明日のカープ

広島東洋カープの昨日・今日・明日を見つめます

見るに堪えない試合

2013-06-29 08:39:23 | 2013年
6月28日(金) 甲子園
広島 4 - 7 阪神
武内、今井、河内、●ミコライオ(2勝3敗13セーブ3ホールド)

 前半、というか終盤までは完全にカープのペース。前日の一発攻勢とはうって変わって繋がりのある野球。2点リードの6回にはヒットで出塁した丸がすかさず盗塁、その後松山がタイムリーと、本来やりたい理想的な野球。

 1点返された直後にもタイムリーが飛び出すなど、8回表を終わって4-1でリード。
 
 しかし、ここから一気に転落。原因はよくわからない。先発した武内は6回までヒットを許さず7回1失点の好投。プロ初勝利の権利も得た。しいて転落の原因を挙げれば好投の武内を降板させたことか。
 8回、代わった今井が1死からヒットを浴びる。2軍に落ちた今村に代わるセットアッパーとして期待している投手だけにこのイニングを任せるのかと思ったら、代打の桧山に対してサウスポーの河内にスイッチ。河内が桧山に四球を与えたところで今度はミコ投入。投手起用が後手後手というかズタボロになっている。
 どっしり構えとけばいい試合を自分達でややこしくして、自分達で手放している。

 その代わったミコが次のバッターを一塁ゴロに打ち取るが、ダブルプレイを狙った松山が2塁に暴投で2点目。さらに続くバッターのセーフティバントを処理したミコが2塁へ送球、完全にアウトのタイミングだが、これをショートの安部がまさかの落球…。

 ボロボロに乱れた後はミコぷっつん。2本の長打タイムリーを含み合計6点を奪われる。ナイスゲームは一転最悪の試合に。

 恒例の野村語録。「状況を把握したプレーをしてくれないと。情けない。」

 その選手を使っているのはあなたです。守備に不安を抱えながらも打撃重視のメンバーにこだわり、守備面をないがしろにしてきたのは誰でしょう?ミコ投入と言うことであれば当然逃げ切りをはかるわけで、その時点で守備固めの選択肢はなかったのか。この日1軍に昇格させた木村省吾は何のため?
 当然こういうこともありえると言う予想は誰でもつくはず。それでもこういうメンバーにこだわってきたのだからある意味仕方ない。それを選手のせいにして、メディアに対して発言するなんぞ言語道断。

 この試合を落とすようでは監督としての手腕がないことに等しい。

 むしろ「情けない」のは指揮官自身です。


カープはこれで4位転落。6月にして早くも自力V消滅…。
 

28勝39敗1分

危機をなんとか免れた

2013-06-28 12:20:41 | 2013年
6月27日(木) マツダ
広島 3 - 2 巨人
○バリントン(3勝6敗)、H今井(1勝1ホールド)、Sミコライオ(2勝2敗3ホールド13セーブ)
本:エルドレッド(5号)、会沢(3号)

 負ければ早くも自力優勝が消える一戦。先発のマウンドは好投しながら白星に恵まれず、10試合勝ち星がないバリントン。バリントンは打線の援護がなくても腐ることなく淡々と投げ続けるスタイルに好感が持てる。

 今日こそ早めの援護で楽な投球をさせてあげたところだが、まずは阿部の2ランで出鼻をくじかれる。ただし、その後は7回まで0を並べる好投。
 
 その好投に打線が応えたのは6回裏。まずはエルドレッドの同点HRで追いつくと、7回には会沢の勝ち越しHRで逆転し、勝ち投手の権利を得たままバリントンから今井に交代。

 その今井、8回表に1死1、3塁のピンチを招くも、ここを0点に切り抜け、最後はミコが締めてゲームセット。久しぶりの対巨人の勝利。

 まずは、久々の巨人戦の勝利に喜びたいところではあるが、今日の展開は数試合に1回の勝ちパターン。たまたま2本のホームランで勝ったが、これはある意味事故みたいなもので、ホームランがたくさん期待できる打線ではないので、この勝利に浮かれることなく、あくまで足を絡めた細かい野球を目指してほしい。

 が、何はともあれ、今季対巨人2勝目!
 
