「これを見なさい。」
ムカエルは自分の右腕をつかみ、それを自分でもぎ取った。腕から白い液体が吹き出した。みんなは争いを忘れてムカエルを見た。
「さあ、この私の右腕をシールドのエネルギーに充てんするのです。これで悪魔のエネルギーの侵入が防げるでしょう。」
「ちくしょう、分かったよ、やればいいんだろ、やれば。」艦長は怒りがおさまらないまま、荒っぽくムカエルの腕を取り上げた。しかしムカエルの「愛」と言う言葉が艦長を目覚めさせたのだ。艦長は素早くムカエルの右腕を、スケール号のシールド装置に充てんした。シールドのエネルギーが急速に高くなり、バチバチという大きな音とともにスケール号の艦内から黒いエネルギーが消えた。シールドが成功したのだ。
それと同時に、スケール号の乗り組員達はみな正気にもどった。
「艦長、さっきはごめんでヤす。」
「ぴょんた、悪かっただス。許してほしいだス。」
「ぐうすか、ごめんね。」
「博士、すみませんでした。」
「もこりん、済まなかったね。」
こうして五人がお互いに謝り合った。
スケール号の中には、あっと言う間にごめんなさいのエネルギーが四×五=二十人分も集まったのだ。
「さあ、みなさんのよいエネルギーをもっともっと集めて下さい。」ムカエルが言った。
「どうするんですか。」艦長が聞いた。
「悪魔は悪いエネルギーのかたまりなんです。だから悪魔を倒すにはそれ以上の良いエネルギーが必要なんです。あなた方には良いエネルギーがたくさん詰まっています。五人の良いエネルギーを合わせれば、きっと悪魔を倒せるでしょう。」
「なるほどだス。」
「でもどうやって。」
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