白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

新プランター栽培ー媒体の特性

2013年01月30日 | 容器園芸

土壌は、其の中に含まれる粘土や腐植成分によって、微細な粒子が凝集して作る団粒化した孔間隙を持つ多孔質構造体となって、植物にとって大切な土の機能である保水性と相反する排水性とをあわせて持つ事ができると言います。

しかし、この土壌の団粒構造、永久的に保たれる訳でなく容易に崩れて大切な保水性や排水性が劣化するので、ご存知のように容器用土栽培等では団粒構造が維持しやすい組成に配合した「培養土」と呼ばれる土が園芸栽培では多く利用されて居ます。

 

―土壌からの栄養摂取―肥料協会イラストより

土壌は亦、その中に含まれる粘土や腐植成分の持つ肥料成分を保持する能力が大切であり、合わせて自ら土壌が持つ無機成分である、マグネシュウム、カルシュウム、硫黄、鉄、亜鉛、硼素、マンガン、銅、塩素、モリブデン、ニッケル等の必須微量要素の供給能、pHの安定した中性を保つ自立的な平衡性が求められます。

 このような土壌の持つ機能を考慮する時に、揚げられる特性が、先のブログで紹介した気相/液相率や空隙率等の土壌の物理性であり、又、電気伝導率、水素イオン濃度、陽イオン交換容量等の土壌の化学性であります。

更に、土壌の作用として揚げられる特性に、土壌の中の微生物を始めとする土壌生物群の持つ作用があり、其処に栽培される作物との関係で考慮されるべき機能として土壌の生物性とよく謂われます。

 土壌中の生物生態系が作物栽培にどのような作用を機能として果たしているかが、その判断基準となるのでしょうが、特に根圏と言われる限られた土壌の領域で、微生物と植物の共生関係がもたらす有益な効果を根圏作用と言い、且つ土壌の有機物質等の無機化に依る肥料成分の供給能を含めた物質循環の要となる土壌生態系の健全な活動を指してそう言うのかも知れません。

 

―法定土壌改良材の珪藻土焼成粒材―

扨て、その土壌機能を代替する媒体に依る新プランター栽培では、其の培地にはどんな特色があるのでしょうか、改めてお話致します。

 新プランター栽培の媒体の主成分は、珪藻プランクトンの珪殻が化石化して堆積した珪藻土ですが、その中でも、特に風化の進んだ含まれる粘土成分で造粒して焼成した一定サイズの焼成粒材であります。

 

―珪藻土焼成粒材の細孔模式図―

この焼成粒材、微細な珪殻の細孔が2次、3次にわたる高度な通導性を持つ独特の孔間隙の分布を構成して居て、他の土粒子の団粒構造体とは全く異なり、元は生物が形成した硬組織の多孔質体であり、優れた保水性と排水性を半永久的にあわせ持ち、他の多孔質構造体には見られない高度な水の浸入度(浸潤性)と優れた不飽和透水性を有しています。

この物理的特長を利用しての本来の役割は、一般の土壌に混合してその透水性を改善する、「地力増進法」で定められた「法定土壌改良材」であったのです。

その特異な物理性を利用する事で可能になったのが新プランター栽培です。



 藻殻の電子顕微鏡写真―Wikipediaより
この培地は、多孔質体としての毛管への保水性と孔隙の排水性に加えて、高度な通導性による培地全体の水分の浸潤効果により、容器用土栽培の半分以下の根域容積でも、植物に高い根密度を形成させて、養水分の摂取効果を上げる働きを持つ事が分かったのです。

其の鍵は、培地の空隙率が約70%ですが、其の空隙に占める養水分量が、プランター内で常に約35%前後に保つ事ができる事、その養水分の大部分が低い水分張力下で保持されると言う事、この培地の持つ水分特性は、植物にとって大変好ましいのです。  

―植物からみた水分エネルギー分類表―
言い換えれば、この培地は常に35%前後の液相と気相、30%の固相を維持しようとする物理性を有し、培地に保持される養水分が植物にとって極めて摂取しやすいエネルギー状態にあると言うことです。

そこで必要になるのは、植物の摂取に備えてプランター内培地に、常に体積率35%の養水分をどうやって維持させるかの工夫であり、思い付いたのが、プランターの底面部分に一定高さ迄を貯水面として飽和養水分槽とする底面給液法です。

    ―水分張力―空隙率―相関表―

栽培容器内に植物の根圏領域と貯液領域を形成させて、植物の養水分摂取で減少する根圏領域の養水分を自律平衡性の原理に従い、毛管上昇して補給されるように構成したのです。
言うまでも無く、其の栽培効果は、従来のプランター用土栽培と較べものに成らない程優れている事は栽培写真でもお分かりの事と思います。



―標準プランター3本仕立て大玉トマトの収穫―
このような原理で培地に土壌由来の多孔質構造体を利用すれば、底面給液栽培法は可能ですが、様々な弊害要因があり、それを克服して同じような高い栽培効果を上げるのは容易ではありません。

この土を超える機能は、自然が生んだ珪藻プランクトンの持つ珪殻細孔が作り出した多孔質体の不思議と申せますが、実はどんな珪藻土焼成セラミックス粒材でもその効果が同じとは行かない事が栽培実験で分かりました。其の媒体の違いが、其処に育つ植物には分かるのでしょう。
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