 

28勝38敗1分

借金は今季最多タイの『10』

2013-06-27 09:21:05 | 2013年
6月26日(水) マツダ
広島 0 - 5 巨人
●中崎(2勝4敗1ホールド)、上野、久本

 先発中崎は2回1死1、2塁から村田にタイムリーを浴び先制されると、さらに2死2、3塁からバッターのピッチャー笠原に対して四球。満塁から長野に2点タイムリーを浴びて3点を先制される。 
 5回にはまたしても四球から阿部に一発を浴びる。試合はこれで勝負あり。

 打線は巨人の6人のピッチャーに完封される。先発の予定の内海に代わって緊急登板の笠原だっただけに何とかしなければならなかったが沈黙。3回途中でスパッと笠原に代わって青木、以下アコスタ、山口、マシソン、西村の前に散発3安打、3つのダブルプレイ。
 笠原はあくまで中継ぎ投手。先発したからと言って長いイニングを任せるのではなく、短いイニングで交代。それでも継投した投手陣がしっかりしているのが巨人の強さか。

 2回1/3で勝利投手となった青木に関しては不可解なトレードで4月下旬にカープからトレードで巨人に移籍したが、その後活躍の場を得ているようでこれが嬉しい2年ぶりの移籍後初勝利。天晴と言いたいところではあるが、カープファンにそこまでの余裕はない。
 小野と青木、確実に「良いトレード」だったのは巨人の方。

 巨人は今日の勝利で貯金が16。その内カープが半分の8(1勝10敗1分)を献上している。もはや苦手意識とか言うレベルの話ではないが、指揮官に策がないのではどうしようもないか。

 それはともかく、前日も乱調だった今村がついに2軍落ち。当然というか遅過ぎ。3年間彼を酷使し、そのうえWBCなんかにも選ばれ、蓄積された疲労はピークに達しているはず。それでも、勝ち試合であろうが負け試合であろうが、時には3イニング登板させたりしたツケがここにきて出てきた。
 ここは少し休養を与え、まだ若い投手であるし、これからの起用方法も含めて、もう一度スタッフが考えてあげてほしい。(個人的には将来先発と考えている)
 彼をつぶすようなことがあっては絶対にいけない。もし、これで終わらせるようであればスタッフが無能であるとしか言いようがない。
 

27勝37敗1分

屈辱のキャッチャー

2013-06-26 08:49:44 | 2013年
6月25日(火) マツダ
広島 4 - 6 巨人
野村、今村、●河内(1勝1敗7ホールド)、ミコライオ
本:安部(1号)

 カープは初回に幸先よく安部、丸、エルの3連打で先制。2回にも満塁から相手のエラーで2点をもらって序盤で3点をリード。

 先発の野村はピンチを招くものの二度のダブルプレイで切り抜ける。しかし6回、1、2打席目のピンチで抑えた阿部に対して、3打席目は抑えれず2点タイムリーを浴び1点差。

 その裏、カープは安部の第1号で再び点差を広げ、流れを引き渡さない。

 終始カープペースで進んだ試合は8回に一気に崩れる。野村からバトンタッチの今村が1死後、ヒットと四球で1、2塁としたところで河内にスイッチ。阿部を三振に取るが、亀井・坂本にダブルスチールを決められ、さらに小笠原を歩かせ満塁。
 ここでたまらずミコをマウンドに上げるが、巨人に傾いた流れを止めることはできず矢野にタイムリーを浴び同点。
 さらに小笠原の代走・松本と矢野にまたしてもダブルスチールを決められ、2、3塁とされたところで村田に2点タイムリーを浴びて勝負あり。

 それにしても、1イニングで2度もダブルスチールを決められとはなんたる屈辱。たしかにミコのフォームは大きいが、それにしても一度決められているだけにもう少し警戒できなかったのか。
 キャッチャーは石原が背中の張りを訴え6回から会沢。結局会沢に代わってから6点奪われたわけで、2度のダブルスチールと言い、キャッチャーとしての脆さを露呈。いつまでも石原に頼らざるを得ないわけがよくわかった。

