また西武鉄道の旧車両に巡り合った。三岐ってことは岐阜県まで延ばす計画だった?
三岐線は四日市から、石灰石資源に恵まれた藤原岳山麓(鈴鹿山系)まで30キロ弱を結ぶ。
地域の旅客輸送は勿論だけど、太平洋セメント藤原工場からの輸送を担っている。
起点は近鉄名古屋線の富田駅に併設されている。
西口駅舎は鯨船神事の鯨を模している。アンテナで潮を噴いてるのが微笑ましい。
地方私鉄の車内の主役は大抵お年寄りと高校生だ。
部活か夏休みの補習か、若人を乗せて3両編成はガタゴトと員弁川(いなべがわ)を遡る。
3両編成は駅々で高校生を降ろしながら50分ほどかけて夕暮れの西藤原駅に終着する。
構内には昭和29年まで貨物列車を牽いていたE102号蒸気機関車が展示されている。
途中の伊勢治田まで戻って途中下車、ここから2キロほど北に北勢線の阿下喜駅がある。
三岐線と北勢線は員弁川を隔て、ほぼ並行して走っている。
廃止予定であった近鉄北勢線は、地元自治体の支援により三岐鉄道が運営を継承した。
阿下喜駅構内に留まる古い車両は、戦前生まれのモニ226系という電車のようだ。
車体が小さいのでパンタグラフと前照灯が妙に大きく見える。
夕闇の中を懸命に走って来た小さな電車は、時間を空けず折り返し西桑名行きになる。
北勢線はナローゲージという軌間762mmの鉄道だ。当然車両も小さい。
イメージ的には大江戸線の車両を2割くらい小ぶりにした感じだろうか。
電車はボクひとりを乗せて阿下喜駅を出発する。横揺れとモーターの唸りがもの凄い。
ところで三岐鉄道は1日乗り放題パス(大人1,100円)を発行している。
玩具の様な3両編成は、やはり50分ほどかけて、とっぷり日が暮れた西桑名駅に終着する。
さて桑名と云えば “焼き蛤”。駅チカの居酒屋「魚のてっぺん」を訪ねる。
ここの兄さんたちはとっても元気が良い、アウェー感なく楽しく飲ませていただいた。
伊賀の酒 "三重錦・超辛純米" は、ほんのりフルーティな含み香を持つ辛口の酒だ。
三重の外湾鮮魚の "お刺身盛り合せ" を桑名のたまり醤油でいただく。美味い。
多気郡大台町の "酒屋八兵衛・山廃純米" は、柔らかく旨みのある辛口だ。
お約束の "焼き蛤" に満足、〆の "ヨコワ漬け炙り丼" も美味。今宵もご機嫌なひとり酒だ。
三岐鉄道・三岐線 近鉄富田~西藤原 26.6km
三岐鉄道・北勢線 阿下喜~西桑名 20.4km 完乗