さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

六月大歌舞伎 第1部

2013年06月17日 | いざ銀座歌舞伎座



「鞘当」 「喜撰」 「俊寛」


勘九郎丈の名古屋山三がきれい♪
「雨に濡れ燕」の下に重ねられた襦袢のような衣裳は紫陽花の模様で
足を運ぶびに見え隠れしてなんともセクシーだった。



三津五郎丈の喜撰は、時蔵丈のお梶とも愛嬌・色気揃って秀逸♪
富十郎丈亡き後、「喜撰」といったら今は三津五郎丈。

14日「待ってましたぁ~」 「じゅう~だいめ」と綺麗な声で女性が声をかけていた。



何度拝見しても吉右衛門丈の「俊寛」は素晴らしいが、
船を見送ったあとの俊寛の佇まいが今までとはまた違った味わいだった♪
前回の2010年秀山祭の折は、

松が折れて崖にへたり込む茫然自失の俊寛。
吉右衛門丈の俊寛の目は、その茫然とした中にも万感の想いがあった。
船上の人々の無事を祈る気持ち
これで良かったんだという想い
亡き妻への哀惜
一人残った後悔・寂しさ・絶望感…

とブログに記してあるが、
今回は上手く言葉に表せないが幕切れの瞬間、
全てを超越した俊寛が微かにほほ笑んでいるように私には見えた。
人間の強さ・弱さ、心の内を掘り下げる近松作品
それを見事に表現してみせてくれる「人間国宝の俊寛」♪♪♪

仁左衛門丈の丹左衛門 左團次丈の瀬尾 梅玉丈の少将 歌六丈の康頼 芝雀丈の千鳥
役者が揃い、それぞれの立場での想いもしっかりとみせてくれる素晴らしい舞台だった♪

紫陽花を重ねて着たる山三かな