旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

臥龍城と宝塚だんじりと奥丹波と  福知山線を完乗!

2022-11-26 | 呑み鉄放浪記

 秋の乗り放題パス(連続する3日間)を握りしめて呑み鉄の旅、二日目は福知山から大阪方面に抜けようと思う。
駅の西にある車両所から223系が入ってきた。新しい形式なのだけど寸詰まりの2両編成なんだね。
10年ほど前に乗った時は堂々の編成だった気がする。JR線もローカルになるとほぼワンマン運転になっている。

由良川と土師川の合流点から福知山城を見上げる。二つの川が天然の堀であったことは想像に難くない。
明智光秀が修築した福知山城は野面積みを用いた石垣が残り、中世の姿に思い巡らせることになる。

山陰本線に福知山線、宮福線(京都丹後鉄道)が乗り入れる福知山駅は鉄道の要衝だ。
高架化された近代的な駅は南北に広場を持ち、新しくできた南口にはC11が転車台に載って保存されている。

09:01、福知山駅を発った2530Mは緩いカーブを描いて山陰本線に別れを告げると、土師川(竹田川)に沿って
田園地帯を往く。そして最初の停車駅丹波竹田を待たずに京都府から兵庫県へと入っていくのだ。

市島駅では列車交換の長い停車となる。ボクがこの駅で途中下車するのは長い停車時間に焦れた訳ではない。

“奥丹波” を醸す山名酒造、1716年(享保元年)創業は丹波で最も古い蔵になるらしい。後続の列車までは1時間、
石造の蔵を訪ねたら、山廃止込みのシェリー樽貯蔵酒、木桶仕込みの純米大吟醸を仕込んで満足の呑み人だ。

福知山から山中を1時間10分駆けて篠山口、2両編成の223系は長い長いホームの中ほどにちょこんと終着する。

向かい側4番線に襷をつなぐ堂々7両編成の321系、大阪行きの快速2752Mが乗客を引き取って滑り出す。

7両編成になったからって、三田、宝塚辺りまではそうは需要がある訳ではない。後部車両は貸切状態なのだ。
然らば遠慮は要らない。大きな窓の広い枠に特別純米と猪口を並べたら、待ちきれずの一杯をいただきます。

阪急の駅ほどではないにせよ、宝塚駅はレンガ造り風の瀟洒な駅だ。初めましての街にちょっと途中下車。
宝塚大劇場に向かって「花のみち」を歩いてみる。ショッピングモールもホテルも立ち並ぶマンションも、
洗練されたデザインでオシャレ、そしてちょっぴりフェミニン。ステキな街並みだけど住むには擽ったい。

呑み人は行く先々で、結構な頻度でお祭りやイベントに当たる。なにか持っているのか?
花のみちでは「宝塚だんじり」と遭遇。川面神社の山車が3台、勇壮な掛け声とともに曳かれていく。
南欧風の大劇場と山車と法被姿の若衆、この洋と和の組み合わせがなかなかシュールな光景と思うのだ。

城崎温泉へ行く特急こうのとり9号が1番線に滑り込む。ボクの乗り込むアンカー1154Cは2番線に停車中。
宝塚始発の各駅停車は、東海道本線を高槻まで走ったり、学研都市線を同志社前まで走ったり、
勝手を知らない関東人からするとその走りはかなりトリッキー、JR西日本のアーバンネットワークが見事だ。

宇宙船のようなペデストリアンデッキから尼崎駅を望む。
福知山線の起点尼崎は鉄路がX字に交わり、神戸・宝塚・京都・同志社前方面を相互に結ぶ結節点の駅だ。

キリンビール尼崎工場の移転で生まれ変わった尼崎北口、高層住宅が立ち並ぶアミング潮江に紛れ込む。
ハロウィンのイベントで賑わうモールの一角、いかにも昭和な大衆居酒屋がポッカリと口を開けている。

先ずはお約束の “生ビール” から、アテに択んだ “ポテトサラダ” はオリーブオイル仕立ての変化球が来た。
それにしてもご同輩ばかりの昼呑み酒場(12時開店)の情景かと思いきや、ベビーカーを押してのママ友呑み、
小さな子どもを連れて家族呑み、紫煙をものともせず話に花が咲く。関西の文化・習俗は興味深い。

ちょい懐かしいBLACK NIKKAの “ハイボール” を飲んでると、おかかを踊らせ “つゆだく明石風たこ焼き” 登場。
これがなかなか面白い。酒を選ばずにいいアテになるぞ。

“蒸し豚のたっぷりネギ塩” も絶品、柔らかなモチモチの豚肉にたっぷりネギ塩ダレを絡めて美味しい。
控えておいた日本酒に手が伸びる。辛口純米 “族” は和歌山の九重雑賀の酒、名前だけで盛り上がりそうだね。
清涼感のあるスッキリとした辛口が蒸し豚の旨味をリセットするなかなかいい相性だと思う。いいね。

2時間と少々で丹波・摂津を駆け抜けた福知山線の旅、尼崎の大衆酒場で美味しく〆る呑み人なのだ。

福知山線 福知山〜尼崎 114.2km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
哀しみの黒い瞳 / 郷ひろみ 1982



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懐かしい (ZUYA)
2022-11-28 21:35:48
カナダから帰国後、上京資金を貯めるために福知山の工業団地で数カ月働いていました。20年以上前ですけどね。もうすっかり記憶が遠ざかっています。お城ですらも...
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Unknown (呑み人)
2022-11-28 21:45:44
ZUYA さん、こんばんは。
そうですが福知山時代があったのですね。
その時期は音楽活動はしてたのでしょうか。
おもしろいエピソードがあれば一筆してください。
コメントありがとうございます。
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Unknown (まつなる)
2022-11-28 22:44:12
「アマ(尼)」はいいですね。阪神、JR、阪急で沿線カラーが異なりますし、大阪と一緒くたの扱いですが大阪とは一線を画しています。

尼が先に着いて、関東の方に対しては個人的に「川崎の何分の1かの縮小図」と紹介するのですが、どうでしょうか。

その中で、他エリアから訪ねた方ならJR尼がもっともとっつきやすいかもしれませんね。呑み人さんのことですから阪神尼もどっぷり訪問済かとは思いますが・・。
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来訪コメントのお礼と今朝のMyブログにお誘い~ (ひろし曾爺1840)
2022-11-29 08:11:53
(^_-)-☆お早うございま~す!本日も宜しくお願いします!
💻コメントや応援👍を有難う御座いました。✌で~す!
●今日は生憎の☔お天気ですが気持ちは明るく持って元気で頑張りましょ~!
*👴:今朝の「臥龍城~奥丹波・ブログ」と「ブログランキング」に>👍&😍&👏で~す。
🔷お越しをお待ちしてます・それではまた👋!
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Unknown (呑み人)
2022-11-29 17:48:46
まつなる様、こんばんは。
京浜急行線が阪神電車、東急東横線が阪急電車って感じでしょうか。
なるほど、川崎の縮図という見立ては分かるような気がします。
阪神なんば線を潰した時は、尼崎では呑まなかったんですね。
またの機会にディープであろう阪神尼を訪ねてみます。
コメントありがとうございます。
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Unknown (呑み人)
2022-11-29 17:55:11
ひろし曾爺様、こんばんは。
いつもご来訪ありがとうございます。
宮島の紅葉はいかがですか。
私事ですが、息子は今までの家族旅行の行き先で
宮島が最高だったと言います。次点が道東。
いつかまた、男旅で訪ねたいものです。
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