さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

alan♪

2009年06月19日 | 音♪楽♪
先ほど、NHKの番組でゲストに出ていらした
alanさんご本人を初めて知った。

本当に素敵なお嬢さんで、会話からあふれ出る人となりに一目ぼれ♪♪♪
ばあさんは、たちまちファンになってしまった(笑)

「SAVE THE FUTURE」のテーマソングを歌っているそうで
そういえば、着うたフルで携帯に入っている「レッドクリフ」の主題歌も
alanさんが歌っている♪

純白のドレスがよく似合う実力派歌姫だ♪♪♪


2006年 夏-15

2009年06月19日 | 京都検定ノススメ -2-
~このお話は、ばあさんの夢と妄想によるフィクションです。~


「そろそろ10時だ。ホテルまでお送りしましょう!」

「ここからタクシーで一人で帰れますから大丈夫です。」

「いや、是非、送らせてください。」

「本当によろしいんですか?では遠慮なくお言葉に甘えて…」

かの君のホテルから私のホテルまでは、車ならすぐの距離であったが、
かの君は、珍しくタクシーの中で仕事の話をはじめた。

「今、仕事がちょっと行き詰まっている時なので、
今日、あなたとご一緒させていただいて、本当にいい気分転換ができました。
有難う!」

「こちらこそ、お仕事を放り出してこさせたようで、本当にごめんなさい。
いつも心配するのは、私がお仕事の足手まといや
御迷惑にならないかということです。」

「とんでもありません!
あなたと一緒にいると、なんにでも挑戦していけるような勇気をもらえるんです。
なにしろ、明るくて好奇心旺盛でポジティブな方だから!」

「あの大たこ事件とか? あまり褒め言葉にもきこえませんが…」

「いえいえ本心からの褒め言葉です。」

タクシーがホテルに着いて、この日もかの君はロビーまで私を送ってきて

「本当にありがとう!
これからも軟弱なぼくを鼓舞し続けてください。」と右手を差し出した。

巡行の当日なので、まだかなりの人々がロビーにいて少々恥ずかしかったが、
私はかの君のあの古傷に手を重ねるようにそっと握手を交わした。
とってもやわらかな温かい手だった。
かの君を見上げると少し目がうるんでいた。

「今日のように、これからもいっぱい御迷惑やご心配をおかけすると思いますが、
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。」
私も、なんだか胸にこみあげてくるものがあり、ずいぶんと長い握手になった。

「では、おやすみなさい」

いつになくきまりが悪そうなかの君の後姿を私はロビーで見送った。
キーをもらって部屋に戻るとすぐに、かの君からメールが入った。

「素敵な時間をありがとう。
明日は朝から仕事があるので、また東京に戻ってからご連絡をいたします。
忘れ物をしないように、どうぞ気をつけてお帰りください。」

「友人以上恋人未満」という言葉をだいぶ昔に耳にしたことがあるが、
もはや、かの君との友情も友人以上の想いがつのってきてしまったのを実感した。
初めは、友人と言うよりも兄のような父親のような、
心を許せる肉親のような親近感が心地よく、
どちらかというといつも私が甘えて頼ってしまっていたはずなのに
かの君にとっても私が必要とされていることに嬉しさと困惑があった。

このところ、かの君との別れ際に、お酒のせいか?自分をコントロールできず、
かの君の胸の中に飛び込んでいきたいような衝動をたびたび覚えていた。
でもこれは、私の一方的な想いであって、かの君にとって、
私などは何ほどのものでもないと思っていた。

かの君があえて宿泊先を別にしている意味が、今ようやく理解できた。
逢う度ごとに想いが深まり、お互いが大きな存在になっていく事を
今日はっきりと認識してしまった。

「本当に男女間の友情はなりたたないのであろうか?
かの君は独身であるが、私には大切な家族がある。
いくら京都に全然興味のない主人でも、
30年も連れ添ったかけがえのない伴侶である。
だからと言って、もうかの君に会えなくなることも今の私には耐えられない。」
そんな自分勝手な私の心がとても後ろめたい気がした。

「今回も大変お世話になりました。
明日は、お仕事頑張ってくださいね。
試験まであと5か月になりました。
『京都検定1級攻略!寺社めぐりプロジェクト』も
初心に立ち戻り、勉強一筋に頑張らなくてはいけませんね。
明日は朝の新幹線で東京にもどります。
またのご連絡を心待ちにしていたしております。」

メールを送信するとすぐに、またメールが入った。
かの君からと思って見ると主人からだった。

「京都楽しんでますか?
明日は何時頃帰ってきますか?
駅に迎えに行くから到着時間を携帯にメール入れておくように。」

私を信じて、京都行を応援してくれる主人が本当に有り難く、
そして、それがすこし辛いと初めて感じた夜であった。