厳ついフェイスで疾走して来るのは相模鉄道の20000系。
田園調布あたりをこのヨコハマネイビーブルーが闊歩しているのは、東急・相鉄双方の新横浜線を介して
東横線と相鉄本線・いずみの線が相互直通運転をしているからなのだ。
2度目の東急線の呑み潰しの旅、締めくくりは新横浜線、というかこの路線の存在を忘れていた。
1番ホームに進入してきた急行湘南台行き、この紅いシャープなラインは東急5050系、
日吉から新綱島を経て新横浜までは5.8km、仕上げの短い旅が始まります。
ところで日吉は言わずと知れた慶應義塾の街、銀杏並木越しの駅ビルはまるでキャンパスの一部の様です。
日吉駅で東横線と分岐した新横浜線は、35‰の急勾配で地下に潜ると、ほぼ東横線の真下を南進して、
紅いラインの5050系は最高時速100kmで地下空間を駆け抜け、あっさりと新横浜に滑り込みます。
JR横浜線、市営地下鉄ブルーラインに加えて、今では2つの新横浜線が乗り入れているから、
新横浜から新幹線に乗る利便性がずいぶん向上したのではないだろうか。
Fマリノス通りから鳥山川沿いの緑地公園に出る。小さな野球場で少年たちが砂埃を舞い上げる。
っと1本だけ咲き遅れた河津桜がピンクの花びらを満開にして、行き来する人の目を惹いているね。
「さんかくはし」を渡ると日産スタジアム(横浜国際総合競技場)が見えてくる。
東ゲートにはメッシュのオベリクス林立する。日が暮れてライトアップされたらキレイだろう。
ビル街の只中の「シンヨコ商店」は、週末は11:00から呑めるんだから嬉しい。
「とりあえず生ビール」と言ったら、西島秀俊の小言が聞こえそうだけど、先ずはこれから。
あては “桜えびと新玉葱のかき揚げ”、桜えびの食感と新玉葱の甘味を噛み締めて美味しい。
今日は九州の蔵を択ぶ。壱岐の “横山五十” は山田錦を醸した純米大吟醸、って甘ぁ。
ワイングラスに注いで食前酒ならいいだろうか?とにかく呑み人には甘すぎる。
藍の器に “生まぐろ” の赤がキレイでしょう。山葵をたっぷりのせて、甘口の酒を楽しもう。
“名古屋コーチン鶏天” が登場、これまたジューシーで旨味があって、よき酒の友になるね。
黒いラベルにパープルの絵と文字が印象的な福岡の “庭のうぐいす”、純米吟醸中汲みは濃醇だけどキレがある。
新横浜から のぞみ に乗っても福岡までは4時間半、壱岐まではさらにジェットフォイルに乗船しないと。
いつかは玄界灘のイカやブリ、希少な壱岐牛を食べに行きたいけれど、
とりあえずは新横浜の止まり木で、九州の酒を愉しむ経済合理性を感じて、東急線の呑み潰しは了るのです。
東急新横浜線 日吉〜新横浜 5.8km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
タッチ / 岩崎良美 1985