白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

縄文の「ネギ」

2012年03月30日 | 野菜栽培

先日の新聞に、九州の都城市の遺跡から約13,000年前(縄文時代の創世期)の炭化したネギとドングリ、ツルマメの痕跡が残る土器が発見された記事が載っていました。出土したのは、ネギの鱗茎68点とドングリとツルマメの痕が付いた土器の破片であり、「国内最古の食用植物として当時の九州で利用されて事を裏付ける貴重な資料」と伝えています。

その「ネギ」の話ですが、今日でいう野蒜なのかその他のどんなネギなのかは分かりません。ネギ属の植物は世界で600種以上もあり、最も古くから人類が利用して来た食用植物であり、代表的な「ニンニク」や「リーキ」は紀元前5,000年頃には、既に食用されていたとされ、有史以前から野にあって人類が採取利用して来た事にそれ程驚くには値しないようにも思われます。

 

―発見された炭化したネギの鱗茎―

ネギ科の植物は、北アメリカからヨーロッパ、北アフリカ、アジアと世界に広く分布し、今日では30種余りが食用植物として利用され、その半分近くが栽培作物となっていると言います。

 洋の東西に拘わらず、広く利用されてきたネギ科作物ですが、中でも重要なのは、欧米では、タマネギ、ニンニク、リーキ、チャイブ、エシャロット(シャロット)とあり、日本ではネギ、ニンニク、ラッキョウ、アサズキ、ニラが「五葷」と謂われ、仏教文化の影響で禁食種に数えられていますが、裏を返せば同じ意味の重要さと申せます。

 

―多彩なオニオンの仲間達ーWeb Photosより

そのネギ科植物の特徴は、どれも含まれる硫化アリルによる独特の臭いと含有するのフイトケミカルにありますが、興味深いのは、「五葷」に挙げられたネギ、ニンニク、ラッキョウ、アサズキ、ニラに、玉ネギが含まれていない事です。又、ラッキョウ、アサズキ、ニラに対して欧米でのリーキ、チャイブ、エシャロット(シャロット)とあり、一寸違います。

 

―西洋アサズキと呼ばれるチャイブー 

玉ネギ(Bulb Onion)はネギ属の中では最も広く栽培され、関係する野生種の原産地は中央アジアとされ、近隣の原種がイランにあったと言われていますがはっきりしません。 西洋ネギのリーキは、タマネギやニンニクに近いと言われますが、地中海地方が原産地とされ、ニンニク同様に紀元前から栽培され、一寸、日本の「下仁田ネギ」に似ていますが、葉がニンニクと同じで中空ではありません。日本のネギは“Japanese Bunching Onion”と言い、又はグリーンオニオンとも呼ばれ、リーキとは異なる分蕨あるいは分球型のネギであり、タマネギのように鱗茎が大きく肥大するネギは極東アジア地域では生まれ無かったようです。

 

―西洋ネギ「リーキ」-Web図鑑より

ラッキョウは、“Chinese Onion”と呼ばれ、中国が原産とされ、アサズキはチャイブの変種とされ、ニラは、“Chinese Garlic Chives”と呼ばれ、矢張り中国が原産のチャイブとされています。

尚、エシャロットですが、分球する小さい鱗茎を利用する小玉ネギに近い種ですが、ポテトオニオンとも云い、原産地は南西アジアとされ、料理通の食材として珍重されているとあります。尤も、日本で流通しているエシャロットは、一般にラッキョウであり、本物のエシャロットでは無いとの事です。

 

―南フランスの市場に並ぶエシャロットーWikpediaより

さて、其のアリウム属のネギ類には、共通して含まれる硫化アリルとポリフェノールが特徴であり、その食材価値は薬味となるハーブやスパイスとして一年中利用出来る事でもありますが、多く摂取できる事も大切です。特にリーキの変種とされる「エレファントガーリック」は、一般ニンニク種とは違い、タマネギ並みに料理に利用できるとあり、外房の拙宅の菜園では、昨秋に60球程を植え込みました。

 

―外房の菜園のエレファントガーリックと玉ネギー

ネギ類は、栽培圃場でカンパニオンプランツとして他の作物と混稙する事で、独特の害虫忌避効果や土壌害の軽減が期待できると良く言われます。拙宅の菜園の常在するネギ種は、「大葉ニラ」と千葉県在来種の長ネギ「坊主知らず」ですが、秋から翌春までは、玉ネギとニンニクは必ず栽培しています。今年は、昨秋に種を貰って播いた「リーキ」の苗を、キュウリとスイカの間に間植して利用して見ます。

 

―新プランター栽培のリーキの播種苗ー

尚、一般家庭のプランター栽培に最適な品種は万能ネギと呼ばれる九条細ネギで、季節を問わず栽培が可能です。葉肉が長くて柔らかい葉ねぎを代表する品種で、京都九条が主産地であったのですが、今では堪液水耕栽培品が年間を通じて市場に出回っています。

 

―九条細ネギーWeb図鑑より

新プランター栽培なら、養液肥料を用いるのでベランダ―や窓辺での極小型のプランターでの周年栽培が容易であり、めん類、豆腐などの薬味に使うには大変便利であり、無農薬は当然ですが、土壌栽培と違ってその清潔さ、清浄さはこの上無しです。

 

―播種から50日の新プランター栽培の九条細ネギー

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