 カープの盗塁数は64で12球団でもダントツ。やたら「機動力野球復活」ともてはやされているようだが、これはただ盗塁数が多いだけ(それでも去年までよりはましだが)で効果的な走塁は少ない。
 一方巨人は2度のダブルスチールも含め5つの盗塁。もちろん120%の確率で成功させないといけない場面でしっかり決めてくる。あの強力打線が足を絡め、緻密な野球をしてくるのだから強いわけだ。


27勝36敗1分

 

リーグ戦再開・劇的サヨナラアーチ

2013-06-24 12:20:28 | 2013年
6月21日(金) マツダ
広島  -  ヤクルト(中止)


6月22日(土) マツダ
広島 0 - 3 ヤクルト
●大竹(5勝4敗)、ミコライオ


6月23日(日) マツダ
広島 5 - 4 ヤクルト
前田、今井、○今村(1勝2敗2セーブ15ホールド)
本:廣瀬(4号)、堂林(3号)


 22日は大竹が好投しながらもバレンティンの3ラン一発に泣く。

 続く、23日は敗色濃厚ムードで迎えた9回裏。宮本のエラーから作ったチャンスで堂林がレフトスタンドへ逆転サヨナラ2ランホームランで連敗を「4」でストップ。

 それにしても、交流戦から6連敗→5連勝→4連敗と動きが激しいが、15試合で借金5では決して良い成績とは言えない。せっかくの連勝をいかすためにはせめて2勝1敗ペースでいきたいところではあるが、次節は巨人が相手…。


27勝35敗1分

エルドレッドに見たカープに欠けているもの

2013-06-19 08:29:31 | 2013年
6月18日(火) マツダ
広島 4 - 7 日本ハム
野村、●小野(1勝1敗1ホールド)、久本、梅津、河内
本:松山(5号)

 話題の中心は何と言っても大谷の「二刀流」本格デビュー。5番ピッチャーでスタメンの大谷がどういうピッチングをして、どういうバッティングを見せるのかが注目の的だが、カープにとってはそんなことはどうでもいい。まずは勝って交流戦を締めくくることが大事な一戦。

 たしかあれは、2005年。札幌ドームでダルビッシュのデビュー戦を観戦した。「高校生相手に負けるはずがない」と思ったが見事に負けた。9回に新井・野村の連続HRで2点をとるのがやっとだった。

 なんとなくその時のことを思い出し嫌な予感はした。が、まずその悪い予感を打ち破ってくれたのは松山の一発。大谷が喫した初の被本塁打。
 
 さらに、3回2つの四球を絡めて1死1、2塁のチャンスを作って4番のエル。デッドボールの故障から復帰したばかりの4番の左手を大谷の直球が直撃。エルが激高した場面もあったが、カープに欲しいのはこのファイト。基本的にカープの選手はおとなし過ぎる。大谷への贔屓目もあるようだが、プロのマウンドに立っている以上はこういうことも充分あり得る。

 さらに1死満塁で松山の打球はショートゴロ。ダブルプレイ阻止でエルが死球の報復とも思えるくらいの二塁手への猛烈なスライディング。二塁手がうずくまっている間にセカンドランナーも一気にホームイン。

 前田が死球にキレた場面は記憶に新しいが、まさにカープに欲しいのはこの気迫。他の選手も見習えとは言わないまでもこのくらいの気迫は見せてほしい。



 ただし。

 良かったのはここまで。(良かったと言っても大谷を完璧に打ち崩したわけではないが…)3-0としたのも束の間。先発の野村が四球で崩れるとすぐに同点。さらに、代わった小野も四球、四球、死球…。満塁から大谷のショートゴロの間に勝ち越されると、あとは日ハムに追加点を与え、終わってみれば4-7の逆転負け。

