スケール号の周りに青いエネルギーの壁が出来た。これで外のエネルギーから身を守ることが出来るはずだ。 「艦長、左下に川のような流れが見えます。」ぴょんたが報告した。
川は緑色に光るエネルギーの海の中を渦巻くように流れていた。それはまるで、かきまぜたコーヒーにミルクを入れた時のような形をしている。
「おいしそうだス。」ぐうすかがよだれをぬぐった。
「あれは心の川だ。」
「海の中に川があるんでヤすか。」
「見てごらん、あの川の上流はきれいなピンク色をしているだろう。」 「ほんとですね。でも途中で色がくすんで紫色に変わっています。」
「ピンク色はエネルギーが健康なしるしなんだ。あの紫色になった所は何らかの理由でその健康な流れが止められているのだろう。」
「健康なエネルギーが、病気になっているのだスか。」
「あるいはそうかも知れん。とにかくあそこに入って行こう。」
スケール号は急降下してピンクの流れの中に飛び込んだ。スケール号のシールドは完ぺきだった。うっとりするようなピンクの光りに包まれてスケール号は幸福な気分にひたっている。
「このエネルギーを少しとらえるのだ。」博士が艦長に言った。
「分かりました。」
スケール号がピンクの流れをペロッと一なめした。するとそのエネルギーが操縦室のスクリーンに映像となって映し出された。
「あっ、ピピだ!」ぴょんたが叫んだ。
スクリーンにはピピの姿が映っていた。お父さんとお母さんに両手を引かれながらブランコをして歩いて行く。ピピの顔はとても幸せそうだった。どこかに出掛けた帰りなのだろう。お土産を一杯持って、夕日の中でピピの顔はオレンジ色に輝いている。
「幸せそうでヤす。」
「これがピピの本当の姿なんだろう。」博士が言った。
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