以上、辯法（べんぽう）・講道に関して、一部の所感を陳述したり。
依りて事事、遵守體解（そんしゅたいげ）し自ら完成し応用駆使（おうようくし）して、余（よ：子尊様）の代行となり全地に遍く公布宣揚（こうふせんよう）せられたし。
一、再びと人身の得られぬ今生（こんじょう）を、真実なる生涯似て送るべし。
二十万年最後の一生を空虚なる人生とすべからず。
幾度もの人間生活の中にて最も価値ある意義深き生であれ。
今、発心するも時遅からず。
道を伝う無名の人にこそ、久遠の靈名与えられる。
生命の限り一身を道に捧げ切るべし。
続く
劫内を修持しとは災難が降ろされている三期の間に勉めて修道の決心を保持するを要することである。
路径を尋ねとは一条の光明の大道を尋ね当てて劫（わざわ）いをかわし、難を避けて長生了死を得ることである。
現今（げんこん）、大道が世の中に布衍（ふえん）される真意は末劫が正に臨（いど）もうとしているからである。
この善悪玉石が正に判別を下される期間内に得道者は勤めて天道を固く抱いて行い、一途に目標を定めて正しい路径を求め、永遠に生死を超越し、霊の故郷を尋ねるべ木である。
天道は天に返る路であり、すべての人の捜（さが）し訪れるべき道である。
この道を得たならば、常に誠なる真言呪を心霊に念じ、常に清浄を保ち、道法に帰依し、天命の法令に遵（したが）い、天堂の規律に則（のっと）って修め、功徳を圓満にし、凡を脱して聖胎（せいたい）を得、極楽に永生を求めるべきである。
佛令とは弥勒古仏の命令一下に帰一統一することであって、斯（か）く修められた人は再びと東土に往きて生まれ、又死ぬことがない。
理天に於いて快哉（かいさい）を叫ぶのである。
続く
五十三、修 煉
平治即ち平らかに治めることを修と言い、陰を撥（は）ねて陽を取ることを煉と申します。
人は体をもって生まれた後から、私慾が次々と生じますが、私心は陰気であり、天性は乾（けん）の陽であります。
回光返照（えこうへんしょう）とは即ち真陽を以て私陰を浄化し、内には陰気を煉り、外には習癖（しゅうへき）を煉って、内外を同時に修煉し、これを平らかに均しくして、過不足のないようにするのであります。
この修行を永く久しく続けて行く中に、自然大中和の境地を得ることが出来るのであります。
続く