 「気迫=勝利」の方程式は成り立たないようだ。


26勝34敗1分

またやった…

2013-06-17 11:40:10 | 2013年
6月15日(日) 札幌ドーム
広島 2 - 3 日本ハム
●バリントン(2勝6敗)、今井
本:会沢(2号)

 相手の先発はサウスポーの武田。そして、丸以外はまたしてもズラリと右バッター。前日猛打賞で目下絶好調の松山を外してまで組んだ打順はまたしても機能せず。はたしてこの対左投手用右打線はバシっと決まったことがあるのだろうか。

 数週間前まで絶好調だった廣瀬は現在大がつくほどの不調。好調時にただ「相性が悪い」といだけの理由でスタメンを外したりしたツケが回ってきた。その同じ失敗を今松山で繰り返そうとしている。選手は駒ではない。「感情」というものがあるのでもう少しそのあたりを考えてやれないものか。
 とは言え、できる人間ならすでにしているはずか。「監督」というにはもはや恥ずかしい域に達してきた。

 試合はバリントンが先発したものの前回登板で痛めた足の痛みが再発し、途中で自ら降板を申し入れる結果。得点だけ見るとしまったゲームのようにも感じるが、前日同様、初回の無死2塁→1死3塁でクリーンアップで得点できなかったことが全て。

 交流戦の負け越しが決定。


26勝33敗1分

復帰戦を飾れず

2013-06-16 11:11:07 | 2013年
6月14日(土) 札幌ドーム
広島 1 - 5 日本ハム
●前田(5勝4敗)、河内、今村

 8回裏、1-1の1死満塁から稲葉に2塁打を浴びこれが決勝点。マエケンは復帰戦を白星で飾れず。マエケンは病み上がりと言うことでしょうがないと言えばそれまでだが、8回の球威は確実に落ちていただけに代え時が一歩遅れた感は否めない。というよりも、今村、ミコライオの調子が今一つ上がってこないので、それ以上の投手がいないことが問題ではあるが…。

 ただし、それより前。4回表の攻撃でカープは無死1、3塁のチャンスを作る。日ハムは1点あげてもいいという守備体系にもかかわらず、4番のエルが三振。続く岩本がセカンドゴロダブルプレイ。
 なんとなく嫌な予感はしたが、その直後にマエケンが中田に一発を浴び先制を許す。結果論ではあるがこの時点で「負け」が確定していたように思えてならない。


26勝32敗1分

連夜の逆転劇で5連勝

2013-06-13 21:36:59 | 2013年
6月12日(水) Kスタ宮城
広島 4 - 3 楽天
大竹、H河内(1勝7ホールド)、H今村(2敗1セーブ15ホールド)、○ミコライオ(2勝2敗12セーブ3ホールド)
本:エルドレッド(4号)


6月13日(木) Kスタ宮城
広島 5 - 4 楽天
中崎、小野、河内、○久本(2勝1敗)、S今村(2敗2セーブ、15ホールド)
本:会沢(1号)


 5連勝中の失策数は「2」。1つは12日の試合でミコライオが1塁へ悪送球したものと、もう1つは西武戦でエルがファンブルしたもの。
 一方、その前の6連敗中は6試合で合計8つのエラー。梵、小窪、堂林、岩本…と内野陣がことごとくエラー。負けるべくして負けている。
 つまりエラーやくだらないミスがなければ、ある程度しまった野球はできるということ。連勝中は菊池が再三の好守で投手を助けるなど守備からのリズムが出ている。確かに一発で決めた試合もあったが、そこに至るまでにしっかりリズムが作れていたということ。 

 であれば、どういう野球をしていくかは必然と見えてくるはず。エルはある程度調子を上げてきたが、復帰後全く機能しないニックを再度2軍でルイスを再昇格させる予定。さらには新外国人の内野手を獲得。外国人に頼るのも良いがそこまでする必要はない。

 先日もロッテの打線について書いたが、カープの指揮官にも早く気付いてほしい。おそらく、ここまでの3年間結果を残せずいよいよ背水であることをひしひしと感じているので、外国人に頼って結果を求めているのろうが…。

