どちらかというと、僕は犬より猫が好きだ。
何の才能もない人間ですが、野良猫と仲良しになる才能は少しあるかな、と思っている。
川沿いのランニングコースを散歩していると、そこに住み着いている野良猫に必ず声をかけられる。
たくさんの人を無視して、僕が通るときだけ「ニャー」とよってくる。
もちろん、他にも慣れている人がいるかも知れませんけど。
キジトラ、サビ、茶トラ。
三匹の野良猫が、散歩コースに住み着いている。
犬は、すぐに友好的によってきて、じゃれ合ってくる。
それはそれで悪くないが、でも、僕はそんな簡単に仲良しになるタイプではない。
人間関係もそうだ。ちょっとずつ相手のことを理解して、付き合えるかどうかを判断する。
野良猫も、そう簡単にはいかない。少しずつ信頼関係を作っていかなくてはならない。
その「少しずつ」というところが、僕の性に合っている。
サビは、仲良くなるのに半年くらいかかった。最初は、威嚇され、指を引っかかれたりもした。
しかし、根気強く、僕が害のない人間であることを理解してもらう。少し餌もあげる。
そうすると、猫もちゃんと分かってくれるのだ。そして、僕のことを好きになってくれる。
僕が散歩に行くと、待ってたよ「ニャー」って、スタスタとよってくる。
ほんとうにかわいい。僕と猫の間に、まちがいなく「愛」がある。
猫ってバカみたいだけど、意外と頭がいい。