白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―バイオ集約農法の話―

2013年09月20日 | 農法

日本でも、環境保全活動、「エコロジーアクション」が環境を守るキーワードとなっていますが、今、その環境保全の一環としての持続可能な農業にも高い関心が寄せられています。その中でも有機栽培農法は、その課題の解決に最もふさわしい持続可能な農業であると、多くの方に受け取られているようです。 

ご存知の方も居るとは思いますが、その有機栽培方式の一つとして、既に世界140カ国以上で採用され、日本でも講演で紹介された事があり、今尚もその活動を広めているのが表題に揚げた「バイオ集約農法」“Biointensive Action”であります。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

そのコンセプト、最小限の農地面積で、其の土壌の改良を図って、肥沃度を維持する一方で、最大量の収穫を揚げる事に集中する有機農業システムであるとあります。

そのゴールは、長期に亘る持続性を維持する自然とは隔離したクローズシステム農法であり、特に家庭菜園や発展途上国の小面積農業、又小規模な商業農業生産に適していると言います。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

日本にも、そうした農法に似たようなユニークな農法コンセプトがあり、昨近の日本農業の耕作放棄地が多々発生する国情もあってか、新たに農業に興味を持ち、岡田茂吉や福島正信の「自然農法」などの影響を受けた若い方等、自らの信念を以って無肥料栽培や無耕起栽培などの新しい農法を求めて、試行錯誤的にいろいろな農業を試みて居る方もその中には居られます。しかし、その科学的な知見に乏しい点には余り気付いていないようです。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

一方、日本の有機栽培農業と言えば、欧米先進国に倣って制度化された有機JAS法が施行され、その上に新たに、国や自治体に依る其の推進活動が法制化もされています。しかし、そのコンセプトとは裏腹に技術的に多くの課題を抱え、その生産物価額や供給量等で、市場要求に充分応えられて居ないのが実情であり、それ程の進展を見ていません。

それも亦、時代の流れの中での過渡期的現象と言えば、それまでですが、事の本質が一般に、中々理解されにくい「ジャパンシンドローム」と思えば頷ける話かも知れません。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

さて、私事で恐縮ですが、生来の植物栽培好きが嵩じて作った外房の僅かなスペースの菜園での野菜作り、人並みでは何か物足らず、いろいろと老骨に鞭打って励む遊農ですが、その「バイオ集約農法」、家庭菜園家向きの小面積の高生産農法と聞けば、その実態に興味を抱かずにはいられません。

 実は、そのバイオ集約農法の海外サイトが有りましたので、多くの家庭菜園を実施されている方々の理解の参考になればと思い、其の概要を一寸紹介させて頂きます。

 

―John Jeavons

Director of the GROW BIOINTENSIVE Mini-Farming program

先ず、其処に紹介されている「バイオエクステンシブ」と言う言葉の意味ですが、其の概要の冒頭に、「我々は何世紀にも亘って受け継がれて来た古い農耕システムに注目し、その科学的な原理の発見と究明に献身してまいりました」とあり、

其処で行き着いのが、「バイオエクステンシブ」であり、その基礎となる下記の8つの基本的なアスペクト、側面で構成されていると書かれています。

  • Double-Dug, Raised Beds 2倍の耕起深さの高畝耕法
  • Composting          堆肥導入
  • Intensive Planting       集約植栽
  • Companion Planting     コンパニオン作物植込み
  • Carbon Farming       炭素導入農法
  • Calorie Farming       カロリー作物農法
  • The Use of Open-Pollinated Seeds 解放受粉種子の利用
  • A Whole-System Farming Method  統合栽培システム農法

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

そして、其の各々側面を次のように解説して居ります。

 自然の中で育つ作物は、土壌と水と空気と太陽光の接触面(インターフェース)のもとで生育するのであり、

バイオ集約農法は、その土壌との接触面を最大とすることに要点があり、一般の作土深さの2倍の60cmすること、土壌の持つ養水分、空気量を増やして作物の根系の発達を促進し、養水分摂取の増大を図る。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

深い耕土の健全な根域を確保する鍵は、健全な堆肥の施用であり、充分な空気量を含む膨潤な作土作りに依って、適切な水分量が保持され、健全な根系の発達が図れる。

 作物の植え付け間隔を狭めて、土壌微生物を守り、水分の蒸散損失を減らし、収量の増大を図る。

 コンパニオン作物を導入する事で、摂取養分の均衡を図り、光量や水分量、有益昆虫を含めた生きたミニエコシステムが栽培圃場域に創生できるように図る。

 穀物類などの高カロリー含有作物、土壌への炭素土壌還元作物を作付する事で、安定した土壌条件を確保して農地土壌の持続性を図る。

 自家採取できる、解放受粉型の固定種の種子を利用する事で、多様な作物遺伝子の保全を図り、栽培者自らが、その土地気候条件に適した品種を開発して固定できるように図る。

これらの全て要素を、システムとして同時に導入する事によって、土壌の劣化を避け、最適な効果をもたらすように図る。

 

-イメージPhotoes From Biointensive Action―

以上がその概要ですが、其の実践結果から、このバイオ集約農法で育てるミニガーデン栽培法、省資源化が図れ、次のような大きな効果が得られると結んでいます。

  • 67%-88%の節水効果
  • 50%-100%の省肥料効果
  • 僅かな資源で商業栽培より99%の省エネになる

又、これらの技法導入によって:

  • 2-6倍の食料生産ができる
  • 適正にシステムを利用すると、自然の土壌より60倍も早く土作りができる
  • 必要な土地面積の半分、又はそれ以下にすることができる

バイオ集約農法で育てるミニガーデン栽培法は、旧来からの優れた実践農法を科学的に検証する事で、その構成要素を再構築した統合システム農法と言う事です。

単なる方法論では無く、其の結果としての有効性や持続性についても充分研究されて居り、今日の日本の土地条件、国土事情にも適合するエコアクション農法として、充分採用に値すると思われます。

 尚、詳しくお知りに成りたい方は、WEBSITE http://www.growbiointensive.org/index.html にアクセスしてご覧ください。

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