 この構図、どこかで見覚えがある。ブラウン政権の最終年、3位以内が留任の条件と突きつけられた指揮官は外国人頼みで、前田をベンチに追いやった。これに反発した前田は試合出場をボイコット。新球場に初めて登場したのは緒方の引退試合の時だった。ということもあった。

 この外国人起用は必ずしも良い結果を伴うような気はしない。必ずチームに歪を産む。今、くそ采配の中でも頑張っている選手は「またか~」という気になるだろう。野村だってこの先何十年も監督業をやるわけでもなかろう。次の監督へのバトンタッチについても考えてほしい。「自分が辞めるからチームのことは知らない」では困る。


 それにしても現在借金5のカープでもリーグでは3位。特にカープが強い訳でもなく、他のチームもあまりにふがいないというか。


26勝31敗1分

一発で試合を決める

2013-06-10 12:18:17 | 2013年
6月8日(土) マツダ
広島 1 - 0 西武
○中崎(2勝3敗1ホールド)、H今村(2敗1セーブ13ホールド)、Sミコライオ(1勝2敗11セーブ3ホールド)
本:エルドレッド(3号)


6月9日(日) マツダ
広島 5 - 3 西武
○野村(3勝3敗)、H今村(2敗1セーブ14ホールド)、Sミコライオ(1勝2敗12セーブ3ホールド)
本:松山(4号)、菊池(4号)


 8日、9日共に一発で試合を決める。
 8日は0-0から均衡を破るエル砲で先制。この1点を投手陣が守りきり連勝。中崎は先発として嬉しい初勝利。
 続く9日も1点ビハインドの7回に松山が逆転3ラン。その前の守備で満塁のピンチを野村が無失点に抑え流れを引き寄せる。その後、菊池にも一発が飛び出て試合を決定づける。

 これで3連勝。



24勝31敗1分

毎年恒例 交流戦の大型連敗

2013-06-06 11:03:32 | 2013年
6月5日(水) マツダ
広島 3 - 5 ロッテ
●大竹(5勝3敗)、今村、小野、河内、今井


 相変わらず理解に苦しむ投手起用。大竹からバトンタッチした今村を2イニング投げさせ、その間に1点差まで追い上げたかと思うと、9回の攻撃に良い形で流れを作りたい場面で送った投手は、確実に力が劣る小野。その小野がランナーを出すと河内、さらには今井と繋ぐが結局1点奪われ追い上げムードが一気に消沈。
 この場面でどうしても1点を与えたくないなら、ミコを投入して1人でロッテの流れを断ち切れば良いものを。仮にミコで点を奪われたら諦めもつく。

 一方、打線も骨折後2軍で8打席しか立っていないエルを急遽呼び戻し、いきなりの4番。確実に監督の焦りが見て取れる。結果を求めようとしすぎて目先のことしか考えれないこの監督は無能としか言いようがない。足を絡めた緻密な野球をしたいのか、一発で試合を決めるような豪快な野球をしたいのか、さっぱり見えてこない。

 相手のロッテは今江が4番に座っているくらいで確実に前者。小粒でバットを短く持って当ててくるようなタイプの選手が9人の内、根元、角中、鈴木、荻野、岡田と実に5人もいて、スタメンに外国人の名前はないが、それでも現在パリーグの首位を走っている。伊東監督のやりたい野球というものがよく見える。
 また、ここにも慶彦イズムが見え隠れしている
 
 真似をしろとは言わないまでも多少の打線を組み替えがあったとしても、ドンと芯が座っているチーム作りに力を入れてほしい。と言っても、3年間全く同じことの繰り返し、それがやれる人間ならとっくにやっているか!
 

