日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 則光 Norimitsu Wakizashi

2010-09-18 | 脇差
脇差 則光

脇差 銘 備州長舩左衛門尉則光寛正四年



 寛正則光(かんしょうのりみつ)と尊称される名工則光の、鋒が菖蒲の葉のように造り込まれた、鋭利な姿格好の脇差。このスタイルは室町時代中頃に間々みられる。
 杢目交じりの板目肌は緊密に詰んで微細な地沸が付き、杢目肌に反って地景が入り、肌が綺麗に立って見える。時代が降るに従って地鉄に硬さが感じられるようになるのだが、この則光の時代、そして本作においては応永頃の備前ものに近い良質の地鉄であるが、映りの出方が乱れ映りから直状の映りとなっている。この映りも古風で、地鉄、地沸、地景などと働き合って、総体に一時代遡るような風合いがある。端正な直刃はごくわずかに湾れ、刃境に匂のほつれがかかり、繊細な金線が流れる。下半は刃先に迫る匂に砂流し金線顕著に走り、直刃の魅力が溢れている。



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