日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

丹波守吉道 初代 脇差 Yoshimichi Wakizashi

2020-06-12 | 脇差
丹波守吉道 初代 脇差


丹波守吉道 初代 脇差

三品一門は美濃の出身だが、相州伝において際立つ存在感を示した刀工集団である。沸強く沸深い刃文は、刃文構成に定まったところがなく、不定形に乱れ、沸が鍛え肌に沿って流れるように付き、これが景色を成している。地鉄鍛えに板目があり、その一部が流れて柾目肌や板目流れの肌となっており、これが働きの原因となっているのだ。砂流しもそうだ、ほつれもそうだ。
先に紹介した写真を見てほしい。初代丹波守吉道の変幻なる沸の働きを。刃文構成は大湾れ、不定形の湾れであることが基本で、刃文は物打辺りで大きく地に広がり、この中に層状の沸筋が幾重にも重なって流れ掛かる。普通に川の流れが思い浮かぶだろう。穏やかな湾れの中に層状の流れが見える。ただし、後の層の重なる刃文とはちょっと異なる。刃境の乱は水中の藻の揺れや、砂の流れを思い浮かべる。ヒケがあって見にくいところは容赦願いたい。造り込みも、江戸時代最初期に特徴的な寸法が短く身幅が広く先幅も広くがっしりとした姿格好。




丹波守吉道 二代 脇差

 川の流れを想わせる刃文の完成形である。先の作品と比較しながら鑑賞されたい。京人であれば桂川や鴨川は絵画の対象としてみることが多かったであろう。


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