22勝32敗1分

最終回『最高にうれしかった゛16年目の引退試合゛』

2013-06-04 19:03:27 | 赤い疾風伝説


トレードでカープを出た後の野球人生は、あっという間に終わった。ロッテ1年目の1990年は33歳で、92年に阪神でユニホームを脱いだのは35歳。いくら今よりも選手寿命が短い時代だったといっても、体力的には問題なかったし、実際に「一振り稼業」のようなことだったら、まだ何年か続けられたと思う。でも、そうまでして続ける気にはなれなかった。というより、そんな自分を受け入れるのが嫌だったので、未練なく引退を決断した。

致命傷となったのは守備だ。俺が在籍していた当時のカープは投手王国で、たとえエラーしても「悪い、何とか抑えて」と言えば、本当に抑えてくれた。でも、他球団ではそうもいかない。阪神時代に同じノリで投手に声をかけたら、直後に7失点…なんてこともあった。

以前にも触れた通り、俺は守備がヘタだった。練習はしたけど、それは「試合で何とか使えるレベルに」というもので、基本の反復練習のような地味で時間がかかる工程を省いていたツケが、年を追うごとに重くのしかかってきた。

若いころは良かった。投手は抑えてくれるし、「エラーなんて打って取り返せばいい」と割り切って、それを実行できていたから。でも、そうガンガン打てなくなってくると首脳陣としては使いにくくなる。自分がコーチになって痛感したことだけど、使う側の立場の人間っていうのは、打てなくて点を取れないことよりも、守備の乱れで余計な点を相手にやることを嫌がるもんなんだ。

「若いうちに基本をしっかりと学んでおけば…」という思いがないわけでもないけど、仕方のない面もあった。俺は痛めていた右膝に体重を乗せないように投げるしかなかったからね。まあ、研究が足りなかったと言ってしまえばそれまでなんだけどさ。

振り返ってみれば俺の野球人生はカープとともにあった。楽しいこともつらいことも凝縮された15年間だった。ついでに言うと、かつての広島市民球場は起工が1957年2月で開場は同年7月。ちょうど俺と゛同い年゛だったこともあって、やはり他のチームよりも思い入れはあった。

カープのユニホームを脱いでから20年以上が経過しているのに、いまだに広島のファンは温かい声援を送ってくれる。ロッテでヘッドコーチをしていた昨年も、交流戦で広島を訪れた際に多くの人々からサインを求められた。本当にうれしいことだ。

うれしいといえば、2008年にはこんなことがあった。この年限りで長い歴史に幕を閉じることになった広島市民球場で行われた「カープOBオールスター」でのことだ。それこそ20年ぶりぐらいにカープのユニホームに袖を通して、おまけに3安打、1盗塁でMVPにまで選ばれて。ファンも温かい拍手を送ってくれてね。92年に静かにバッドを置いた俺にとっては、最高の引退試合になった。

=終わり=

第33回『ロッテに移籍したら消滅した゛夜のお誘い゛』

2013-06-04 19:02:59 | 赤い疾風伝説


1989年のオフに、田淵幸一さんがダイエーの監督に就任したこともあって、法政大時代からの親友でもあるカープの山本浩二監督との間で「山本ー田淵の友情トレード」があるんじゃないかと、マスコミは騒いでいた。交換要員の具体名も挙げられていたし、水面下で交渉が行われていたことは間違いなかった。

しかし、最終的に移籍先として決まったのはロッテ。400勝投手としても知られる当時の金田正一監督が積極的だったそうで、俺と白武佳久、杉本征使の2投手と、前年に首位打者を獲得していた高沢秀昭、水上善雄による3対2の大型トレードとなった。でもね、この時もひと悶着あったんだ。

このトレードについてカープが記者さんたちを集めて発表したのが、11月13日のことだった。俺はお世話になっていた整体師の先生に体を見てもらうため名古屋にいたんだけど、球団から事前に通告を受けていて、名古屋のホテルで記者会見をするようにも言われていた。

この大型トレードのニュースはNHKの夕方のニュースでも報じられたし、俺は俺で名古屋のホテルで記者さんの質問に答えた。なのに…。夜になってロッテの球団幹部がこのトレード話を全面否定してね。当事者である高沢や水上に連絡をしていないってことが理由だったようだけど、こっちにしてみれば何がなんだか分からない。


