~このお話は、ばあさんの夢と妄想によるフィクションです。~
東京に戻り数日がたつとかの君からメールがきた。
「京都ではお疲れさまでした。
仰る通り、あと5か月しかありませんでした。
せっかくのプロジェクトですから、目標達成にむけて頑張りましょう!
そこで、これからの5か月分のカリキュラムを作成しました。
8月 五山の送り火鑑賞(できればどこかの六斎も)
9月 寺町通の寺社巡り・一条寺界隈
10月 1級対策講習会・大原
11月 岩倉・鷹が峰
12月 京都検定・南座顔見世
あくまでもアバウトですが、いかがでしょうか?
でかい京都地図を購入し、壁に貼りました。
二人で歩いた道をマーカーで塗ってみました。
まだまだ白いところばかりです。
早くこの地図をマーカーで埋め尽くしたいと思っています。」
私は、このメールをそのまま主人にみせた。
私たちの想いを何となく察知して、「もう行くな!」と
言ってもらいたかったのかもしれない…
「ぼくには京都好きの気持ちは全然わからないけど。
楽しそうだし、どうせなら目標にむかって頑張ればいいんじゃないの?
都合がつくなら、できるだけ行ってくれば。
小さい子がいるわけでもないのだから、家のことは心配しなくても大丈夫だよ。」
私を信じてくれるのは有り難いが、
あまりにも大らかすぎる主人には、すっかり拍子抜けしてしまった。
「魅力的なカリキュラムの作成ありがとうございます。
私も、ご一緒に拝観した社寺は
テキストに☆印をつけておりました。
寺町通のお寺
大原の三千院・寂光院以外のお寺
そして岩倉の社寺
未拝観のところばかりですので
お供させていただきたいと思いますが、
五山の送り火は宿の手配もしておりませんので今回は無理かと。
あとは日程をお教えいただければ、宿泊先を手配いたします。」
と私は、メールを返した。