ある素材メーカのことである。客先ニーズに合わせて素材を供給していた会社が,市場の変化で販売量が低下したので,新市場の開拓を考えた。
自社の得意な技術を活用して,新市場の製品に素材を供給できるか,検討をすすめた。
いままでの顧客は素材のことにもなれていたため、あまり突飛なクレームもない。
ところが,新しい顧客は、この素材に慣れてないため,考えられないようなクレームがおきる。このように、製品によって,開発の品質保証の重点が異なることを経験した。
これらの開発を通して、従来型の製品開発を「市場先行型」、保有技術を生かす開発を
「技術先行型」と区別して開発を進めることとした.
洗剤や化粧品などの家庭用品を扱うL社では、海外との積極的技術提携により製品グループを充実してきた。
この会社では、技術の新規性,市場の新規性を現有から新規まで3段階に分け,3×3のマトリックスを作り,開発のパターンを整理している。
製品を開発するはじめの段階で、まず,その製品がどのパターンに属するのかを評価して,開発スケジュールの概略を作成する。
品質保証システム,品質システムは一種類作成してすべての製品を当てはめるのはむりが多い。非常に類似性のある製品でも、品質方針や技術の新規性により管理するポイントがことなるので、運用管理に際して工夫がいる。
新製品に応じた、層別管理、重点管理できる工夫が必要である。この段階での戦略の不足が企業にとっての一番の損失である。