白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

-ご存知ですか?“栄養管理の4Rs”-

2013年11月12日 | 肥料

先のブログの均衡培養液の話の中で、化学肥料の施肥量管理には、未だに満点解答は無いと申し上げましたが、其の肥料による作物の栄養管理の基本を、“Best Management Practice”(最善の管理手法)と言う考え方で、紹介しているサイトが海外のネット上にあるのを見つけました。

 その「栄養管理の4Rs」と銘打ったコンセプト、大規模な農業生産現場で適用される専門的な施肥管理へのアプローチですが、其の基本な考え方は、家庭菜園から果てはプランター野菜園芸栽培に至るまで、植物の栄養管理の全てに通じるものであり、専門技術的な内容はされ置いて、其の4Rsの意味につて一寸紹介させて頂きたいと思います。

 

-4Rsとは、何でしょうか?-4Rsサイトイラストより

作物の栄養管理とは、肥料の使用効率を最適化する為の最善の管理手法の実現であり、其の考え方の基本は、「適切な肥料要素」を、「適切な割合」で、「適切な時期」に、「適切な場所」に与える事にあり、其の「適切な‥」の英語が、“Right”(正しい)の意味であり、その4つの“Right”を取って“4Rs”としていると言うのです。

 

―国際植物栄養研究所のロゴマークー

その4Rsコンセプトを紹介しているネットサイト上には、其の管理手法の基本指針を承認し、支持しているのは、全米で127を超える肥料の生産、販売、貿易に従事する会社や関係する諸団体等が会員として加盟する “Fertilizer Institute”(肥料研究所)、“Canadian Fertilizer Institutes”(カナダ肥料研究所)、 “ International Plant Nutrition Institute”(国際植物栄養研究所)及び“ International Fertilizer Industry Association”(国際肥料産業協会)の4つの団体と研究機関であるとあります。

 

―植物栄養を学びましょう!-4Rsサイトイラストより

そして、このコンセプトの使命に就いて 「肥料は、持続可能な作物生産システムの構成要素であり、肥料業界は、これらの栄養素を効率的に利用する必要性を認識して居り、このサイトでは、教育、アドボカシー(政策提言)及び作物栄養管理の実施のために、利用する利益当事者のための科学的根拠に基づく情報を提供し、環境や農業生産者の経営収支の中で占める肥料資源の「最善の管理手法」を提唱する為に始めた当該肥料業界の共同作業である」 とあります。

―肥料が食糧に変る!-4Rsサイトイラストより

「適切に管理され施肥による作付システムは、経済的、社会的、環境要件的で決定的な利点を提供する事になり、一方でその管理が不十分な養分の適用では、収益性を低下させ、栄養素の損失を増やし、潜在的には水と空気を劣化させる、環境への負荷を増大する事に成る」 と言います。

 

―肥料研究所のロゴマークー

「農業生産では、栄養管理の4Rsによる肥料の使用効率を最適化する「最善の管理手法」(BMP)の実行を必要とし、その手法とは、作物の要求に栄養供給を一致させて、栽培圃場からの栄養素の流亡損失を最小化することにあり、その選択できる最善の管理手法は場所によって異なり、与えられた農業圃場で個々に選択できる最善の管理手法は、其の地域の土壌や気候条件、作物、経営状況、その他のそのサイト固有の要因に依存している」 と言います。

その地域の土壌や気候条件、対象作物や管理状況など、固有の要因に依存する最善の栄養管理の4Rsを、どのように実行するかが肥料の使い方となりますが、様々な異なるファクターに、具体的にはどのように、その4Rsの考え方を適用するか課題であり、大変興味深い話です。

 

―環境を守る食糧生産が農民と肥料産業の使命―4Rsサイトより

それには、先ず 「肥料とは何か」を知り、植物の「栄養生理」を知り、「土壌とは何か」 その機能を知り、そうした基礎知識が充分に無くては、その実行は当然困難であり、其の為に用意された専門的な教育プログラムがあり、其の案内情報が最初に申し上げたそのサイトであります。

 

-4Rsは生産性向上と環境保全の両立です!-4Rsサイトより

その多岐に亘る専門的な教育プログラムを此処で紹介するのは当然無理であり、又本意では在りません。

それで、当サイトで紹介されていた栄養管理4Rsのキーとなるいくつかの情報項目の中の解説を、「一言で言うならば‥‥」の形で纏めてキーポイントとして、一寸紹介させて頂きます。

1.  播種時に入れる肥料の役割は?―その与える肥料の種類と量が一番大切!

2.  窒素の損失の経路は?―降雨や温度、湿度等、天候で気散と流亡損失が発生!

3.  分割して与える施肥の大切さ?―特に窒素の分割施肥が肥効のカギを握る!

4.  土壌検査の目的は?―施肥効果の増大にあり、其の過不足を知る!

5.  元肥は何故必要か?―スターターファーティライザーによる伸長が大切!

6.  カリウムに注目とは?―減収要因となるカリウムの挙動、その収奪量を知る!

7.  土壌pHと肥料の関係は?―土壌pHが適切な肥料の質と量と施肥位置のカギとなる!

8.  配合肥料の肥効は?―同時に与えても、時と場合でそれぞれの肥効は異なる!

こうして見ると、肥料と土壌の関係、肥料と作物の栄養生理、作物が育つ大地、土壌の中の肥料の挙動を知らずしては、「何の意味か、まるでチンプンカンプン」となる事が良くお分かりと思います。

そうなると、与えた栄養分が、それで充分かどうかは、「植物に聞け!」であり、植物が応える肥料応答となる「作物の反応」を、観察して判断する能力を養うしか有りません。

 

―収穫物の栄養を管理する!―4Rsサイトより

話は飛躍しますが、新プランター栽培の施肥管理、先のブログで述べた「均衡培養液」を利用するのですが、栽培容器は閉鎖型であり、逸水させなければ、肥料成分の損失は気散以外に起こりません。

その肥料効率の良さは言うまでも有りませんが、大切なのは、蒸散量に合わせた養液推移(水位)の管理であり、後は、植物が無言で答えてくれるその姿の成長応答です。

 

―今や精密農業の時代!-4Rsサイトより

いやーもう一つ、言い忘れましたが、培地表面からの気化蒸散で残る塩析(栄養分)に発生する藻類による黒変具合です。それを見て、均衡培養液の希釈率を80-50%に調整するのが、新プランター栽培の過剰摂取を抑える栄養管理です。

 

―国際肥料協会ロゴマークー

もし、皆さんが有機肥料栽培なら、栄養分は土壌微生物に依る肥料養分の無機化であり、化学肥料のような、過剰摂取、気散流亡等起こらない完全栄養とお考えでしたら、前述の4Rsは有機栽培肥料では無意味と言う事に成りますが、決してそんな事は無いのです。

 

―地球規模の食の安全の時代です!-4Rsサイトより

有機肥料栽培でも、当然「最善の管理手法」は必要であり、4Rsの観点からのその栄養管理は、成分量のはっきりした化学肥料よりはるかに難しいのです。

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