白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―健康は自然の秩序なり!―

2018年08月22日 | 健康

今年の夏の酷暑は前代未聞であり、年寄りには危険なほどの高温多湿続きでしたが、これから迎える季節の移り替わりの反動の急激な気象変化にも気を付けねばと思って居ります。

想えば、今年は永い人生の節目となる 「傘寿」の一年間を無事に乗り切って、間もなく81歳になります。続いての無事息災で過ごせる節目を 「米寿」とするか、そのは其れとも「卒寿」にするか、歳と共に己の健康長寿戦略の見直しも有って然るべきかと思うのですが、神のみぞ知る己の天命に、敢えて愚策を重ねてしまう事になってはと、先人の知恵に想いを馳せながら、終ぞ心の安寧の神頼みとなって仕舞うのが偽らざる気持ちです。

―歳を経て 尻肉落ちて 座布団恋し―WEB画像より

実は先日来、故あって思い起こし 自然治癒力を生かすーの副題の付いた松田博公著の岩波新書 「鍼灸の挑戦」を、10年振りで書架から取り出して読み返しています。

其の第8章の生き方の医学、其処に有る東洋医学の真髄とも言える病の捉え方、「恬淡虚無なれば病無しの意味を如何に捉えて、健康長寿に資すべきかと、思い巡らしています。

かの有名な古代中国の医学経典、「黄帝内経素問」の巻頭にある健康哲学であり、自然の法則に則っての生き方、其処から生まれ出る真の健康の在り方を説いている意味深い言葉であります。

世俗の欲望を貪らず、心身をあくせくと労しない無欲こそ長寿の秘訣であり、自然の摂理との調和を以ってすれば、病知らずの天寿が全うできると言う事でしょう。

 

-黄帝内経素問フリガナ付き原文―WEB画像より

其の中国最古の医学経典の中に有って、世界的に脚光を浴びている鍼灸医学は、現代西洋医学と対比される東洋の伝統医学であり、今や世界的に注目されて盛んに取り上げられて代替医学の一翼を担う存在と言われています。

その古代中国に端を発した鍼灸は、6世紀には日本に伝えられたのであり、爾後1,000有余年に亘っての進化を経て、永く日本人の病を癒し、健康を支えて独自に発展を遂げて来た、言わば鍼灸医学の準宗旨国とも言える日本鍼灸、現代日本人は其れを如何ように理解し、その恩恵に預かって然るべきでしょうか。

何故かと言えば、「鍼灸の挑戦」の著者は、其のプロローグで、今世紀は鍼灸が世界的に普及して、地球の隅々まで羽ばたくだろうと述べ、其れを見通した中国政府は、いち早く鍼灸をユネスコの無形文化遺産に登録し、国家プロジェクトとしての様々角度から、鍼灸の海外普及に力を注いで居ると言い、片や日本は、其の全人的治癒の道の可能性を秘める、日本で発達した、日本鍼灸固有のマイルドな技法の医療的、文化的価値を、世界に発信するどこらか、国内の医療システムにさえ、取り入れようとしていないと、その実態を慨嘆されているからです。

 

―日本発祥の鍼灸夢分流 打診術の再現された槌と鍼―WEB画像より

ご存知とは思いますが日本人は、長い歴史の下に築き上げて来た自国の伝統医学と言うべき鍼灸・漢方を、今から150年前の明治維新の国策で、医学としての地位の存続を認めない処置を取ったのです。

言うなれば、鍼灸・漢方医学は、明治新政府の取った、諸制度を全て西洋化しようと試みた時代要請に翻弄され、旧来制度として存続に期限を設けられ、後継者の育成も断たれ、日本人の医療としての公的地位を失う羽目に陥ったのです。

それ以来、今日まで日本の鍼灸は民間医術として、巷に細々と生き残りながら、紆余曲折を経ても廃れる事が無く真価は受け継がれては来たのですが、多数の流派、分派に分かれて居り、未だに標準技法(スタンダード)が確立されていないと言われて居ます。

その知る人ぞ知る日本の鍼灸医術、今日制度が変わっても、医学としては今尚、同列に置かれず、医療としても玉石混淆の様相を呈して居り、不分明な公的評価と相俟って、国民一般の認識レベルにも、其の適切な評価に大きな落差があるのも事実です。

 

