きつねの戯言

銀狐です。不定期で趣味の小説・楽描きイラストなど描いています。日常垢「次郎丸かなみの有味湿潤な日常生活」ではエッセイも。

一人でできるもん

2012-05-24 23:55:46 | 日記
人に頼ることは負けることだと思っていた

何でもかんでも
何もかも全て
自分一人でできるはず

それは無理だと認めたくなかった

誰の力も借りない
誰の世話にもならない

いつだって一人でやってきたんだから

でもできなかった

傷付いた
落ち込んだ
絶望した

でも立ち上がって闘うしかなかった
負けてなんかいられない

満身創痍
血染めの包帯・眼帯・松葉杖…
それでもギブアップだけはごめん
そうやって生きてきた

一人でやれる
誰も手を出さないで
放って置いて
できるから
やれるから
絶対やり遂げてみせるから

だからやらせて
一人でやらせて

それなのに
できなかった

全てが終わり
この世の終わり
全てが闇
闇に飲まれて溶ける

自分がいない
何処にもいない
この先どうして生きて行けばいいのかわからない

人は皆一人じゃないなんて言わないで
一人でできるから
今度こそ
絶対やれるから

チャンスをちょうだい
もう一度

今度こそ
今度こそ

もういいよ
2度目はないんだ

一人でやらなくていい
むしろしないで欲しい

それは君の自己満足だろう?
こんなにできる
私にはできる
誰の手も借りなくても
ちゃんとできる
完璧にできる

そう思いたいだけだよね?

君がボロボロになってまで一人で頑張ることなど
誰も望んでないんだから

求められているのは結果だけ
誰がやろうと
誰に頼ろうと
仕上がればそれでいい

それが君である必要も
一人でやる必要も全くない

誰も君に期待はしてない
ただ君がいい格好したくて突っ張っているだけだ

聞きたくない
認めたくない

それが若さゆえの強がりだったと
年月を経て身に染みて知る

どうしても一人ではできないことばかり
いくら落ち込んだところで何も変わらない
すべきことは次々とやって来る
余裕がない
時間もない
体力も気力も技術も
何もかも自分の思うようにできないジレンマ

こんなはずじゃなかった
こんなはずじゃ…

受け入れて白旗を揚げよ

嫌だ

もうそんな風に言う力も残っていない

来し方行く末
いつか世界の眺めが変わる

全てが色あせて見える

そしていつか諦めざるを得なくなる日が来る

大人になることは
若い日の自分を失うこと

それは誰もが経験するけど

少しだけ痛くて寂しい卒業の時…

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