延長6,625m、雁坂トンネルを抜けて、Zは関東平野から甲府盆地に抜けた。
この辺りは笛吹川の最上流部に辺り、甲武信岳から吹き下ろす風はまだ十分に冷たい。
広瀬ダム周辺の山桜は満開で、ひらひら舞ってくるピンクの花びらがシールドに張り付く。
快晴のGWは、彩甲斐街道(R140)をふたりで駆けている。
東京から秩父方面へはR299がお勧め、山藤を眺めながら高麗川沿いのワインディングがご機嫌だ。
秩父市街に降りる手前で、思い出したように左にウインカーを出す。
この季節、このルートを走るなら、春色重なる芝桜の花じゅうたんを見ておきたい。
秩父のシンボル武甲山の麓、羊山公園には10品種40万株の芝桜が見ごろを迎えている。
ルージュで描いたかのように、パープル、レッド、ピンク、ホワイトのグラデーションが美しい。
甘い香りの春風にくすぐられて春を実感している。
秩父湖から三峯神社へ向かう九十九折りを登っていくと、
杉の木立はいつしか落葉広葉樹林に代わって、新緑の若葉色が眩しい。
三峯神社の参道を歩くと、見られているという緊張感がある。
三峰には山犬信仰があって、日本武尊がこの地に登った際に道案内したのが狼(山犬)であったとされ、
神様の使いである狼は、狛犬の代わりとなって、眼光鋭く左右から参拝者を睨んでいるからだ。
青銅鳥居から石段を登り詰めると、総漆塗りで極彩色と彫刻にが施された拝殿が美しい。
本殿には国をお生みになられた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りする。
下界を一望する奥宮遥拝殿からの眺めは素晴らしく。
ここままた雲海が見られるスポットと云うから、季節と時間を狙って訪ねてみたいものだ。
三ツ鳥居で振り返って一礼したら、門前の茶屋で一服。
朝食代わりに頂いた秩父名物 “みそポテト” は、秩父を代表する郷土料理でありB級グルメだ。
おばちゃんが揚げてくれたホクホクのジャガイモが、甘めの味噌だれを絡めて美味しい。
三峯神社を降りたら、いよいよ彩甲斐街道のクライマックス。
先ずは雷電廿六木橋(らいでんとどろきはし)なるループ橋で円を描いたら、滝沢ダムの堤頂に出る。
荒川の治水と東京・埼玉の利水目的で造られたこのダムの竣工は2008年と新しい。
おそらくはこのダム建設に伴いR140の整備は進み、雁坂トンネルの開通が実現したのではないだろうか。
1998年まで、埼玉山梨県境は車では越えられない県境だったそうだ。
奥秩父もみじ湖のエメラルドグリーンを左手に見ながら、しばし平坦なワインディングを走る。
この人造湖を離れると、彩甲斐街道(R140)はいよいよ県境に向かって高度を上げていく。
仕上げは高さ120m、真紅のアーチ橋「豆焼橋」続いて黄色いトラス橋「雁坂大橋」を渡る。
この真紅と黄色は、きっと奥秩父の紅葉に映えるための色だと思うなぁ。
黄色い橋の直後に飛び込む「雁坂トンネル」でも登り勾配は続き、
壁面の「← 山梨県」のグリーンの文字を合図に、R140は急な下り勾配に転じる。
それにしてもトンネル内は凍える寒さ、バイクながらの浅い春を感じて山梨県へ。
彩甲斐街道って名称はたぶん新しいもので、埼玉側を「秩父往還」、山梨側を「雁坂みち」とも呼ぶ。
雁坂みちは甲府盆地の縁から底へ向けて駆け下る。左右は山桜が満開だ。
反対側の縁からは、まだたっぷりの雪を抱えた富士山が頭を覗かせて美しい。
塩山まで降りてきたら、120年前の古民家を改装した「完熟屋」でほうとうを食す。
鉄鍋で “豚肉ほうとう” が登場、地野菜の天ぷらを従えてね。
かぼちゃが蕩けるくらいに煮込んだ味噌仕立ての汁に、芋、きのこ、季節の野菜、豚肉と平打ち麺、
まだ少し肌寒い盆地の春、素朴だけどぐだくさんで温かい郷土料理が美味しい。
盆地の西縁のフルーツラインを走る。斜面は一面の葡萄畑だ。
道路情報では上り線の渋滞を報じていないから、帰りはR20をゆったり走っていこう。
FEEL ALRIGHT / THE SQUARE 1985
みそポテト&ほうとうが食べたくなりました(*^^*)
雁坂トンネルはたまにドライブします。
今は新緑がキレイで爽やかですね~
THE SQUAREの曲もお気に入りです♪
四国の野山を歩くのにも、バイクで風を切るのにも、いい季節になりましたね。
GW、充実していますね。記事の方も楽しみにしています。
ところで当方は「はてなブログ」への移転を考えています。
コメントありがとうございます。
去年10月から毎月お遍路さんしてます。
4月は愛媛県の久万高原を歩きました。
新緑と花々がキレイでした。
てくてくお遍路さんの記事はマイペースなので、今回書き上げたのは2024.11.14のものです。
記事の最後の最後に日付記載してます。
わかりにくくてすみません。
同じくはてなブログへ引っ越ししようと思っています。
これからもブログ仲間でいてくださいネ
よろしくお願い致します。
のんさんも「はてな」なんですね。
嬉しいです。
引き続きよろしくお願いします。