日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

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脇差 越前国住兼法 Kanenori Wakizashi

2018-09-19 | 脇差
脇差 越前国住兼法


脇差 越前国住兼法 寛永五年正月

 貴重な年紀入の脇差。刃長一尺三寸、反り三分九厘、元幅一寸六厘、重ね二分六厘。元先の身幅が広く、反り深く先反りも加わって大鋒に結んだ、この時代の特徴的な造り込み。戦国時代の実用武器は、平和な時代に向かいつつある寛永年間にもまだ製作されている。戦国時代を生きた武将がまだ存命中で、時折各地でも武闘があったため、いつまた戦国期に戻るかもしれぬという気風も存在したのであろう。さらに武骨が大流行していた時代である。注文主は波多掃部。地鉄は越前らしい板目肌が起ってざんぐりとし、刃文は沸の強い湾れに砂流沸筋金線の混じる激しい出来。刃中の鍛え肌と感応して生じた複雑な働きが見どころ。注文作だけあって、かなり出来が優れている。最初に貴重な年紀作と記したが、この時代にはまだ年紀を入れた作は少ない。特別な場合に限られた。80□





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