NEXに先を譲ってから成田空港行の快速が滑り出す。グリーン車で朝ビールを開ける、これが堪らない。
佐倉で後から来る千葉発のローカル列車に乗換える。快速は成田線へと進むからだ。
佐倉駅で見る限り、総武本線と成田線は形勢逆転している。まるで成田線から総武本線が分岐するかの様だ。
佐倉を発って早々、南酒々井駅で途中下車、何故かって江戸時代からの蔵元が在るからだ。
里山の駅から田舎道を歩くこと10分、やがて石造りの煙突も誇らしげに飯沼本家が見えてくる。
「酒々井まがり家」には雛人形が飾られ、 “甲子政宗” や地産の肴を買物したり、食事を楽しむ空間になっている。
先を急ぐ呑み人は、純米吟醸と吟醸辛口を買い求めたら足早に駅へと戻る。
銚子までの60kmに所要80分、単線なので列車行違いの待ち合わせが結構ある。
それでも吟醸辛口を愉しみながら、電車に揺られていると、案外この時間は苦にはならない。
丘上に風力発電のプロペラを見ながら、松岸で成田線と再会すると、まもなく終点の銚子だ。
<50年前に街で流れたJ-POP>
岬めぐり/ 山本コウタローとウィークエンド 1974