人に遺贈する』
という遺言書を作っても、

残された家族は、
『その半分を取り戻すことができる』
ということになりますね。

但し、遺留分の請求には『時効』があります。
『相続や遺贈があったことを知ってから1年』
または、
『亡くなったことを知らなくても相続開始から10年』
で時効となりますのでご注意ください。

さて、【法定相続分】の回で
ご紹介した事例について、もう一度考えてみます。

「私には妻以外に身寄りがない。」
とおっしゃっていたお年寄りの方でしたが、
よくよく話を聞いてみると、実は縁は切れているけど、
自分の故郷に『甥』や『姪』がいた、
ということがわかった場合です。

今までの話を全て勘案すると、
その状態で、『夫』が亡くなると、
その財産は『妻』だけのものにならず、
『甥』『姪』もまた法定相続人となります。

日頃からお世話になっているなら、もちろん納得できますが、
全く縁が切れているような状態で、法定相続人になってしまうと、
残された『妻』の今後の生活が困ることになるかもしれません。

そこで『遺言書』がとても大事になってきます。
先ほども説明しましたが、『兄弟姉妹(甥・姪)』には、
『遺留分』がありませんので、
全財産を妻に相続させる旨の遺言書を作成すれば、
そのまま、その通り全て妻のものになります。

ですので、決して『遺言書』はお金持ちの方だけに
必要なものではないということです。

たとえ、わずかなお金であったとしても、
一生懸命夫婦で貯めてきた大切なお金です。
自分の家族のために、
ベストな残し方を考えていきましょう。

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