鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

最期を信じて・・痴呆性老人と暮らして(その4)

2007-03-21 22:17:43 | 提案・要望

 初めての方は、申し訳ありませんが、2月13日、3月8日、14日、16日分を読んでから、読んでいただければより理解が深まるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

 

【平成12年(西暦2000年)】

⑯10月7日;

丸首が着られなくなった母のためあったかくゆったりとした服を買う

 

 体の自由が少しずつきかなくなってくるし、体に触られるのが何よりも嫌いで、抵抗する母の着替えは毎日大変です。

 もうこの頃はおしめを当てていたし、毎朝おしっこでびしょぬれになってしまいます。下着はもちろん、パジャマも濡れるし、シーツまで濡れてしまい、朝は下着からシーツまで取り替えなければなりませんでした。

 少しでも着脱が楽なように、頭から被るような服や下着は敬遠し、前合わせの、しかもホックとかぼたんよりもマジックテープがついている服を揃えるようにしていました。

 そのために、妻には介護のほかに買い物でもいろいろ苦労をかけました。(そういうことがあるから、頭が上がらないわけです。)

 

⑰10月15日;

白石へ母を連れてく兄妹で楽しい時間過ごさせようと

 

 もう何回も出てきたと思いますが、白石市は母の生まれたところで、実の兄が健在でした。

 母は4人兄弟姉妹の長女で、男は兄のみ、二人は妹です。でもこのときは一番下の妹は、一番若いのにいろいろ苦労して一番早く亡くなってしまいました。

 親孝行のつもりで、母を連れて行っていたわけですが、何よりも実の年老いた兄と妹が、あまりかみ合わない話を一生懸命しているのはそれなりにいいもので、それをそばで苦笑いしながら聞いていたりしました。

 帰りには庭になっていた甘柿をもらってきたりもしました。私は甘柿が大好きですので。

 

⑱10月15日;

出かけても何処に行くかは言えぬ母それでも戻る今は何とか

 

 まだ足腰は健在でしたから、家の中はよく動き回りました。本当にじっとしているということがないのです。

 少しは落ち着いて静かにしていてくれればいいのにと思っても、願っても、母は聞いてくれません。すぐに動きます。経験したことのない人には分からないかもしれませんが、本当に家族はいらいらします。

 たまに、ほっておいて、外に出すこともありましたが、多分「うちに帰る」とか言っていたのかもしれません。どこにある?と聞いても答えられるはずもありません。

 ただ、全く一人で外に出すわけにはいかないので、距離を置いて後をつけていきます。幸いにも道路の真ん中を歩くことはなかったので、その点はよかったのですが。

 

⑲10月25日;

要支援介護保険の認定で来月から行くデイサービス

 

 介護保険の実地調査や介護認定審査会の審査に基づき、母は「要支援」と認定されました。

 介護保険法の施行により、介護サービスを受けるためには要支援か要介護(1から5まで)の認定を受ける必要があります。

 母の結果は、一番軽い要支援でした。それで、介護サービスを受けられるようになったもので、保健所で聞いた、すばらしいケアマネージャー(介護支援専門員)がいる近くのデイサービスセンターに通所することにしました。

 今両親等の認知症(痴呆症)で悩んでいる人がおりましたら、迷わずにケアマネージャーに相談することを進めます。介護保険担当の部署に言って聞けば教えてくれます。

 

⑳11月4日;

今夜また母をこれでもこれでもか追い詰め怒鳴り泣かせて悔やむ

 

 これは多分夕食後の歯磨きのときのことと思います。今になって冷静になって振り返ると、何でこんなにも歯磨きに拘ったのかと反省しています。

 既に母の歯は、そう入れ歯になっていました。上下とも総入れ歯です。夕食後は、洗面所に母を連れて行って、自分で入れ歯を取り出させ、磨かせました。

 たまには自分からきちんと磨く場合もあったのですが、大半は洗面所の前に連れて行っても、何をしたらいいのか分からないのが普通でした。

 コップと歯ブラシを見せて、歯(入れ歯)を磨くのだといっても、なかなか分かってくれません。代わってこっちが磨こうとすると、抵抗します。入れ歯をとろうとしても、怖くてなかなか取れません。噛み付こうとするからです。

 手を上げてかかってくることくらいならまあ軽くいなせるものの、噛み付こうとする場合にはこっちも怖くなります、かっとなってしまいます。

 それで、洗面所でバトルが始まるのです。口で罵倒し、母を泣かせ、そして自己嫌悪に陥ってしまう。この繰り返しでした。

コメント (1)
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