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複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

スケール号の冒険38

2008-06-30 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
何日かたって、
「おばあさんに会いたい。」突然ぴょんたが言い出した。
もこりんもぐうすかもぴょんたに賛成した。
「分かった、もう一度おばあさんに会いに行こう。」艦長が言った。
艦長の一言でで乗組員達はそろってスケール号に乗り込んだ。
「スケール号、おばあさんの家に直行だ。」
「ゴロニャーン」
艦長が命令するとスケール号はトンと塀に駆け上り、その上を本物の猫よりすばやく駆け抜けた。

おばあさんは元気に起きだして、家の掃除をしていた。庭の雑草や壊れた椅子やバケツなどのがらくたはすっかり取り除かれていて、きれいに整頓されていた。  
閉めっぱなしになっていた古びたカーテンは取り払われ、明るいおひさまの光が、家の中に反射して踊っていた。
開け放たれた窓からは風が通り抜け、何とも言えないクリームの甘い香が、きれいになった庭の方までながれて来た。
この前の苦しそうなおばあさんの寝顔からは想像もつかないほど、おばあさんは安らかな、優しい顔をして、気のせいか生き生きとしたピンク色に染まっているように見えた。
おばあさんは無心に、ほうきを使ってごみや枯れ葉をはき集めているのだった。

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