―ペットの散歩で見る 朝のテレビ体操に想う―

今年の関東地方は、観測史上初めての６月中での梅雨明けとなったと先日発表されましたが、折しも九州の西側を北上し、対馬海峡を抜けて日本海側を通過した台風７号の置き土産でしょうか、それ以後日本列島上に南下して居座った梅雨前線が、九州北部から中国地方にかけて未曽有の豪雨をもたらして、今尚深刻な被害状況が続々と報道されています。

地球温暖化が為せる？異常気象と言えばそれ迄ですが、これも因果が巡る自然現象なのでしょう！

 標題の朝のペットの散歩、雨降りとなればお休みにしているのですが天気の良い朝ならば、毎回通り掛かる公園広場前で見かけるのが、園内に点々ばらばらに集まって始められている朝のテレビ体操姿であります。

その数ざっと見て、４、５０名程ですがが、殆どが高齢者であり、其の略７割は女性です。それだけに女性の方が、ご自分の健康管理には熱心で有り、関心の度合いも高いから女性が多く集まるのでしょうが、ご亭主に先立たれた方も多いと聞き、平均余命で女性の方が男性を凌駕している所以でもあるようです。

 

―公園広場に集まる人数　日曜日は半減するから不思議です！－

この時期は特に早い日の出で集まる皆さんの時間も早まり、多くの方が６時半に始まる体操の前に、園内の遊歩道、一周約３００メートル程を歩いて回って居り、顔見知り同志は声を掛けあい、健康な一日の始まりのけじめにと、次々と女性にハイタッチする男性も居り、皆さんの朝の溌溂とした雰囲気が快く感じられます。

 扨て、先のブログ　「―唯一言　歩け！―」　の中で申させて頂きましたように、毎日欠かさずに運動を続ける事の大切さ、其れは健康管理の原点であります。

人は良い空気をたっぷり吸って、美味しくて栄養価の高い食べ物をしっかり食べて、元気になるが一番ですが、其れが出来るのも、代謝活動で生まれている生命エネルギーを分相応に費消して行く事にあり、其れを怠れば何等かの支障をきたして、健康を害する要因を作る事になります。

人間も動物と同じように、体を動かして身体機能を常に一定にレベルに維持する必要であり、其れを疎かにすれば身体能力は低下するのであり、増して加齢と共に起こる身体の様々な作動不具合など、現代医療を以ってしても、もはや元には戻せないのであり、其れを治療可能な疾病にするのは根本的な間違いです。

そうなると頼れるのは、アンドルーワイル博士が言う、生体自ら備えている自発的な復元力、自然治癒系の働きでしかありません。

今や、何でも手に入る時代にあって、決して儘ならないのが自らの手で維持しなくてはならない心身の健康であり、其れは森羅万象の自然摂理であり、生体と雖も必ず守られ従わなければならない自然秩序であり、其の秩序の維持こそが、実は人の真の健康であると私は確信しています。

其の健康の維持責任は、誰もが自分に有るのであり、適性量の有酸素運動に依る円滑な身体諸機能の維持、過不足の無い適性量の栄養摂取となる毎日の食事、充分な休息となる毎夜の良質な睡眠であり、其れ等の生活習慣をきちんと守る事を常に心に念じています。

 

―現代医学を問い直す契機となった名著です！－

実は、西洋医学の観点に立って提唱された、前述のアンドルーワイル博士の自発的な復元力、自然治癒系の働きの意味、免疫学者であった安保徹先生は、其の著書の中で次のように述べて居ります。

「‥‥健康であるためには、生体のリズムのバランス（生体防御の在り方を決めている自律神経系のバランス）が大切であり、日中は程よく交感神経系優位（旺盛な活動を支えるリズム）で、夜間は副交感神経系優位なリズム（休息とリンパ球の生体防御リズム）が形成される事が大切である。‥‥」

 「‥‥長寿への道は、いかにして日常の活動を少なくして自分の活動の持ち分を、時間をかけてゆっくり使っていくかに掛かっている。‥‥」

 「‥‥基礎代謝以上の余分な酸素、そして、それに依って産生される余分なエネルギーは、生体の活動量を高め、持ち分の代謝能力（１３０年分）を短い時間で使い切る事になる。しかし、人生の大事を成し遂げるには、余り長寿に固執してもいけないかも知れない。‥‥」

 

―　現代医療への警鐘となった名著です！―

以上ですが、その申されている意味、充分にご理解出来ましたでしょうか。一寸補足させて頂きますが、本来生物は、自らの防御力を備えているから生存出来るのです。

生体は、その持つエネルギー系の活動を統一する自律神経系によって支えられ、連動して働く白血球による自らの防御システムによって守られているのです。

生命体の維持は、その持つエネルギー系の代謝活動に依るのですが、其れをコントロールしているのが、自律神経系の交感神経と副交感神経であり、備えられている防御系も共に連動して働いているのであって、その生体レベルのバランスが大切と言う事です。

其の生体のレベルバランスを崩すと、正常な代謝活動が阻害され、自らの防御システムを以ってしても、正常な状態に戻らなくなるのが、疾病の発症であります。

 今の多くのお年寄りは、昔と違って余り体を動かさず楽をし過ぎて居り、その結果、加齢と共に心身の機能が低下して、自分の体重さえ充分には支えられなくなって、医療や介助を必要としているのが現状であります。考えてみれば、誠に由々しき社会現象と言わざるを得ません。

毎朝ペットとの散歩途中で見かけるテレビ体操姿、参加されているメンバーは決まっているようで、特に増えもしないようであり、これ亦、当世社会の縮図と言う？事のようです。

因みに、顔見知りとなった方に尋ねてみると、殆どの方が、何等かの医者の処方薬を日常的に服用していると言いますから、これも亦、当世の健康の医療依存社会？の縮図であるようです！