1か月近く前からトレード要員になっていることを告げられたかと思えば、決まったら決まったで相手球団が全面否定。翌14日に広島に戻ってから、カープの球団幹部に「名古屋で会見までさせて、すまんかったのう」と謝られたけど、記者さんには追い掛け回されるし散々だった。交換トレードっていうのは、両球団の同時発表が基本だからね。

正式に両球団からトレードが発表されたのは、いわゆる「フライング発表」から4日後にあたる17日で、広島市内のホテルで改めて記者会見に臨んだ。俺もそうだけど、質問する側もバツが悪かったと思うよ。何日か前に聞いたことを繰り返し聞かなきゃいけないんだからね。ちなみに、この11月17日は仏滅だった。

会見では「野球はどこでやっても同じだから、これまで通り、全力を尽くしたい」というような話をした。確かに野球をすることに変わりはなかったけど、ロッテの注目度の低さにはビックリさせられた。本拠地の川崎球場は数えるほどしかお客さんがいないし、隣接する川崎競輪が開催中の日なんか、お客さんがグラウンドに背を向けてスタンドから競輪を観戦しているし…。

ついでに言うと、それまで当たり前のようにあった芸能人をはじめとした異業種の方からの゛夜のお誘い゛が、ロッテ移籍を機にピタッとなくなった。「カープのヨシヒコ」じゃないと価値を感じてくれないのかな…なんてことを、ふと考えたりもしたよ。



第32回『謙二郎の活躍で゛カープでの務めは終わった゛』

2013-06-04 19:01:10 | 赤い疾風伝説


1987年の開幕前に起きた例の「激励会ボイコット」ぐらいから、俺のトレードに関する記事がスポーツ紙上で頻繁に掲載されるようになっていた。そのほとんどが、いわゆる゛飛ばし゛だったわけだけど、火のないところに煙はたたない。球団内に、俺を出したいという考えがあることは感づいていた。

ご存じの通り、俺は89年のオフにロッテへ交換トレードで移籍するわけだけど、それ以前に決まりかけていたトレードもあった。

細かい経緯までは知らないけど、ある年のオフに当時は西武の管理部長をされていた根本陸夫さんから突然、電話がかかってきてね。「トレードが決まったから。年俸は7000万円だけどいいな」って。その電話で交換要員まで告げられていたけど、結果的には破談になった。後で聞いた話では、カープの方から断ったらしい。

俺のトレード話が、噂でなく現実のものとなったのが89年のオフだった。実際にシーズンが終わる前に、球団からトレード要員であることを告げられていたし、その前から「そろそろかな」という覚悟もできていた。

チームは88年のオフに「ミスター赤ヘル」を新監督に迎えて、生まれ変わろうとしていた。同時に、次代を担うリーダー候補生の野村謙二郎もドラフト1位で入団した。駒沢大出身の謙二郎は、春のキャンプから直系の先輩にあたるヘッドコーチの大下剛史さんに徹底的にシゴかれていて「このままじゃ殺されます」なんて泣き言も言っていたけど、それは期待の裏返しでもあった。俺が古葉さんに見込まれて鍛え上げられたように。

この年の謙二郎は内外野を転々としながらも88試合に出場して21盗塁をマークするなど、いきなり存在感を発揮した。レギュラーとして「1番・ショート」で使えるメドも立った。そして、俺のカープでの務めは終わった。

覚悟していたこととはいえ心境は複雑だった。チームはもちろん広島という街も好きだったし、何よりプロ野球選手にとっての幸せは、入団したチームで引退まで世話になることだとも思っていたから。そうは言っても、まだ32歳。野球に対する情熱は失ってなかったし、今ほど選手寿命が長くなかった時代とはいえ、老け込む年齢だとも思っていなかった。

そんな矢先にスポーツ紙をにぎわせたのが、大洋の監督をされていた古葉さんの解任報道だった。5年契約の3年目だったけど、これは報道通りになってしまった。俺がカープを去る時に、プロ野球での育ての親がユニホームを脱ぐ。これも巡り合わせと言えば、巡り合わせだったのかもしれない。