―岩波文庫の鍼灸の挑戦―WEB画像より

話は前後しますが 「鍼灸の挑戦」の中の言う、ー自然治癒力を生かすー鍼灸医学、本来の西洋医学には無い 「自然治癒力」の医術と言う、医療の本質的な捉え方は 「病」を抑え込むのが医療とする西洋医学とは相容れない、東洋医学の医療に対する異った考え方が背景にあり、其の自然治癒力を生かす医術の鍼灸と 「病」は抑え込むのが医療とする、病を攻める侵襲的な西洋医学のどちらを、医療として選択するかは、今日では最早、受益者たる私達の医療対する本質的な理解に掛かって居り、受ける医療を使い分ける時代を今日迎えているとするのが、代替医学の台頭する理由であります。

それ故か 鍼灸の挑戦の著者は、その第4章の「鍼灸を科学する」では、鍼灸が社会から認知されるためには、従来の経験主義を脱して「証拠に基く医療」、EBMを以って、客観的な評価に耐える試みが必要であると述べ居ります。

続いての 「ツボの謎を解く」の項では、鍼灸のツボ(経穴)は、刺激を与えると感受性が高まる圧痛点が形成される受容器であり、其処を刺激すると、自律神経系や内分泌系、免疫系が活性化し、鎮痛作用もあり、同時に治癒点となると言い、鍼灸医学の現代医学では、全く説明不能である、ツボ(経穴)の持つ特質を解き明かしています。

次の第5章の「自律神経免疫療法の誕生」では、「自然治癒力」を時代のキーワードに高めたと、故安保徹博士の提唱した「福田―安保理論」の誕生の経緯に触れ、続いて其の臨床へ応用となる、鍼灸医学の井穴刺絡療法を自律神経免疫療法の一環として、現代医学との接点となる療法とも言える鍼灸法の応用効果として、そを紹介をしています。

 

―安保徹先生の免疫進化論―WEB画像より

其れでは此処で、「自然治癒力」を時代のキーワードに高めたと著者が言う、故安保徹博士の免疫学研究に触れながら、表題の健康は自然の秩序なり!」の結語にさせて頂きたいと思います。

安保徹先生は、恩師であった東北大講師の故斎藤章先生が提唱された生物学的二進法、それが、ご自身の提唱する免疫学に指針を与えてくれた法則であると、著書の中でたびたび申されて来ました。

「人体は刺激因子に対して、生物学的に最も合理的、且つ合目的な生物学的二進法によって、自動適応機構が構成されていて、それによって人体の適応能力が、最も都合よく営まれている」と述べています。

その自動適応機構 「内分泌系と交感神経、副交感神経の拮抗関係による、二進法によって起こるのであり、その調節機構の基幹をなすのが自律神経系であり、調節機構における内分泌系、自律神経系と間には不可分の関係がある」と唱えています。

そして 「その自律神経のレベルの変化が、白血球の顆粒球とリンパ球の分布を決定して居り、逆に感染症は、その白血球のいずれかを直接活性化し、その自律神経のレベルを決定している」と言うのです。

そうした生体活動システムは、生命体が、単細胞から多細胞に進化した過程で獲得した、生命体の円滑な生体機能維持、生体防御の要になって居り、其の生体が持っている自動適応機能こそ、生命体の備えている 「自然治癒力」であって、其の生体活動の秩序の乱れ、偏りが 「病」への発症に繋がるとするが、安保徹先生の唱える免疫学理論であります。

其の生命体に備わっている健全な生体活動、適応可能な自然の秩序に従って滞り無く営まれてこそ、健康は維持されるのであり、其の生命存続を可能する自然の秩序に従った生き方が、天寿(プログラムされた死)が全うできる、真の健康をもたらすのです。

其の意味では、先に述べた鍼灸医学は、生体の自律神経系、内分泌系、免疫系を活性化し、鎮痛作用もあり、同時に治癒点となると言う、現代医学では、全く説明不能なツボ(経穴)を刺鍼して、与えた刺激によって生体の備えている「自然治癒力」を活性化し、以って病を自ら治癒に至らしめる療法であり、今や世界に広がる鍼灸法は、矢鱈と現代医薬(魔法の弾丸)による対症療法には頼らない、真の健康志向の医学となりつつあると、確信している次第です。

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