フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

前フリについて

2020年06月20日 07時00分00秒 | 日々の出来事・雑記

今日は前フリについて話そうかな。

笑いの構造にフリとオチってありますよね。それです。

ただ、笑いに限ったことではありません。

すべての面白い話に共通の構造です。

オチは結論です。

前フリは、オチとは真逆の状態をいいます。

人間は変化に反応します。だから、話に変化をつけるわけです。

まず、結論を決めます。それで、真逆の話を最初の方に持ってくる。

これだけです。

ちなみに、よく言われる「緊張と緩和」もこの変化と同じ構造です。

緊張と緩和は真逆ですから。

じゃあ、たとえば、「仲が良い二人」を結論にもっていくとします。

何でもいいですが、

ピンクと水色のペアのパジャマが、ハンガーにかけられていた。
風に吹かれて、ゆらゆら揺れながら、くっついたり離れたりしていた。
その姿は、まるで仲良く寄り添ういつもの二人のようだった。

という文章を、作りました。

仲が良いの逆は仲が悪い、つまり、ケンカするですよね。

だから、前フリは、ケンカしている話です。

それで、ちょっと、作ってみました。

ある夏の日のことだった。
彼が帰ってきて、シャワーを浴びていた。
テーブルの上に置いてあるスマホが鳴った。
ラインの音だった。
見ちゃいけないと思ったが、嫌な予感がして、つい彼のスマホを見てしまった。
「お礼を言うの遅くなっちゃいました。この間の食事ありがとうございました。またおごってくださいね」
知らない女性の名前だった。
彼がタオルで頭を拭きながら、リビングに入ってきた。
「だれ、この女」わたしはスマホを彼に投げて言った。怒りが抑えられなかった。
「勝手に見たんだね」彼は冷静な声で言った。
「だれ、答えて」
「この間、徹夜で仕事したときのこと覚えていない?一緒に居残って手伝ってくれた女の子いたよね。そのとき、あなた、直接電話で話したでしょ。彼女と」
ああ、あのときの女の子か、思い出した。会社で二人っきりだと怪しいから電話をかけてきた。そのとき、その子と話した。
「それで、お礼に食事おごってあげたんだよ」
「ごめん」わたしは言った。
「あのさ、ちょっと駅前の漫画喫茶に行ってくる。スマホはここに置いておくから、好きなだけ見ていいよ。俺のこと信用してないんだね。まったく」彼はそう言うと、部屋から出ていった。

彼は相当怒っている。わたしには分かる。わたしたち、ダメになるのかな?

わたしは、ふとベランダに目を移した。

ピンクと水色のペアのパジャマが、ハンガーにかけられていた。

風に吹かれて、ゆらゆら揺れながら、くっついたり離れたりしていた。

その姿は、まるで仲良く寄り添ういつもの二人のようだった。

そうだ、謝らなきゃ。そして素直に話そう。

大好きだから妬いたんだって。

わたしは、彼のスマホを持って、彼のもとへ走っていった。


まとめです。

1、結論(オチ)を決める。

自分の心の動いた瞬間が良いと思います。

2、オチとできるだけ真逆の事実をかき集めて、話をつなげていく。

これが前フリになります。

もう少し例をあげましょう。

オチは悲しいことだとします。

親友が学校の帰りに交通事故で死んだのが、オチだとします。

前フリは、親友と楽しく遊んだ話を書いていきます。

たとえば、サッカーで、親友のアシストでゴールを決め、地区大会に優勝した話とか。

死ぬ直前の放課後、親友が好きな子に告白してオッケーをもらった。その時、二人でガッツポーズした話とかです。

楽しかった話をすることで、事故で死んだときの悲しみがより深く表現できるでしょう。

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