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しまいびと

☆終活や介護に関する役に立つ情報を発信しています☆

自然災害で利用者の借家が損傷した場合

2020-07-19 | エンディングプラン
数年前に実際に担当したケースの話です。

その方は文化住宅に住んでいたのですが、
台風により屋根が大きく損傷し、
日常的に雨漏りが起こるようになりました。

当然ながらこの損傷に対しては、
家主に修繕義務が生じます。
ただ、再三修繕をお願いしたにも関わらず、
被害を受けている家屋が多くて、
順番に対応しているが、いつになるかわからないとのことで、
しばらく放置されました。

怒った利用者(借主)は、
修繕が終わるまでは、家賃を払わないと言い出しました。

仮に家主が修繕してくれない屋根の修理を、
借主がお金を払って修繕したとしましょう。

この費用に関しては、
借主は、直ちに家主に請求することができ、
また、家賃との相殺を主張することも可能です。

ただ、このケースでは、
借主が修繕するのではなく、
家主が修繕するまで家賃を支払わないという内容でした。
確かに、
家主の修繕義務不履行を理由に家賃を支払わない、
という選択肢もありますが、
この場合、損傷の程度によっては、
家賃の全額ではなく、
一部減額が認められるだけの場合もあるため、
注意が必要です。

ちなみに、
借主が実際に修繕して立て替えて支払った費用を、
自己判断で家賃と相殺した場合、
 (例えば家賃が月10万円の家で、
 修繕費が50万円掛かったから、
 家主に家賃との相殺の意思表示をせず、
 勝手に家賃を5ヶ月間支払わないという行動に出るなど)
家主から家賃滞納を理由に契約解除されてしまうと、
その解除は有効となり、退去しなければならなくなるので、
これについても注意しなければなりません。

さて、
今年4月1日の民法改正により、
以下の通り賃借人の修繕権が明文化されました。

『賃借物の修繕が必要である場合において、
次のいずれかに該当するときは、
賃借人は、その修繕をすることができる。
①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、
又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、
賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
②急迫の事情があるとき。』

なお、
同じく4月1日の民法改正により、
入居時の賃貸借契約等の連帯保証人の保証範囲が、
今までは無限保証でしたが、
今後は極度額(上限)を定めなければならなくなったことも、
押さえておきたい重要な改正ポイントです。

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災害時にケアマネができること

2020-07-13 | 介護保険
私が地域包括支援センターの職員だったときに、
「災害時の支援方法等」をテーマにした勉強会を
企画したことがあります。

『災害時ケアマネジメント』
という言葉もよく聞くようになってきました。
毎年のように起きる自然災害を目の当たりにすると、
災害時に何ができるか日頃から考えておかねばならないと、
改めて痛感します。

今回は、
ケアマネに実際どういう支援ができるのか考えたいと思います。

私は阪神大震災が発生したあの時間、
神戸市の東灘区というところにいました。
震度7を実際に体験し、慌てて屋外に避難したところ、
電気が止まっているため何も見えず、
月明かりと、どこかの家が火事で燃えている明かりを頼りに、
なんとか公園まで避難し、夜明けを待ちました。
その後のことを話すとキリがないので省略しますが、
正直、当時19歳の私には何もできませんでした。

そんな中、
救助を求めている人たちをいち早く助けて出したのは、
地元のおじさん、おばさんたちでした。
もちろん地元のおじさん、おばさんたちも、
自分の家も被災されているわけですが、
工具やロープを持って、閉じ込められている人を救助したり、
公民館に避難したお年寄りのお世話を始めていました。
今でもその光景は明確に覚えています。

では、そのような大規模災害時に、
我々ケアマネジャーは何ができるのでしょうか?
これは、「事業所の考え方」と、「ケアマネ個人の考え方」に
大きく左右されると思われます。

大規模災害発生時には、
もちろんケアマネジャー自身も被災します。
当然ながら、まずは自分自身や、
自分の家族の安全を確保することが重要となります。
その上で無事安全が確保されたら、
次に出勤できるか、出勤すべきかということになります。
例えば私のように、
自宅~事務所まで自転車で10分も掛からないような場合は、
例え交通が遮断されても出勤できるでしょうが、
遠方から公共交通機関を利用しなければならない場合は、
出勤したくても難しいでしょう。

ということは、
出勤できない場合、何もしなくても良いのでしょうか。

そもそも、
災害にもいろいろあります。
電話がつながる場合は、
どこからでも利用者の安否確認を行うことができます。

では、電話がつながらない場合は、
ケアマネが担当の利用者宅を一軒一軒安否確認に回るのか、
ということになります。
私は、それは難しいと考えます。

そもそも先ほどの話のように、
公共交通機関が止まってしまったら、
出勤することさえ難しい場合もあります。
仮に出勤できたとして、
ケアマネが安否確認に行こうと思っても、
1日で担当利用者全員のところへ訪問することは不可能ですし、
行ったところで何もできないことも考えられます。

では、
ケアマネジャーとして、災害に備えてできることは何なのか?
私は、次の3つが重要と考えます。

【①利用者の最新情報の更新】
 既往歴、服薬情報、必要な医療処置、医師から指導されていること、
 緊急連絡先、などの情報は、
 日常のモニタリング時に、定期的に更新することが望まれます。
 また災害発生時に、
 一人暮らしかどうか、家族の有無、重症度等により、
 どの利用者から優先的に安否確認等を行うか、
 事前に決めておくことも必要な準備になるでしょう。

【②支援者側の情報共有手段の確立】
 今でもサービス事業所の責任者の中には、
 携帯電話番号やライン等を、
 教えて頂けない方がいらっしゃいます。
 災害時に携帯電話が通じなくなっても、
 ラインはつながったという例が過去にあります。
 担当利用者の安否確認を行ったり、実際に訪問する場合に、
 無駄な動きはもったいないと考えられます。
 ですので、例えば訪問介護事業所が対応してくれる方については、
 そこの責任者に任せる、など役割分担が有効になるでしょう。
 そういう意味では、事業所の責任者クラスの人と、
 プライベートでも通じる連絡先を知っていることは、
 この仕事では当たり前に大切なことだと思います。
 ぜひとも各事業所の責任者クラスの人は、
 ケアマネに携帯番号を教える、
 または社用携帯をプライベートでも持ち帰る、
 などの対応をお願いしたいものです。

【③然るべき機関から情報を得て、然るべき機関に情報を伝達する。】
 先ほど神戸の震災時の話をしました。
 災害時に人を助けることができるのは、
 自衛隊、消防、警察、行政、医療機関等を除けば、
 やはり地域住人同士の助け合いが主になると思います。
 残念ながら、ケアマネは利用者宅に辿り着いたとしても、
 全く役に立たないことも十分考えられます。
 ただ、利用者が救助され、どこかで保護されている場合、
 そこに対して必要な情報を伝達することは、
 ケアマネジャーの重要な役割になるでしょう。
 ただ、どこに保護されているのか、どういう状況なのか、
 それを確認できる他機関との連携がなければ成立しません。
 と言うは易しですが…、
 ここが最も重要で難しいポイントになると思われます。

個人情報の壁がある以上、
平時から利用者の情報を共有するわけにはいきません。
かといって、
日頃から連携していなければ災害時にうまく機能しません。

ただ、行政機関等との連携は、
イチケアマネではどうしようもできないことも多いですので、
ここは地域包括支援センターの地域包括ケア会議等に期待し、
まずは最低限、災害時に介護事業所同士での情報共有は、
できるようにしておきたいものです。

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